足立区立郷土博物館で開催中の “幕末・明治の千住の美術” に行ってきました。
「千住の美術」 と言いましても、千住博さんの美術展というわけではありません。
念のため。
今でこそ、あまり文化的なイメージのない足立区千住ですが (←超失礼!)
幕末から明治にかけては、文化を支援する、いわゆるパトロン的な商家が、多数存在していたようで。
千住には、一つの文化コミュニティが形成されていたのだそうです。
そんな千住発の美術作品を紹介するのが、こちらの美術展。
千住では、様々な絵師が育ったそうですが、
千住が生んだ最大のローカルスターと言えば、村越其栄(1807~1867)と村越向栄(1840~1914) の2人。
2年前に、足立区立郷土博物館で開催された “江戸の琳派” という美術展で、
初めて大々的に作品が紹介された絵師の父子です。
まだまだ日本全国での知名度は低いものの、
特に父である村越其栄は、知る人ぞ知る画才の持ち主。
酒井抱一の高弟・鈴木其一の門人でありながら、
絵の才能は師匠以上と評価している人もいるくらいなのだとか。
それだけ実力が評価されながらも、
なかなか全国区になれないのは、発見されている作品があまりに少ないからに他なりません。
現時点では、村越其栄の作品は、なんと日本で十数点ほどしか確認されていないのだそうです。
(もしかしたら、世界に流出しているかもしれないとのことですが)
今回の “幕末・明治の千住の美術” では、
そんなフェルメールよりも希少な村越其栄の作品が、前後期合わせて4点も展示されています。
(しかも、すべてが個人蔵!)
色合い的には、 《紙雛図》 も良かったですが。
(注:展示は前期 [~4/14] までです)
より、目が釘付けになってしまったのは、 《白衣観音図》 。
(注:展示は前期 [~4/14] までです)
ヨガのインストラクターのポージングみたいで、若干気になるところですが (笑)
逆に、この気さくなポージングのおかげで、
この白衣観音様には、何でも打ち明けられそうな気がします。
「話、聞くよ。」 と、軽いノリで言ってくれているような。
また、絵の線そのものも、見ているだけで心地よさすら感じる、軽やかな線だったのが印象的でした。
洒脱な父・其栄に対して、息子の向栄は、琳派の正統派という印象。
良く言えば、優等生的。
悪く言えば、教科書的。
実力は父譲りなのでしょうが、琳派という枠の中から抜け切れていない感じがしました。
マジメかっ!
《鐘馗図》
(注:展示は前期 [~4/14] までです)
さらに、今回の美術展では、この親子の他に、
高橋廣湖 (1875~1912) という明治の画家も紹介されています。
高橋廣湖も千住に縁の深~い日本画家。
あの岡倉天心にも才能を認められ、
同時代の日本画家である横山大観にも勝るとも劣らない実力の持ち主だったのだとか。
ただ残念ながら、36歳という若さで亡くなってしまったため、その名前が歴史に埋もれてしまったのだそうです。
歴史に、 “もし” はありませんが、
もし高橋廣湖が長生きしていたら・・・横山大観よりもメジャーな日本画家になっていたかもしれません。
“もし” ついでに言うならば (←?)
もし足立区立郷土博物館が今回の美術展を開催しなかったら、
・・・確実に、村越親子も高橋廣湖も世に出なかったことでしょう (笑)
そういう意味でも1つ星。
一つだけ残念だったのは、展示作品数が前期も後期も約10点ずつなので、やや物足りなさを感じてしまう点。
アクセスが少々不便な足立区立郷土博物館まで足を運んだからには、もう少し見たかったというのが本音です。
(作品が良かっただけに)
ちなみに、3月30日から4月7日の桜まつり期間、
5月5日子どもの日、第二・第三土曜日は無料公開日とのこと。
これから行かれる方は、要チェックです。
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幕末・明治の千住の美術
煙に寄せたメッセージ 版画・たばこのある風景
まずは、こちらの作品をご覧くださいませ。
この版画作品は、その独特な女性像からも、なんとなく予想が付くように。
有元利夫の手による版画作品です。
(「有元利夫って、誰?」 って人は、こちらをクリック)
作品のモチーフとなっているのは・・・
ヰタ・セクスアリス (新潮文庫)/森 鴎外
¥389
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森鴎外の 『ヰタ・セクスアリス』 の中の以下の一節です↓
「・・・そして二尺ばかりの鉄の烟管を持っている。これは例の短刀を持たなくても好くなった頃、丁度烟草を呑み始めたので、護身用だと云って、拵えさせたのである。それで燧袋のような烟草入から雲井を撮み出して呑んでいる。酒も飲まない。口も利かない。
併しその頃の講武所芸者は、随分変な書生を相手にし附けていたのだから、格別驚きもしない。」
有元利夫×森鴎外。
この美術と文学の奇跡のようなコラボ作品は、
実は、日本たばこ産業株式会社の企業広告として制作された 「版画・たばこのある風景」 のうちの1点。
ちなみに、 「版画・たばこのある風景」 とは、
有元利夫をはじめ、池田満寿夫、工藤甲人、南桂子、金子國義…といったそうそうたる芸術家が、
近現代の日本文学作品中に登場するたばこのシーンを題材に、たばこのある風景を独自に表現したシリーズで。
昭和54年から平成3年にかけて、全部で72点の作品が制作され、多くの雑誌の広告面を賑わせたのだそうです。
そんな 「版画・たばこのある風景」 全72点の原画を一挙に展示しているのが、
たばこと塩の博物館で開催中の “煙に寄せたメッセージ 版画・たばこのある風景” という美術展。
雑誌でリアルタイムで目にしていたという方は、もちろんのこと、
雑誌で目にした記憶が全くないという方でも、楽しむことのできる美術展です。
恥ずかしながら、僕も、この美術展で、
初めて 「版画・たばこのある風景」 の存在を知ったのですがf^^;
(JTの雑誌広告と言えば、 「大人たばこ養成講座」 しか知らない)
加山又造×三島由紀夫 (『禁色』) や、
小松崎邦雄×川端康成 (『伊豆の踊子』) 、
斎藤清×志賀直哉 (『小僧の神様』) などなど。
奇跡のような芸術×文学コラボの数々に、
アートファン兼読書好きとしては、純粋にワクワクさせられました。
リアルタイムで、この広告を見ていたら、さぞ毎回楽しみだったことでしょう♪
1点1点、個々の版画作品を楽しむのも良いですが。
シリーズ全体で楽しむのが、よりベター。
作者によって、リトグラフだったり、木版だったり、メゾチントだったりと技法も様々。
ちゃんと忠実に文学作品の一節をイメージ化する作家もいれば、
元の文学作品の一節の原型が全く留まっていない作品を作る作家もいて、
そのバリエーションの豊かさを俯瞰的に眺めるのが楽しかったです。
個人的に一番印象に残ったのが、 草間彌生×志賀直哉 (『豊年蟲』) のコラボ。
画像が紹介できなくて恐縮ですが、
作品名が、 《YAYOI KUSAMA通り》 となっていたことからも、なんとなく予想は付くでしょうが (笑)
まったく志賀直哉は関係なく、いつもの草間彌生さんの作品でした。
草間100%。
志賀直哉さんは、きっと泣いているに違いない。。。
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生誕120年 木村荘八展
東京駅から徒歩0分。
抜群のアクセスの良さを誇る東京ステーションギャラリーへ行ってきました。
現在開催されているのは、 “生誕120年 木村荘八展” という美術展です。
ちなみに、こちらは、東京ステーションギャラリー再開記念として開催されている美術展。
“あれっ、前回の美術展も、そうだったような??”
いえいえ、前回の “始発電車を待ちながら” という現代アート展は、
東京駅復原工事完成記念展として開催されていた美術展。
似ているようで、全然違うのです。
というのも、そもそも東京ステーションギャラリーは、
これまでに企画された長谷川利行展や河野通勢展…etcのように、
あまり日の目を見なかった近代美術の作家にスポットを当てることに定評のある美術館。
そんな東京ステーションギャラリーの再開記念には、
現代アート展よりも、東京で20年ぶりの回顧展となる木村荘八展の方が相応しいと言えましょう。
ではでは、木村荘八 (しょうはち 1893~1958) とは、一体どんな人物だったのでしょうか?
まずは、簡単に彼のプロフィールをご紹介いたします。
木村荘八の父は、当時日本最大の牛鍋チェーン店 「いろは」 を経営した木村荘平。
その妾腹の八男として生まれたので、 『荘八』 と名付けられます。
ちなみに、木村荘平は、たくさんの愛人にそれぞれ子供を作らせたそうで、
作家になった荘太や荘十、映画監督になった荘十二など、計30人以上もの兄弟が荘八にはいるのだとか。
(↑ビッグダディもびっくりですw)
荘平の愛人の一人だった荘八の母は、いろは牛肉店第八支店を任されていたそうで、
荘八は、在りし日のその店の様子を、脚色を織り交ぜながらも、 《牛肉店帳場》 という絵に描いています。
1932年 油彩・カンヴァス 公益財団法人北野美術館
洋画家としては、大正元年に画壇にデビュー。
気鋭の洋画家と持て囃され、美術に関する翻訳や執筆を続けながら、洋画家として活躍を続けます。
ところが、ある時期から挿絵の仕事が増え、
昭和12年に永井荷風の新聞連載 『濹東綺譚』 の挿絵を担当すると・・・
1937年 墨・インク・コンテ・紙 東京国立近代美術館
大衆に絶大な支持を受け、挿絵画家としての名声が高まります。
それでも、 「自分は洋画家だ!」 という信念を曲げず、生涯に渡って洋画を描き続けたのだそうな。
(しかし、洋画は、あまり売れなかったとか)
今回の木村荘八展では、彼の代表作を含む油彩等約70点、
さらに、 『濹東綺譚』 34点をはじめとする挿絵原画が、一堂に会しています。
「よくぞこれだけ集めたなぁ。。。」 と思わず感心してしまうほど気合の入った美術展です。
さすが、東京ステーションギャラリー再開記念!
