“空海と密教美術展” に、 “国宝 阿修羅展” に、
“東大寺大仏―天平の至宝―” に、 “国宝 阿修羅展” に、 “国宝 薬師寺展” に・・・etc
東京国立博物館では、これまでに数多くのヒット美術展が開催されてきましたが。
思えば、いつもそこに寺がいたような。
そんなトーハクと寺院との蜜月関係 (←?) に、待ったをかけるべく (←??) 、
春日大社、嚴島神社、鶴岡八幡宮、熱田神宮、北野天満宮をはじめとする日本の神社が立ち上がりました!
北は青森から、南は沖縄まで。
日本全国の神社がタッグを組んで、東京国立博物館に殴り込み。
それが、 “国宝 大神社展” という美術展です。
・・・・・・・と、興奮のあまり、
『アウトレイジ』 の番宣かのように、物騒な表現になってしまいましたが (笑)
展覧会場は、まったく物騒な感じではありません。
誤解のなきように。
むしろ、お寺とのコラボ展の時にありがちな張り詰めた感じがなく、癒し系な雰囲気が漂っていました。
まるで本当に神社の宝物殿にいるのかと錯覚するくらいに、
神聖さと澄んだ空気を感じた展覧会場だったと言っても過言ではありません。
そんな癒し系な会場ながらも、展示されているのは、
福岡・宗像大社が所蔵する国宝の 《金銅製雛機》 に、
奈良時代・8世紀
青森・櫛引八幡宮が所蔵する国宝の 《白糸妻取威鎧》 、
南北朝時代・14世紀
(注:展示は、5/8~6/2までです)
京都・松尾大社が所蔵する重要文化財の 《女神坐像》
平安時代・9世紀
・・・と、貴重な文化財ばかり。
他にも、香取神宮の 《海獣葡萄鏡》 や鹿島神宮が所蔵する 《直刀 黒漆平文大刀》 、
嚴島神社に奉納された 《平家納経》 (注:展示は、~5/6まで) などなど、挙げればキリがないほどの名品揃い。
その数は、実に243件。
うち国宝や重要文化財は、約160件。
これが興奮せずにはいられましょうか (いや、興奮せずにはいられますまい)
会場の雰囲気に癒されつつ、紹介された名品に興奮しつつ。
冷静と情熱のあいだを行ったり来たりする美術展でした (笑)
今回の美術展のハイライトは、何と言っても、 「第6章 神々の姿」。
さきほど紹介した 《女神坐像》 を筆頭に、
和歌山・熊野速玉大社の 《家津美御子大神坐像》 や、
平安時代・9~10世紀
松尾大社の 《男神坐像》 や、石清水八幡宮の 《童子形坐像》 など、
約40体もの神像彫刻が一堂に会した、密度の濃ゆ~いゾーンです。
他の展示品に関しては、
「実際に神社に行って観ればいいんじゃね?」
と言われてしまっては、それまでなのですが。
(もちろん出展されている品が、各神社の宝物殿で絶対に公開されるとは限りません)
この神像彫刻が集結したゾーンだけは、まず間違いなく、ここでしか観れない光景。
神社巡りが好きな人は、必見も必見です。
実に素晴らしい展示品が多く、見どころが満載な美術展なのですが。
逆に、見どころが満載すぎて、ちょっと散漫になりかねない印象も受けました。
(いわゆる、嬉しい悲鳴というヤツです)
質、良ともにボリューム満点ということを頭に入れてから、
今回の “国宝 大神社展” に臨まれることをオススメします。
ちなみに、今回の展示品の中での一番を決めるのは、とっても難しいですが。
あえて、マイベスト1を選ぶなら、奈良・石上神宮の国宝 《七支刀》 でしょうか。
いつから石上神宮にあるのか?
どうして石上神宮にあるのか?
なぜ、このような形なのか?
とにもかくにも 『?』 尽くしの謎多き刀なのだそうな。
不遜にも、 「なぜ、このような形なのか?」 の謎に挑むことにし、
《七支刀》 を、じーーーっと眺めながら考えることしばし。
僕の中で、一つの仮説が浮かびました。
“もしや生命の進化図なのでは・・・?”
違うかもしれないですし、もしかしたら、まぐれ当たりでそうなのかもしれないし。
信じるか信じないかはあなた次第です。
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国宝 大神社展
北極南極展─ようこそ! 氷のワンダーランドへ
そこで今回は、少し気分を変えて、葛西臨海水族園へ行ってきました。
とは言え、もちろん泳いでる魚の姿を眺めるためだけに訪れたのではなく。
現在開催中の “北極南極展─ようこそ! 氷のワンダーランドへ” という企画展が、来訪のメイン。
こちらは、知っているようで意外と知らない北極と南極に関して、
ホッキョクグマとコウテイペンギンがガイド役を務めるパネルや、
さまざまな標本や模型などを交えて、
わかりやす~く親しみやす~く紹介した企画展です。
この手の自然科学系の展覧会は、国立科学博物館の独壇場であるような気もしますが。
国立科学博物館では目に出来ない生体が展示されているのは、葛西臨海水族園ならではの強み。
ちなみに、こちらは、ハーフバードパウトという北極の魚。
寒いところで生活する魚だからでしょうか。
ほぼ動かずに、じーっとしていました。
鑑賞していて特に面白味のない、寒い魚です (笑)
ではでは、ハーフバードパウトが生息している極地の海って、
実際にはどれくらい冷たいものなのでしょうか??
ここは、体を張って確かめてみるしかありません。
水温は、1℃。
元・芸人の血が騒ぎます。
「うわぁ~!マジで冷たい!冷たいってか痛い!あ、イタタタタ・・・」
・・・・・・・・・・・・・・。
きっちりリアクションを取ったのに、誰も反応してくれません。
極地の海よりも何よりも世間が一番冷たいようです。
ちなみに、企画展が開催されているレクチャールームだけでなく、
園内の 「北極・南極の海」 ゾーンも、企画展仕様になっていました。
このゾーンで特に必見な魚が、オセレイテッドアイスフィッシュ。
脊髄動物なのに、血が透明という不思議な生態を持つ魚。
とは言え、ハーフバードパウト以上に動きがなく、
ハーフバードパウト以上に面白味のない魚です (笑)
しかし、そんなオセレイテッドアイスフィッシュが見れるのは、世界で葛西臨海水族園だけ。
実は、とってもレアな魚だったのです。
もうちょっと動いてくれれば、人気が少しは出ると思うのですが (笑)
最後に。
お土産コーナーで見つけた北極グッズをご紹介。