さらに、東京駅の煉瓦壁を活かした東京ステーションギャラリーの館内が、
荘八の描く東京の風景と絶妙にマッチしていて、より魅力的な木村荘八展に仕上がっていた気がします。
(どこからか古いラジオの音が聞こえてきそうな館内の雰囲気でした♪)
2つ星。
さてさて、社長の息子 (=ボンボン) ということもあって、
当時は高価だった西洋の画集を目にする機会が多かった木村荘八。
それだけに、彼の作品に、さまざまな西洋の巨匠たちの影響が見て取れるのが面白かったです。
例えば、 《祖母の像》 という肖像画は、ゴッホっぽく、
《幽霊せり出し》 という歌舞伎の舞台裏を描いた作品は、ドガっぽい。
《ストリップショー楽屋》 は、ロートレックを彷彿とさせますし、
ポスターに使われている 《浅草寺の春》 は、どこかアンソールっぽい印象です。
1936年 油彩・カンヴァス 公益財団法人北野美術館
また西洋の巨匠たちの影響ばかりでなく、
交流の深かった岸田劉生の影響をモロに受けている作品も、ちらほらとありました。
良く言えば、素直で器用な画家だったのでしょう。
もちろん、全く個性が無いわけではなく、木村荘八ならではの作品もあります。
その中でも、僕が特に気に入ったのが、 《新宿駅》 という一枚。
1935年 油彩・カンヴァス 東京国立近代美術館寄託
今も昔も変わらない新宿駅の喧騒が、この絵から伝わってきます。
また、喧騒 (=音) だけでなく、人いきれ (=熱気) のようなものも伝わってきました。
“なぜに、こんなにも熱気を感じるのだろう??”
と、絵に近づいてみると、普通の絵よりも油彩がこってりたっぷり使われていることが判明。
これでもかというくらいに絵肌はテッカテカでした (笑)
しかし、この表現だからこそ、
離れて観た時に、ちょうどいい感じで雑多な新宿に見えるのです。
新宿を知り尽くしていないと描けない作品ですね。
あと、よく見ると、絵の中の看板の 『のりば案内』 の文字が、かなり雑なのがわかります。
この雑さが、やはり雑多な新宿感 (←造語?) を高めている気がしました。
最後に、読者の皆様へのプレゼント。
この “生誕120年 木村荘八展” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントしちゃいます♪
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
(〆切は、4月15日。当選は発送をもって代えさせていただきます)
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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】
現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
4/21(日)・4/27(土)
緊急特別企画!大東京お笑い建築ツアー【プリツカー賞ってナンだ!?編】
「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」
という全ての人にお送りする “大東京お笑い建築ツアー” 。
建築初心者の自分を筆頭に、講師の建築家の方の話を伺いながら、
皆で、東京の色々な街を訪れ、“建築”をぶらぶらと楽しく観賞しようという企画です♪
さてさて、突然ですが、3月17日に、こんなニュースが報じられたのを覚えているでしょうか?
“「建築界のノーベル賞」と呼ばれる「プリツカー賞」に、建築家の伊東豊雄さん(71)が選ばれた。”
おそらく、日本中の多くの方が、こう思ったに違いありません。
「プリツカー賞ってナンだ!?」
と。
そこで、今回は、伊東豊雄さんがプリツカー賞を受賞したのを祝して、
伊東豊雄さんの建築はもちろんのこと、
これまでにプリツカー賞を受賞したすべての日本人建築家の建築、
さらには、プリツカー賞を受賞した外国人建築家の都内での建築を、
建築家ペンさん (4/27) とsoさん (4/21) のガイドで巡る特別な大東京お笑い建築ツアーをお届けします。
今回のツアーに参加すれば、きっとプリツカー賞について知ったかぶれるはず(笑)
また、今回のツアーには、世界最高峰の建築家しか登場しないので、
いつものツアー以上に、 「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」 という方にオススメです
開始は12時、終了は17時半を予定しています。
募集定員は、18名までとさせてくださいませ。
行程は、ミステリーツアーとなっていますが、
すべて23区内で、何か所かを電車(バスを利用するかもしれません)を使って移動するツアーとなっています。
ツアー代は、1200円となっています。
(ただし、交通費やお茶代は各自負担)
万が一、キャンセルなされる場合は、2日前までにお願いします。
もし、それ以降にキャンセルした場合、定員が補充出来なかった場合に限り、キャンセル料を頂きたいと思いますm(__)m
というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい『建築』のアートツアー!!
建築に興味がある方はもちろん、
建築は全然わかならないという方も、是非是非ご参加お待ちしています
4/26(金) 金曜日の美術オフ会 “レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像”
いつもは土日にアートツアーを開催しているのですが、
土日が忙しい方のために、たまには、平日にも開催してみようと思います。
美術展は、いろんな人と感想を言い合ったり、聞いたりすることで、より楽しいものとなります。
一人で美術展を訪れても、もちろん楽しめますが、皆で集まることで、美術展はもっと楽しくなるはず!
そこで、今回は美術オフ会を企画させて頂きました。
今回、皆で訪れるのは、この春大注目の美術展。
“レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像”
“レオナルド・ダ・ヴィンチ展” を堪能した後は、
近くのカフェに移動し、皆で、美術展の感想などをまったりとお話が出来たならと。
人数が多いようなら、確実に入れるカラオケボックスを予約します。
(その場合、カラオケボックスですが、もちろん歌はナシですw)
<当日スケジュール>
13:30 東京都美術館前に集合
13:30~15:00 “レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像”展 観賞
15:15~16:45 オフ会
17:00 解散
募集人数は、12人としたいと思います。
皆様のご参加を心より、お待ちしております。
4/28(日) プレミアムTOKYOアートツアー
~東京スカイツリーを観光で見るか?アートで見るか?完全版~
“東京ほど、面白いアートの街はない!”
をコンセプトに、毎回いろんな切り口で、
東京ならではの特別なアートツアーを提案する企画。
それが、 『プレミアムTOKYOアートツアー』 です。
東京という街を一つの美術館に見立て、
ギャラリーツアーのように、ガイドを交えながら、都内のアートスポットを数か所ご案内させて頂きます。
今回は、昨年開催した数々のプレミアムTOKYOアートツアーの中で、
もっとも増便リクエストが多かった 『東京スカイツリーを観光で見るか?アートで見るか?』 の2013年完全版でお届けします。
まもなく開業1周年を迎える東京スカイツリー。
そんな東京スカイツリーの周辺には、さまざまなアートスポットが存在しています。
実は、あまりメディアでは取り上げられていないですが、
東京スカイツリーの周辺は、今もっとも都内でホットなアートエリアでもあるのです。
東京スカイツリー周辺の最新アート事情をご紹介するのは、もちろん。
名だたる建築家や彫刻家が手がけた 「東京スカイツリーを観るためだけのパブリックアート」 の数々もご紹介します。
さらに、よりアートな場所から眺めるべく、
この期間だけ限定で公開されている浅草寺の庭園からも東京スカイツリーを望みましょう!
残念ながら、東京スカイツリーには登りませんが (笑)。
東京スカイツリー周辺を、のんびりぶらぶらと、
みんなで楽しく巡る行楽気分満載のアートツアーです♪
(ランチの場所にも、ご期待くださいませ)
開始は11時、終了は17時を予定しています。 (荒天の場合中止します)
募集定員は、15名です。
今回の参加費は、庭園の観賞料 (&お土産) を含めて1500円とさせてくださいませ。
交通費・ランチ代は、各自ご負担くださいませm(__)m
というわけで、きっと東京が、より好きになるアートツアー。
これまでに、「プレミアムTOKYOアートツアー」にご参加された方も、
今回が初めての参加となる方も、皆様のご参加を心よりお待ちしております
新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。
参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
皇居をぐるりと歩いたならば ~皇居一周建築ツアー④~
大東京お笑い建築ツアーの行程を、
誰にでも楽しんで頂けるように、 『もしもの日曜日の建築ツアー』 として提案する企画。
「もしも建築ツアーズ
~the architecture tour makes your Sunday Happy~」
今回は、不定期シリーズでお届けしてきた皇居一周建築ツアーの完結編!
13時から17時までと、時間を区切って、ぶらぶら建築探訪しながら、
1周約5キロの皇居周りを行けるところまで行ってみるという建築ツアーです。
実は、前回 (2012/12/8)、完結編の予定だったのにも関わらず、
日生劇場に到着した時に、無情にも17時のチャイムが鳴ってしまい、ツアーは強制終了。
そして、残りの行程が、今年に持ち越されることになったのです。
日生劇場から東京駅まで、直線距離なら1.5㎞もありません。
・・・・・えっ、消化試合?
いえいえ、この1.5㎞は短いながらも、実は非常に濃ゆ~い建築ストリートなのです。
13:00 日生劇場よりスタート
時間を調節するため、いきなり銀座方面へ寄り道 (笑)
01 GINZA KABUKIZA/隈研吾
東京都中央区銀座4-12-15
ここに注目!
○新歌舞伎座と背面の29階建ての歌舞伎座タワーとから成る複合施設
○新歌舞伎座は、馴染みのある第4期 (設計:吉田五十八) のデザインを踏襲
○東京メトロ東銀座駅と直結するようになり、地下には祝祭をイメージした広場が誕生
[とに~の呟き]
「建て替えたと思ったら、建て替える前の姿のまま・・・と思いきや、後ろにでっかいのが!
『歌舞伎座、うしろー!!』 と叫びたくなる。」
02 読売会館(現 ビックカメラ有楽町店本館)/村野藤吾
東京都千代田区有楽町1-11-1
ここに注目!
○曲面を多用した独自の構造
○ガラスブロックとモザイクタイルの複合施設
[とに~の呟き]
「かつては、有楽町そごうだったそうですが、今は、ビックカメラ。
そのため、当初の面影はほぼ無いそうな。。。
昔の姿に、もう一度有楽町で逢いたいものです。」
03 東京国際フォーラム/ラファエル・ヴィニオリ
東京都千代田区丸の内3-5-1
ここに注目!
○日本初の国際建築家連合(UIA)の基準に基づく国際公開コンペによって設計者が決定
○日本では、ほぼ無名だったラファエル・ヴィニオリは、このコンペで一躍スターダムに
○“船”をイメージしたという巨大なガラス棟と4つのホールからなる
[とに~の呟き]
「建築家ならプロアマ (?) 問わず、誰でも応募できたという、
建築界では伝説のコンペなのだとか。つまり、コンペ界のM-1です。」
04 DNタワー21/ケビン・ローチ
東京都千代田区有楽町1-13
ここに注目!
○第一生命館と農林中央金庫有楽町ビルの2棟が再開発により共同の建築に
○高層部分は第一生命館の外観のイメージを引用
○低層部の外観は、第一生命館と農林中央金庫有楽町ビルのイメージを再現している
[とに~の呟き]
「第一生命館(D)と農林中央金庫有楽町ビル(N)で、DNタワー。
孫悟飯とトランクスで、ゴテンクスのようなものである。(出典:ドラゴンボールZ)
まさに、建築界のフュージョン。」
05 明治生命館/岡田信一郎・捷五郎
東京都千代田区丸の内2-1-1
ここに注目!
○昭和期の建造物として初めて国の重要文化財に指定
○5階分のコリント式列柱が並ぶ古典主義様式に則ったデザイン
○土日は内部を無料で一般公開している
[とに~の呟き]
「一般公開されている当時の応接室は、もちろん現役ではないですが。
1階の通常営業フロア部分に、現在使用されているであろう応接室がありました。
見比べてみると、いかに現在の応接室が味気ないことか・・・(笑)」
06 丸の内パークビルディング/三菱地所設計
東京都千代田区丸の内2-6-1
ここに注目!
○敷地内にジョサイア・コンドルが設計した三菱一号館をレプリカ再建している
○再建した三菱一号館を美術館 (文化施設) として活用していることで、容積率が+100%
○容積率移転制度を使い、東京駅分の容積率を130%譲渡されている
[とに~の呟き]
「容積率をするため、いろいろなテクを使っているのですね。
でっかいことは、いいことなのでしょう。
そんな三菱地所を、見に行こう~♪」
※容積率とは? 敷地面積に対する建築延べ面積(延べ床)の割合のこと
07 JPタワー/ヘルムート・ヤーン
東京都千代田区丸の内2-7-2
ここに注目!
○低層部分は、吉田鉄郎設計の東京中央郵便局の外観を保存
○高層部分のガラス張りの外観デザインは、米国人建築家ヘルムート・ヤーンが担当
[とに~の呟き]
「新歌舞伎座もそうでしたが、最近は、この手の建築が主流なのでしょうか?」
08 東京駅/辰野金吾
東京都千代田区丸の内1-9-1
ここに注目!
○「辰野式」と呼ばれる赤と白のコントラストが見られる煉瓦のデザイン
○復元した部分がわかるように、あえてレンガを古く見せることなく対比させている
[とに~の呟き]
「さすが日本を代表する主要駅と、思わず仰ぎ見てしまう立派な駅舎。
king of 駅舎という感じです。」
17:00 タイムアップ
ということで、予定通り、17時に東京駅にゴール。
全4回に渡ってお送りしてしてきた皇居一周建築ツアーも、東京駅が終着駅となりました。
自分たちに拍手
皇居一周を達成した今、次の目標は何にすべきか。
山手線一周か、はたまた東海道制覇か。
それは、また今後のお楽しみ。
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列島の民俗文化
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館の第4展示室が、
大々的にリニューアルオープンしたとのことなので、早速足を運んできました。
一体、どのようなリニューアルオープンなのか。
期待が高まります。
それに合わせて・・・なのでしょうか。
博物館の入り口脇の看板も、前回訪れた時のものと変わっていました。
「カムロちゃん??」
どうやら、このカムロちゃんは、佐倉・城下町400年記念事業のイメージキャラクターで、
“ゆるキャラ以上、萌えキャラ未満” というコンセプトで製作されたのだとか。
twitterもやっているそうです(笑)
http://twitter.com/kamurochan
・・・閑話休題。
それでは、いざリニューアルオープンしたばかりの第4展示室へ。
「え~~~~っ、何で、こんなモノが、展示室に?!!」
これまでに数々の展覧会を目にしてきた僕をしてでも、
このような光景が博物館に広がっているだなんて全く予想が付かず、ただただ驚くのみでした。
基本的に、国立歴史民俗博物館は館内撮影OKなのですが、
このリニューアルした第4室の最初のゾーンだけは、写真撮影が不可。
おそらくネタバレ防止のためではないかと思われますので、
僕も、この記事で、リニューアルした第4室で何を観たのかは言いますまい。
ともあれ、かなり意外な光景が広がっていたということだけは、お伝えいたしましょう。
気になる方は、是非、会場で。
ただ、意外な光景への驚きが落ち着いてくるに当たって、一つの疑問が。
“・・・・・・で、これって、民俗なの (笑)??”
この展示を展示室の冒頭に持ってきたことに対しての説明はありませんでしたが、
このような展示があることで、民俗という分野の幅広さに、目を開かされたことは事実。
そういう意味でも、今回のリニューアルは成功だったような気がします。
さてさて、今回のリニューアルに当たって、
新第4展示室は、全部で3つのゾーンから構成されることになりました。
写真撮影不可の 「民俗へのまなざし」 ゾーンの他に、
人々の社会生活をテーマにした 「くらしと技」 ゾーン、
そして、人智を超えた見えないものに対するいとなみを展示する 「おそれと祈り」 ゾーンがあります。
僕個人的には、このゾーンが、一番 “民俗っぽくて” (←?) オススメ。
達磨や招き猫がズラッと並んでいたり、
謎の “お人形様” がいたり、
そして、妖怪のコーナーがあったり。
ちなみに、河童は、妖怪コーナーを飛び出して、別枠扱い。
これでもかと、河童関連のものが集められていました。
その中には、もちろん水木しげる先生の姿も。
そして、こんなモノも・・・。
ミュウジカルコメディ、めちゃめちゃ気になります (笑)
さらに、河童の苦手なものも紹介されていましたが。
意外や意外に、人の唾であるとのこと。
・・・って、まぁ、それは、河童でなくても、僕も苦手です (笑)
他にも、この 「おそれと祈り」 ゾーンでは、おまじないを紹介するコーナーや、
人の一生における節目節目の風習を紹介するコーナーがあったり、
さらには、死にまつわる展示があったり、
と、いろいろと目を惹く展示があって、
人の人生、最終的には、自分の人生までをも考えさせられました。
深イイ展示ゾーンです。
ただ、全体的に、リニューアルして綺麗な展示室にはなっていましたが、
その内容が内容なだけに、ワクワクするというよりも、いろんな意味で心臓がドキドキしました。
一人で行くと、結構不安になってしまうかもしれません。
家族や近しい人と行かれることを、個人的にはオススメします。
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江戸の女子力―ファッション・メイク・習い事
「女子力が高い」 だとか、 「女子力をアップさせる」 だとか。
雑誌やテレビなどで、昨今、当たり前に使われるようになった謎の言葉 『女子力』 。
その影響は、ついに美術館界にも到達したようで、
太田記念美術館にて、 “江戸の女子力―ファッション・メイク・習い事” が開催されるまでになりました。
恐るべし、女子力 (笑)
女子ではありませんが、一体どんな浮世絵展なのか気になったので、早速行ってまいりました。
まず展示されていたのは、江戸の女子たちのファッション事情がわかる浮世絵群。
王道の美しい着物に身を包んだ女子を描いた作品も多数ありましたが。
個人的に目を惹かれたのは、奇抜なファッションに身を包んだ江戸の女子たち。
なんとなく黒木メイサが着てそうな蜘蛛の巣柄の着物もあれば、
(渓斎英泉 《ゑと名物鹿子美人あわ勢》)
大胆にも蛸がバックプリントされた浴衣もあり、
(歌川国貞(三代豊国) 《江戸名所百人美女 薬けんぼり》)
いつの時代にも、個性的なファッションを楽しむ女性がいたのだなぁと、思わず感心してしまいました。
また、今回の浮世絵展では、着物以外の様々な江戸のファッションアイテムも紹介されています。
特に、興味深かったのは、簪に関して。
レベルの高い、つまり女子力と財力の高い遊女ほど、たくさんの簪を差していたそうです。
なので、こちらの遊女なんて、よっぽどの女子力の持ち主↓
(渓斎英泉 《当世好物八契 手紙》)
・・・・・ただ、ここまで来ると、
オシャレというよりも、もはや 「勇者シリーズ」 に登場するロボットのよう。
何事も、やり過ぎは、いけませんね (苦笑)
それから、こんな珍しい簪も↓
(歌川国貞(三代豊国) 《江戸名所百人美女 大音寺まへ》)
こちらは、なんと付け毛がセットになった簪。
いわば、エクステ付の簪です。
江戸時代にもエクステという文化があったことに、純粋に驚きました。
他にも、いろいろな江戸女子のファッションが紹介されていましたが。
それだけでは、普通によく開催される江戸美人展と、何ら変わりがないような気がします。
そう。 今回の “江戸の女子力” の神髄は、ここから。
この浮世絵展は、江戸のファッション事情だけでなく、
モテ江戸女子たちの習い事あれこれや、
(鳥文斎栄之 《風流略六芸 生花》)
江戸女子たちのモテメイク術まで網羅して紹介しています。
(歌川国貞(三代豊国) 《当世美人合 かこゐ》)
まさに、江戸時代の 『CanCam』 とでも言うべき充実っぷり。
女子ならずとも男子としても、楽しむことのできる浮世絵展でした。
(ただし、現代に通用する女子力はアップしないでしょうw)
今回の浮世絵展のタイトルにしても、
「太田記念美術館、頑張ってるなぁ (別の方向に向かってw)」 と思いましたが。
次回開催予定の浮世絵展のポスターは、さらに頑張っています。
さすがに、ここまではっちゃけてると、
いろいろ大丈夫なのか、と、心配になってしまいます (笑)
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大倉コレクションの精華Ⅰ―中世近世の絵画―
こちらは、大倉集古館のコレクションの中から、
中世から近世の絵画を中心に、仏画、狩野派、屏風絵の名品を紹介する美術展です。
ちなみに、 『Ⅰ』 とあるからには、 『Ⅱ』 もあるわけで。
“大倉コレクションの精華Ⅱ―近代日本画名品選―” は、8月3日より開催されるようです。
さてさて、話を 『Ⅰ』 に戻しまして。
展示の目玉は、何と言っても国宝の 《随身庭騎絵巻(一部)》 です。
(注:展示は、5/6まで)
描かれている “随身” とは、貴族が外出する際に警護にあたった近衛府の官人。
今でいうところのボディガード、SPです。
貴族の身の安全を守るのは、当然のこととして、
騎馬の腕前もあり、教養もあり、和歌の一つも詠めなければ、一流の随身ではなかったのだとか。
さらには、イケメンであることも、重要なポイント。
「これが、俺の随身ね (* ̄ー ̄*)」
と自慢したくなる随身に警護されることが、貴族にとってのステータスだったのです。
こちらの 《随身庭騎絵巻》 に描かれているのは、実在した一流の随身9人。
似絵 (※1) の手法で描かれているため、
あまりイケメンに感じられないのが、なんともビミョ~なところです (笑)
[※1・・・鎌倉時代に宮廷社会を中心に流行した大和絵の肖像画。人物の容貌をそっくりに描く]
実を言うと、 《随身庭騎絵巻》 を観たいがためだけに訪れた美術展だったのですが。
ハッとするくらいに流麗な作品や、
(例えば、宗達派の 《扇面流図》)
思わず手を合わせたくなってしまう仏画に、
(例えば、冷泉為恭の 《山越阿弥陀図》)
思わず、ププッとなってしまう作品など、
(例えば、 《百鬼夜行絵巻》)
目を惹く作品が多数展示されており、
予想していた以上に満喫してしまいました。
なんとも嬉しい誤算です。
ちなみに、個人的に一番印象に残っているのは、
《虫太平記絵巻》 という江戸時代の絵巻作品です。
(画像はありません。あしからず)
『太平記絵巻』 のパロディ作品なのですが、
登場人物全員が、頭に何かしらの虫を乗せているというトンデモない代物 (笑)
主人公の楠正成の頭に乗っていたのは、カマキリ。
他にも、ゲジゲジやなめくじ、蜘蛛などが、武士たちの頭の上に乗っていました。
虫が気になり過ぎて、ビックリするくらいに物語の内容が頭に入ってきません (笑)
後期 (5/8~5/26) には、場面替えするとのこと。
後期は、 《虫太平記絵巻》 を観たいがためだけに、美術展を訪れる気がします。
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エントリーNo.0002 マネモネ(マネ モネ)
もし、芸術家たちが漫才をしたら・・・。
彼らのことが、なんとな~くわかるネタを披露して頂きます。
それでは、皆様、どうぞ芸術漫才をお楽しみください
マネモネ (左・モネ 右・マネ)
マネ「マネ [1] です」
モネ「モネ [2] です」
2人「二人合わせて、モネマネです。よろしくお願いします」
マネ「いきなりですけどね。僕ら、よく間違えられるんですよ」
モネ「名前が似ているからね」
マネ「ひどい時には、双子に間違えられますからね」
モネ「そうそう」
マネ「ただ、ハッキリ言っておきますけど、僕らは・・・」
2人「全然、双子じゃないですからね」
マネ「ハモってくるなよ!ハモるから、マナカナみたく思われるんだろ」
モネ「まぁまぁまぁ。大体、歳が違いますからね」
マネ「僕のが8コ上なんですよ」
モネ「てことは、僕が小6の時に・・・・・・中8?」
マネ「何年、ダブってんだよ!」
モネ「歳も違いますけど、フルネームも全然違いますしね。
僕がクロード・モネ。で、 (隣を指さし) こちらが西沢マネさん」
マネ「誰なんだよ!西沢って!てか、マネは苗字だからね」
モネ「あ、マネ竜太さんでしたっけ?」
マネ「峰竜太みたいに言うなよ!エドゥアール・マネだよ」
モネ「そうでしたそうでした」
マネ「マネとモネって一文字違いなんで、日本人のお客さんに、よく間違えられますけど。
自分らの国フランスでも、よく間違えられるんですよ」
モネ「そうそう。僕のスペルが、 『Monet』 で、マネさんのスペルは、 『Manet』 。
やっぱり一文字違いなんですよね」
マネ「それが原因で、大変なことがあったよね」
モネ「あ~、ありましたね。あれは大変でしたね。
ところで、大変と言えば、うちのトイレがつまりまして・・・」
マネ「お前ん家のトイレの話はいいよ!大変だったエピソード、しゃべらせろよ!」
モネ「気を使って言えなかったんですけど、そのエピソード、前に聞いたことあるんで・・・」
マネ「知ってるよ!お前が、このエピソードを聞いたことがあることは知ってるよ!
今は、お客さんに聞いてもらおうと思ってるの」
モネ「あぁ、そういうことですか」
マネ「(お客さんに向かって)1866年のサロン [3] に作品を出展した時の話なんですけど」
モネ「はいはい」
マネ「自分の絵の評価が気になって、ドキドキしながら会場に向かうと、
先に絵を観ていた友人たちに、「お前の絵良かったよ!」 なんて絶賛されまして」
モネ「へ~、それは良かったですね」
マネ「めちゃめちゃテンション上がって、自分の絵のところに行ったら、
何とそこに、こいつの絵が飾られてたんですよ」
モネ「主催の人が名前を間違えちゃったんですよね」
マネ「しかも、俺の名前で飾られてるモネの絵 [4] が入選してましたからね」
モネ「あれは、自信作でしたから。ちなみに、その時、マネさんの絵 [5] は?」
マネ「・・・・・落選してたよ」
モネ「ん?らくせ・・・何ですって?」
マネ「そこまで聞こえてたら、わかんだろ!落選だよ、落選!」
モネ「まぁ、マネさんは落選することが多かったですからね。
なんたって代表作の 《草上の昼食》 も不道徳って理由 [6] で落選でしたし」
マネ「嬉しそうに言うなよ!お前だって、何度も落選してんじゃん」
モネ「そうなんですけど、落選しても何度もサロンに挑戦し続けたマネさんと違いますからね」
マネ「ん?」
モネ「僕の場合、ルノワールとか落選仲間誘って、自分たちだけで展覧会 [7] を開きましたから。
落選は落選でも、向上心のある落選なんですよ。
生き様まで落選しているマネさんとは違うんですよ」
マネ「そこまで言うことないだろ!」
モネ「いや、ついでに言わせてもらいますけどね。
僕、一つだけマネさんに対して許せないことがあるんですよね」
マネ「何だよ?」
モネ「僕の 《印象・日の出》 って絵がきっかけで、 “印象派”[8] って言葉が生まれたわけじゃないですか」
マネ「うんうん」
モネ「それなのに、美術の本を見ると、マネさんが 『印象派の父』 って紹介されているんですよ!」
マネ「まぁ、そうだね」
モネ「『印象派の父』 は、確実に僕でしょ。
てか、マネさん、一回も印象派展に作品を出展してないじゃないですか!」
マネ「しょうがないだろ。
俺が自分で 『印象派の父』 って言ったわけじゃなくて、周りが勝手に言ってるんだから」
モネ「僕から言わせてもらえば、 『印象派の父』っていうか、
マネさんは、 『印象派の義父』 ですよ」
マネ「血が繋がってないのかよ!」
モネ「もしくは、 『印象派の・・・母には、「あんたのお父さんは、あんたが物心つく前に病気で死んじゃったんだよ」って言われてたのに、実は愛人を作って家出していただけの父』 ですよ」
マネ「長ぇよ!しかも、最悪な父じゃねーかよ!」
モネ「それか、 『印象の薄い父』 ですよ」
マネ「最後、印象派関係ねぇじゃん!
大体、俺が 『印象派の父』 って呼ばれるのは、
君たち印象派のメンバーが、俺の作品を真似してたからなわけでしょ?」
モネ「・・・・・・・マネだけに?」
マネ「ダジャレじゃねーよ!」
モネ「そんなこと言ったら、マネさんだって、僕の光の表現をモネしてたわけじゃないですか?」
マネ「モネしてた、って何だよ!」
モネ「まぁまぁまぁ、お互い影響し合ってたってことで、仲良くしましょうよ」
マネ「それもそうだな」
モネ「じゃあ、仲直りしたってことで、先日トイレがつまった話をしてもいいですか?」
マネ「だから、お前ん家のトイレの話はいいって!!」
2人「どうもありがとうございました」
[1] エドゥアール・マネ (1832~1883) 19世紀のフランスの画家。西洋近代絵画史の冒頭を飾る画家の一人。
“マネと言えば、黒” というくらいに、黒の使い方に定評がある。
[2] クロード・モネ (1840~1926) 「光の画家」 との異名を持つ印象派を代表する画家。
有名な 《睡蓮》 の絵は、生涯で200点以上描いている。
[3] サロン。正しくは、サロン・ド・パリ。1725年に開始されたパリの芸術アカデミーの公式展覧会の総称。
年1回 (のちに奇数年は年2回に) 開催される世界的な芸術イベント。
日本お笑い界で言うところの上方お笑い大賞のようなものである。たぶん。
[4] この時、マネの絵として飾られていたモネの絵は、 《緑衣の女》
[5] この時、モネの絵として飾られていたマネの絵が、 《笛を吹く少年》
[6] 「おいおい、現実の女性の裸描いちゃってるYO!」 と、批判が殺到。当時、一大スキャンダルとなる。
“女性の裸を描きいなら、神話画や歴史画。” というお約束を破ってしまった一枚。
[7] サロンで落選常連組だったモネやルノワール、ドガたちが、1874年4月に、自分たちだけでグループ展を開催。
その際のタイトルは、「画家、彫刻家、版画家による共同出資会社 『第一回展』」 で、まだ “印象派展” という言葉は使われていない。
モネは、そこに、 《印象・日の出》 を出展。
[8] 1860年代半ばにフランスで起きた芸術運動。超ざっくり言うと、光や空気の変化を表現しようとした芸術運動。
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佐脇健一展 未来の記憶
「佐脇健一さん?どなた??
未来の記憶?どういうこと??」
大変失礼ながらも、佐脇健一さんを存じ上げませんでしたし、
『未来の記憶』 というフレーズがわかるようでわからないですし。
全くもって想像がつかない美術展です。
ちなみに、ポスターは、こんな感じ↓
「写真展?もしくは、写実絵画展??」
ますます想像がつかない美術展です。
う~ん。
悩んでいても埒があかないので、実際に目黒区美術館へ行ってまいりました。
すると、入り口の脇に、何やら見慣れないモノを発見。
どうやら犬のようですね。
もちろん、こちらも佐脇健一展の出展作品なのですが。
ポスターでメインビジュアルとなっている画像の作品と、
この可愛らしい犬とでは、大きくイメージが掛け離れています。
“本当に、一体、どんな美術展なのだろう??”
これでもかというくらいに脳内をクエスチョンマークで埋め尽くしつつも、いよいよ会場へ。
そんな会場の冒頭で出会ったのは、目黒区美術館らしき建物の彫刻作品。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
その真向いには、たくさんの木箱の作品。
さらに、その隣の展示室には、たくさんのフォトドローイングの作品群。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
特に、作品に対する説明がないこともあって、
佐脇健一展を鑑賞すればするほど、佐脇健一展がよくわからなくなるという緊急事態 (笑)
正直なところ、この時点では、
「この美術展は、僕には難しかったです。」 として、1つ星をつけて終わりにしようと思っていました。
が!
2階の展示室の鑑賞を進めていくと、風向きが変わってきました。
相変わらず、作品に対する説明は無かったものの、
説明が無くても、心の琴線に触れる作品世界が広がっていたのです。
こちらの部屋に展示されていたのは、 《Landscape》 というシリーズで、
胡桃の木の箱の中に、青空を撮影した写真と風景の彫刻と、それらを照らす電球が設置されています。
(箱を閉じると、自然と電球は消えるそうです。ただし、作品には手を触れてはいけません!)
それぞれの箱の中には、それぞれに違う風景が広がっているので、
飽きることなく、すべての箱を覗き込んで楽しんでしまいました。
また、箱によっては、こんな光景も・・・。
錆びてボロボロになってしまった飛行機や潜水艦のある風景です。
冷静に考えたら、こんな光景を目の当たりにした経験はないはずなのですが、
この作品を目にした時に、 「どこか懐かしい光景だなぁ。。。」 と感じてしまいました。
自分の記憶の片隅にある光景のような。
もしかしたら、これから先の人生で、この光景を目にするかもしれない、そんな予感のような。
“この不思議な感覚を、あえて言葉にするなら・・・・・”
と、考えたところで、美術展名の 『未来の記憶』 というフレーズが、胸にすとんと落ちました。
佐脇健一さんの作品から想起するのは、まさに、 『未来の記憶』 。
言いえて妙なフレーズです。
最初は、よくわからなかった佐脇健一さんの作品世界ですが、
一度心を開いてしまうと、どの作品を見ても心地よく感じるようになってきました。
クラスメイトに例えるならば (←?) 、
1学期はあまり交流は無かったけど、2学期辺りから急に交流が深まった親友のような感じです。
それぞれの棚に、青空の写真と小石を模した彫刻が置かれている 《106 Days》 という作品や、
3匹の犬の姿が愛らしいブロンズ彫刻作品、
そして、《Wing Gate》 という圧巻のインスタレーション作品は、
実際に鑑賞してから数日経った今でもなお、
その印象が瑞々しく残っており、特に僕の心を捉えて離さなかった作品たちです。
もっと正確に言うならば、
「ぼくの心のやらかい場所を 今でもまだしめつける」 作品たちです。 (出典:夜空ノムコウ)
余談。
(そう言えば、 『夜空ノムコウ』 の歌詞の中には、
「あの頃の未来に ぼくらは立っているのかなぁ」 という 『未来の記憶』 を彷彿とさせる歌詞もありますね。
表現方法は違えど、佐脇健一さんとスガシカオさんには、どこか通じるものがあるのかもしれません!)
上で紹介した作品は、もちろんオススメですが。
他にも、美術展の会場にプライベートルームのような空間が現れたり、
プレデター (無人航空機) をモデルにしたインスタレーション作品があったり、
たまたま名前がカブっちゃったそうですが (笑)、全然別物の 《Iron Man》 がいたり、
と、見どころがたっぷりの美術展。
内容が濃いので、普段の目黒区美術館よりも、密に感じました。
「スゴい面白い!」 というよりも、
「なんかイイ!」 という感じの佐脇健一ワールドを、是非皆様にも味わって頂きたいものです。
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PAVILION
一見すると、何の変哲もない岡本太郎記念館ですが・・・、
(いや、岡本太郎のオブジェが庭に密集してるので、変哲もないわけはないのですがw)
よく見ると、塀に 『殺すな』 の文字が落書きされていました。
それも、岡本太郎が1967年に発表した 『殺すな』 の文字とクリソツに書かれています。
実は、この犯人 (?) は、6人組のアーティスト集団Chim↑Pom
岡本太郎関係で落書き事件を起こすのは、
渋谷駅に設置された巨大壁画に落書きした 《LEVEL7 feat.「明日の神話」》 以来、2度目です。
・・・・・・と言っても、今回はゲリラではなく。
岡本太郎記念館とChim↑Pomの正式なコラボ展 “PAVILION” の一作品として制作されたもの。
《LEVEL7 feat.「明日の神話」》 を、
「悪質なイタズラだ!」 と目くじらを立てて報道した各メディアの皆様、
今回の 《殺すな》 という新作に関しては、ゆめゆめ目くじらを立てませぬよう。
さてさて、岡本太郎記念館から、
「今回はゲリラでなく、正式に岡本太郎とコラボしてみなさい」
と、いわば挑戦状を叩き付けられたような形になるChim↑Pom。
それに対しての彼らの答えが、壁の落書きだけに留まるわけがなく、
岡本太郎記念館内すべてが、コラボレーション作品で埋め尽くされていました。
率直な感想を言えば、1階の展示室と、
アトリエ部分に関しては、
常設された岡本太郎の作品のパワーが圧倒的過ぎて、
とりたててChim↑Pomの作品に面白味は感じなかったのですが。
黒で統一された2階の展示室は、素直に面白かったです。
カラスが飛び交う映像、ごみ袋をモチーフにした立体作品、
そして、背面の 「黒い太陽」 を見せる形で設置された 《太陽の塔》
もちろん、設置されている 《坐ることを拒否する椅子》 も、黒。
「これでもか!」 と容赦のないくらいに、黒で埋め尽くされた空間です。
黒で埋め尽くされた空間と言えば、
先日、DIC川村記念美術館での “BLACKS展” を紹介させて頂きましたが。
あちらが、洗練された黒ならば、こちらは、禍々しき黒。
なんとも呪術的で、 「業(ごう)」 というものを潜在的に意識させる黒い空間になっていました。
この黒い展示室からは、こちらの特設の通路を通って次なる展示室へ。
その展示室の入り口脇には、
壁の落書きの元ネタ、岡本太郎による 《殺すな》 が展示されています。
「大丈夫ですよ。誰も殺しませんよ。」 と、
心の中で太郎さんに答えてから、いざ最後の展示室へ。
すると、そこには、思いもかけない光景が広がっていたのです。
岡本太郎記念館なのに、なんとホワイトキューブの展示空間が!
先ほどの黒い展示室に対して、今度は白い展示室。
『対極主義』 を提唱した岡本太郎へのオマージュということなのでしょうか。
そのホワイトキューブの奥のショーケースに、何かが展示されています。
近づいて観てみましょう。
う~ん。
何やら大阪万博のアメリカ館に展示されていた月の石を彷彿とさせますが・・・・・。
実は、その正体は、岡本太郎の遺骨。
岡本敏子が巾着袋に隠し持っていたという太郎の遺骨なのだそうです。
この太郎の遺骨を含むホワイトキューブの空間そのものが、
Chim↑Pomによる 《PAVILION》 という新作インスタレーション作品。
太郎の遺骨を作品の一部にしてしまうという発想力は、さすがChim↑Pom。
この作品も賛否両論が起こるでしょうが。
いろいろと思うことはありますが、僕は、最終的にはアリだと思いました。
他のアーティストの遺骨なら、あり得ないでしょうが、
他ならぬ岡本太郎の遺骨なので、太郎さん本人が一番ノリノリなような気がします (笑)
また、個人的には、岡本太郎には、なんとなく必要以上に不滅神話が付いて回っている気がしますので。
(岡本太郎の芸術は、死んでいない!的な)
太郎さんの死を、否が応でも実感させられる 《PAVILION》 によって、
そうした過剰な岡本太郎神話が一度リセットされるのでは?と期待しています。
太郎の遺骨までも作品にしてしまうChim↑Pomも、もちろんスゴいですが。
それを受け入れた岡本太郎記念館の本気ぶりも、スゴいです。
余談ですが。
岡本太郎記念館のミュージアムショップにて、こんなモノを見つけてしまったので・・・
つい1個買ってしまいました♪
ちなみに、中から出てきたのは、
2タイプが存在するという岡本太郎作の時計のフィギュア。
マグネット付なので、冷蔵庫にも装着可能 (?)
しかも、スイッチを入れれば、光ります。
お~~~(ノ゚ο゚)ノ
ただし、時は刻んでくれません (笑)
あしからず。
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細川三斎の茶
本日紹介させて頂くのは、永青文庫で開催中の “細川三斎の茶” です。
細川三斎という名前にピンと来ない方でも、
細川忠興という名前の方ならば、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
もし、細川忠興という名前も知らずとも、細川ガラシャの夫と聞けばおわらり頂けるはず。
もし、 「細川ガラシャも知らないんですけど。。。」 ということならば、どうぞあとはwikipediaで(←投げた!)
ともあれ、その細川三斎の茶人としての面をフィーチャーしたのが、 “細川三斎の茶” なる美術展。
前期後期合わせて約70点もの三斎ゆかりの茶道具が紹介されています。
三斎の師匠に当たる千利休が削った 《茶杓 銘ゆがみ》 や、
(注:展示は、前期[~5/8]のみです)
利休が死ぬまで愛用していたという 《唐物茶入 利休尻ふくら》
・・・といった名品も紹介されているので、茶道具好きならば外せない美術展と言えましょう。
もし、あまり茶道具に関心が無くても、ご安心を。
前期 [3/30~5/8] には、伊達政宗から細川三斎に宛てた書状が。
後期 [5/8~6/23] には、高山右近がマニラに追放となった時に三斎に送ったお別れの手紙 (下記画像) が、
展示されるので、歴史好きならば外せない美術展と言えましょう。
もし、茶道具にも歴史にも関心が無いのなら、
なかなかテンションの上げどころがわからない美術展かもしれません (笑)
何を隠そう (←?) 、僕も茶道具に関心が無い方なのですが。
そんな僕ですら思わず足を止めてしまう作品が何点もあったので、
会場では、局地的にテンションが上がっていました。
例えば、 《七仏通戒偈》 という書の作品。
(注:展示は、前期[~5/8]のみです)
この迫力ある文字を書いたのは、何を隠そう、あの一休さん。
よく見ると、一文字だけおかしなことになっているのに気が付きます。
本来なら、 『諸悪莫作 衆善奉行』 という8文字を、バランス良く書くべきところを・・・。
スペースの配分を間違えてしまったのでしょう (笑)
『善』 の一文字だけ、小さく脇に添えられてしまっています。
なんとも一休さんらしい茶目っ気のある書です。
また例えば、 《古瀬戸茶碗 よびつぎ》
割れたり欠けたりした箇所を接いだ茶碗は、
これまでにも何度も目にしたことはありましたが。
陶器の欠けた箇所に磁器を接ぐ。
こんなハイブリットな茶碗は、目にしたことがありませんでした。
わびさびというよりも、もはや現代アートに通ずるシュールさ、ナンセンスさを感じます。
現代に通ずると言えば、古田織部作の 《茶杓 銘さかひ》 も印象的でした。
(注:展示は、前期[~5/8]のみです)
正直なところ、茶杓の良し悪しはわかない僕ですが。
センターラインで色分けされた (?) この茶杓は、純粋に欲しいなと思いました。
Afternoon TeaやFrancfrancあたりで売っていても違和感がなさそうです。
この他にも、向き合ってみると、味わい深い作品が多数。
一見すると地味な美術展な気がしますが、実は、滋味深い美術展です。
ちなみに。
前回も紹介した4階の新展示室では、春季コレクション展がはじまり、展示品も新しくなっていました。
個人的なオススメは、 《黒革包紅糸威胴丸具足》
字面だけ見ると、何ともいかめしい鎧兜のようですが、その実態は・・・。
「カワイイじゃねーかwww」
一体、どれだけファンシーな武将が、この具足を身に付けていたのか。
想像するだけで楽しくなってきます (笑)
カワイイと言えば、伝矢野吉重の 《琴棋書画図屏風》 も必見!
右隻に描かれた猿をはじめ、
画面のいたるところに動物が描かれています。
牛に、犬に、豚に、そして、くまのプーさんに登場するイーヨー (←?!) まで。
バラエティ豊かなラインナップお楽しみください。
ただ、伝矢野吉重の 《琴棋書画図屏風》 の展示も前期まで。
後期 [5/8~6/23] からは、その代わりに、矢野吉重が写した元の絵であるほうの 《琴棋書画図屏風》 が展示されるそうです。
そちらは、雪舟の筆と伝わる名品。
(・・・・・・・後期に行けば良かったw)
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近代日本の歴史画
久しぶりに、講談社のまのま・・・もとい講談社野間記念館へ行ってきました。
イェイ♪
こちらは、講談社創業90周年事業の一環として、2000年4月に設立された美術館。
講談社の創業者・野間清治によって、
大正期から昭和初期にかけて収集された野間コレクションが展示されています。
居心地の良い美術館は、都内にたくさんありますが、
清潔感があり、かつ、あまりお客さんがいないため (←!) 、居心地の良さは、都内トップクラス。
出来ることならば、人には、あまり教えたくないとっておきの美術館の一つです。
現在開催されているのは、 “近代日本の歴史画” という美術展。
いつものように、美術展のタイトルこそ面白味がないですが。
(↑個人的には、これが、集客の弱さにつながっていると思う)
松岡映丘 (《池田の宿》) や、
小林古径 (《平重盛》) 、
木村武山 (《光明皇后》) に、
横山大観、下村観山、安田靫彦・・・などなど、近代日本画を代表する作家たちの作品が、
たったワンコイン (=500円) で楽しめてしまうなんて、嬉しい限り♪
さらに、講談社野間記念館には、こんな嬉しいサービスも↓
こちらは、チケットを購入すると、強制的に入会させられる (?) メンバーズカード。
この中はスタンプカードになっており、持参すれば、入館ごとにスタンプを捺印してくれます。
そして、スタンプをすべて集めると、次回は、なんと入館料が無料に!
「スタンプを5個集めなくちゃいけないのかな?
はたまた、10個は集めなくちゃいけないのかな?」
いいえ。
集めなくてはいけないスタンプの数は、たった2個 (笑)
しかも、一回目に、すでにスタンプが1つ押された状態で、
カードが支給されますので、実質的にもう1回行けば、次は無料という超お得なサービスなのです。
山種美術館ほどの凄味はないですが、
出展されているのは、十分に近代日本画の世界を楽しめるラインナップ。
くわえて、この破格のコストパフォーマンス。
行って損はしない美術展です。
ちなみに、今回の美術展の目玉は、
“面白くてためになる” を合言葉に創刊された講談社の伝説の雑誌 『キング』 、
その昭和6年新年号の付録である 《明治大正昭和大絵巻》 です。
小村雪岱による 《京浜間鉄道開通(明治5年)》 をはじめ、
先日紹介した木村荘八による 《千島、樺太の交換(明治8年)》 、河野通勢 《帝国議会(明治23年)》 など、
明治元年から昭和5年までのトピックスを、当時の挿絵界のスターを総動員して作り上げた折帖の絵巻。
昭和時代に、こんなにも豪華な付録があったのかとビックリ。
『ゼクシィ』 の付録なんて、目じゃありません (←?)
今回の展示では、もちろんそのホンモノと、さらには原画も展示されています。
これらは、まさに講談社ならではの貴重なコレクション。
これからも、講談社野間記念館には頑張って頂きたいものです。
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第五十二話 国宝ハンター、モヤモヤする!
~前回までのあらすじ~
吾輩は国宝ハンターである。名前は、とに~。
いつからやっているか頓と見當がつかぬ。
何でも東京国立博物館という所で、
日本全国の国宝すべてを目につけようと無謀な決意をした事丈は記憶して居る。
吾輩はこゝで始めて国宝といふものを見た。
・・・・・それから何やかんやあって、333件の国宝を見ています。
1085件までの道のりは長く険しい
今年初の国宝ハンティングの旅に出るため、
往復のバスも、宿も、旅先でのレンタカーも予約し、準備万端で迎えた2013年4月6日。
まさか、こんな結末になろうとは。。。
日本列島を発達した低気圧が直撃。
当然、旅行どころではなく、予定はすべてキャンセル。
東京に留まることを余儀なくされたのです。
アートイベントを開催するときは、基本晴れ男なのですが。
プライベートなイベントを開催するときは、基本雨男。それも台風男。
せっかくの国宝ハンティングの旅が中止になって、僕の心は大荒れです。
バカヤロー。
・・・・・・・仕方がないので、
(というのも、だいぶ失礼な話なのですがw)
その日は大倉集古館へ。
開催中の “大倉コレクションの精華Ⅰ―中世近世の絵画―” にて、
《紙本淡彩随身庭騎絵巻》 (ジャンル:絵画) をゲットしてきました。
さらに、その足で、東京藝術大学大学美術館のコレクション展へ。
こちらでは、 《紙本著色絵因果経〈巻第四下/〉》 (ジャンル:絵画) をゲット。
しかし、2件の国宝を見たくらいでは、僕の心は晴れません。
重ね重ね、低気圧のバカヤロー。
さてさて、その3日後。
低気圧も去り、僕の心もどうにか落ち着いたので、
開催が待ち遠しくて仕方が無かった “国宝 大神社展” へ行ってきました。
美術展タイトルに、 『国宝』 の文字が冠されているので、
さぞかし国宝が多く展示されているのかと思いきや・・・
さぞかし国宝が多く展示されていました!!
期待以上に国宝が展示されていました。
むしろ期待以上に国宝が展示され過ぎていて。。。
もちろん美術展としては、国宝が多く展示されていて、申し分が無いのですが。
国宝ハンター的には、あれもこれも展示されていて、
今後の楽しみが奪われてしまったような、そんな複雑な心境です (笑)
あまりに多く展示されていたので、泣く泣く箇条書きでご紹介。
・《本宮御料古神宝類》 (ジャンル:工芸品)
・《沃懸地酢漿紋兵庫鎖太刀〈中身無銘/〉》 (ジャンル:工芸品)
・《若宮御料古神宝類》 (ジャンル:工芸品)
・《古神宝類 (袿5領)》 (ジャンル:工芸品)
・《福岡県宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品》 (ジャンル:工芸品)
・《延喜式神名帳》 (ジャンル:書跡・典籍)
・《海部氏系図》 (ジャンル:古文書)
・《沃懸地螺鈿金銅装神輿》 (ジャンル:工芸品)
・《海獣葡萄鏡》 (ジャンル:工芸品)
・《{直刀/黒漆平文大刀拵}》 (ジャンル:工芸品)
・《七支刀》 (ジャンル:考古資料)
・《菱作打刀〈中身無銘/〉》 (ジャンル:工芸品)
・《白絲威鎧〈兜、大袖付/〉》 (ジャンル:工芸品)
・《唐鞍》 (ジャンル:書跡・典籍)
・《木造熊野速玉大神坐像/木造夫須美大神坐像/木造家津御子大神坐像/木造国常立命坐像》 (ジャンル:彫刻)
僕が、これまでにハンティングしてないものだけでも、計15件。
こんなにもまとまった形で国宝を見てしまうと、
感動が薄味になってしまうものなのですね (笑)
しかも、思いがけず、鹿島神宮の 《{直刀/黒漆平文大刀拵}》 に出会ってしまったので、
いつの間にやら茨城県の国宝を、完全コンプリートしてしまっていました。
(この夏、鹿島神宮に行こうと計画してたのになァ・・・)
また、香取神宮の 《海獣葡萄鏡》 も、この夏にハンティングに行こうと計画していた国宝の一つ。
さすが、国宝ハンターを生んだ千葉県が誇る国宝。
県民であるという贔屓目は抜きにしても、素晴らしい国宝でした。
他にも、サラッと紹介してしまっていますが。
《沃懸地螺鈿金銅装神輿》 は、国宝のお神輿。
《海部氏系図》 は、国宝の家系図。
《七支刀》 は、工芸品ではなく、考古資料扱いの国宝刀。
・・・と、国宝界きっての珍品 (?) も、まとめてゲットしてしまいました。
出来れば、このような大漁網でゲットするような形でなく、
もっと、一つ一つ大事に一本釣りのような形でゲットしたかったものです。
なんだかなぁ。
今現在の国宝ハンティング数 350/1085
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中!
(皆様のおかげで現在7位まです!ありがとうございます!!)
中村彝展 -下落合の画室-
こちらは、明治末から大正期にかけて活躍し、
37歳という若さでこの世を去った洋画家・中村彝をフィーチャーした美術展です。
・・・って、名前を太字指定にしたら、字が潰れてしまいました (笑)
文字が読みやすいように拡大しておきますね。
中村彝。
↑これで、 『なかむらつね』 と読みます。
(おそらく、日本の洋画界きっての難読漢字ではないでしょうか)
彼の代表作と言えば、東京国立近代美術館が所蔵する 《エロシェンコ氏の像》
重要文化財にも指定されている近代日本の肖像画の傑作です。
さすがに、今回の美術展には、この絵は出展されていませんでしたが。
死の前年に描いたとされる 《カルピスの包み紙のある静物》 や、
パトロンである新宿中村屋の創業者夫妻の娘を描いた 《少女》
・・・などなど、彼の代表作の数々が出展されており、
全30点という小規模な美術展ながらも、内容はギュッと詰まっていたように感じました。
300円という良心的な値段も嬉しいところ。
今回の中村彝展に関して、一つ気になったのは、
出展作品のうちの実に約3分の1が、彼がアトリエを構えた下落合の風景であったこと。
《落合のアトリエ》
決して悪い絵ではないのですが、とりたてて感動するわけでもなく・・・。
“どうして、こんなにも下落合の風景推しなんだろう?”
と、疑問に思っていると、会場でその答えを見つけてしまいました。
彼のアトリエを復元・整備した新宿区立中村彝アトリエ記念館が、
何でも先日3月17日に下落合にオープンしたばかりとのこと。
それを記念した美術展だったのですね。
・・・・・・・ということは。
アートテラー的には、新宿区立中村彝アトリエ記念館にも足を運ぶしかありません。
新宿歴史博物館を出てJR四ツ谷駅に向かって、
中央線と山手線を乗り継いでJR目黒駅に降り立って、
そこから10分ほど歩いて、住宅地の中を彷徨って・・・
新宿区立中村彝アトリエ記念館に到着 (笑)
アトリエは、ばっちり復元されていました。
もちろん内部も見学可能。
ただ、さすがにオープンして間もないからでしょうか・・・。
土足厳禁でした。
元ヤンの新車のような感じです (笑)
ちなみに、こちらの新宿区立中村彝アトリエ記念館は見学無料。
天井から差し込む光が気持ちの良い空間です。
お近くに住まわれている方は、是非♪
(↑わざわざ電車に乗って訪れるほどではなかったかなぁw)
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牧野邦夫―写実の精髄
練馬区立美術館で開催中の “牧野邦夫―写実の精髄” に行ってきました。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
言葉を失ってしまうほどの美術展でした。
これまでに、数々のスマッシュヒットを飛ばしてきた “美術館界のイチロー” こと練馬区立美術館ですが。
(その一例が、こちら)
今回の美術展は、ヒットどころかバックスクリーン越えのホームランという感じ。
「この美術展を見ずにして、2013年のアートは語れない。」
個人的には、それくらいの美術展だと思っています。はい。
さてさて、おそらく多くの方が、
「牧野邦夫?誰??」
と、不安に思っていることでしょう。
しかし、どうぞご安心を。
僕も、この美術展を通じて、初めてその名を耳にしました。
一般的な知名度はないものの、実は、牧野邦夫 (1925~1986) は、知る人ぞ知る天才画家。
美術団体にも属さず、名声を求めることよりも、
自分が納得できる作品を遺すことに、その生涯を捧げた人物だったようです。
牧野邦夫が、どれほどにスゴい画家なのか。
それは、彼の作品を見れば、一発で納得してもらえると思います。
まずは、今回のメインビジュアルに使われている作品をご覧ください。
もちろん、写真作品ではありません。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
ちょっと石田純一に似ているこちらの人物画は、 《ビー玉の自画像》 という作品。
その圧倒的な描写力によって生み出された迫力は、並々ならぬものがありました。
33.5×24.5の小さめの作品とは思えないほどの大きな迫力が迫ってきます。
絵の迫力に飲み込まれないように要注意な一枚です。
ただ、残念ながら、この1点だけでは、彼の描写力の高さしか伝えられません。
このままでは、ただ単に、 “めちゃめちゃ写実的な人物画を描く画家” どまりになってしまいます。
(↑いや、それでも十分にスゴいことなのですが)
牧野邦夫の真骨頂は、こちらの 《海と戦さ》 のような作品に結実しています。
描かれている一人ひとりの人物描写が巧いのは、言わずもがな。
さらに、ズームアップしてみましょう。
すると・・・
単なる服の影に見えた部分にも、人の顔が描かれていることがわかります。
(注:心霊写真ではありません!)
ちょっとグロいので、人によって好き嫌いは別れるところでしょうが。
このように執拗なほどに精密な描写で大画面を埋め尽くし、
どこかグロテスクを感じさせる世界は、これまでに目にしたことがありません。
まさに牧野邦夫独自の世界観。
“こんなスゴい画家が、日本にいたとは。。。”
その衝撃は、伊藤若冲の作品を初めて目にした時に匹敵するほどでした。
ちょっとしたカルチャーショック状態です。
会場には、そんな牧野ワールド全開の作品がびっしり。
このような作品を何点も生み出した牧野邦夫の労力は、相当なモノでしょうが。
それらの作品を鑑賞するのに要する僕らの労力も、それなりに相当なモノです (笑)
あまりに作品1点1点の密度が濃厚過ぎて、
鑑賞中はずっと口をパクパクしていた気がします (←金魚?)
ちなみに、美術展を観終ったときは、12ラウンドを戦い切ったボクサーのようになっていました。
ただ、グロテスクなところがある作品は、
「スゴっ!!」 とは思えど、個人的な好みにはハマりませんでしたが。
《ひん曲がった部屋》 や、
《旅人》 のようなシュルレアリスム的な作品は、
個人的に好みで、疲れも忘れて、ずっと飽きずに眺めていられました。
中でも一番印象に残った作品が、こちらの 《未完成の塔》
タイトルからもわかるように、未完成の塔の絵です。
実は、この絵には、こんなエピソードが。
レンブラント宛に手紙を書き、そのレンブラントから返信も自分で書いてしまった・・・というくらいに、
レンブラントを敬愛してやまなかった牧野邦夫。
そんな彼は、50歳の頃に、
「レンブラントのような絵を描けるようになるためには、
63歳まで生きたレンブラントより30年長く生きなければならない!」
という目標を立てました。
そこで、牧野は、10年ごとに一層ずつ塔を描き、
90歳になった時に五重塔の姿が完成する絵を描こうと思い立ちました。
ところが、牧野は61歳の時にガンで亡くなってしまいます。
だから、この絵は、50代と60代の2層だけしか描かれていないのだとか。
空白の部分には、どんな塔の姿が描かれたのでしょうか。
これほどまでに未完であることが悔しい作品はありません。
ちなみに、この 《未完成の塔》 は、4月27日の 『美の巨人たち』 で取り上げられるとのこと。
放送後に人が殺到する前に行かれることをオススメします。
まだまだまだ他にも、牧野作品についてお話ししたいところはたくさんありますが。
最後に、絞りに絞って一つだけ。
レンブラントが好き過ぎる牧野邦夫は、
レンブラントに憧れて、レンブラントのように自画像をたくさん残しています。
それだけに、会場を見回してみると、あちらこちらに牧野邦夫の姿が。
絵画の世界では、こんなにも自分を前面に押し出す画家なのに。
どうして美術界では、前に出ようとしなかったのか・・・謎です。
ともあれ、今日まで知られざる画家扱いだった牧野邦夫が、
この21年ぶりの回顧展を機に、伊藤若冲や岸田劉生に並ぶような日本美術界のスターになる可能性は大です。
そんなブレイクの瞬間に立ち会える奇跡を、どうぞ皆様も見逃しませぬよう。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在4位です)
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住友グループ秘蔵名画展 ―花―
梅原龍三郎の 《唐彩壷》 に、
前田青邨の 《梅》 に、
中川一政の 《向日葵》 に。
これらの絵には、花が描かれているということ以外に、実は、もう一つ共通点があります。
それは、すべて住友グループ各社が所蔵している絵であるということ。
住友グループ各社の関係者でない限り、目にする機会のないこれらの作品を一堂に集めた美術展、
“住友グループ秘蔵名画展 ―花―” が5月12日まで開催されています。
場所は、泉屋博古館分館。
もちろん、泉屋博古館分館も住友グループの一員です。
上で紹介した3点以外にも、アンリ・ファンタン=ラトゥールの薔薇の絵や、
黒田清輝による野菊の絵、速水御舟による茄子の絵、福沢一郎の花の絵・・・などなど、
名だたる巨匠たちによって描かれた花の絵 (一部、花でない絵もあり) が64点ほど紹介されています。
美術展を鑑賞しての率直な感想としては、
「住友グループ各社が所蔵している絵の美術展ということが、
良い方向にも、悪い方向にも転がった美術展だったなぁ・・・」
という感じです。
住友グループに関係なく、一般の人が目にすることの出来ない絵を、
このようにまとまった形で紹介してくれているのは、本当に貴重でありがたい限り。
ただ、これらの絵は、おそらく普段は社長室や応接室のインテリアとして飾られていた絵。
そのような絵が、いくら並べられていても、
「ほ~、綺麗な絵ですね~(・ロ・)」
以上の感想は、なかなか浮かんでこないものです。
もちろん作品のレベルが低いわけでなく、
個人的には、岡鹿之助の 《捧げもの》 のようなお気に入り作品にも出合えましたが。
美術展全体としては、そこまで心に残るほどのものはありませんでした。
それぞれの絵の横に、普段の絵の飾られている様子の写真や、
それらの絵を所蔵している住友グループ各社の社長からのコメントがあるなど、
何らかのプラスアルファがあった方が、良かったような気がします。
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新・無料で観れる 美術百選 《千葉都市モノレール千葉駅(千葉県千葉市)》
現在、千葉市美術館で開催中の “仏像半島―房総の美しき仏たち―” 。
千葉県中から重要文化財や秘仏などの仏像が約150体も集結した、
この話題の美術展を、より楽しむためのトークショーを、4月20日 (土) に行うことになりました。
「日本一楽しく、日本一わかりやすい『仏像』のトークライブを!」
を合言葉に、今さら聞けない仏像鑑賞のイロハや、
美術展の見どころを、講師の方に教えてもらおうというトークショーです。
ちなみに、講師を務めてくださるのは、東京藝術大学大学美術館で仏像を専門に研究されている芹生春菜氏。
仏像の歴史や仏像に関する用語を学んだり、
鑑賞ポイントのhow toを芹生氏に伝授して頂いたり、笑ってタメになる1時間半です。
時間は、13時~14時半。
入場は、無料。
予約制でもなんでもないので、当日に、ふらっと立ち寄って頂けましたら幸いです。
そして、希望者にのみ、鑑賞に役立つ仏像鑑賞虎の巻 (という名のレジュメ) を300円で配布させて頂きます。
肝心なことを忘れていました。
開催場所は、千葉都市モノレール千葉駅の2階。
JR千葉駅からエスカレーターで上がってもよし。
千葉都市モノレールの改札からエスカレーターで下りてもよし。
目印となるのは、こちらの壁画↓
この壁画の前の広場に特設会場が出現します。
どうぞお楽しみに♪
・・・・・・・って、告知の流れで、
サラッと 「こちらの壁画」 と紹介してしまいましたが。
実は、 「こちらの壁画」 は、ベルギーに生まれ、日本を拠点にして、
数々のパブリックアート作品を制作した芸術家ルイ・フランセンの代表作の一つ。
新・無料で観れる 美術百選 010 ルイ・フランセン 《そよ風》
幅4メートル。
高さ10メートル。
なかなかに大迫力の陶板レリーフです。
ちなみに。
作品内の連続する四角は、モノレールの軌道を表しているとのこと。
パッと見では、あまり伝わりませんが、
モノレールをかなり意識している作品のようです。
・・・・・・確かに、似ていなくもない。
<無料で観れる美術 データ>
千葉都市モノレール千葉駅
住所:千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1
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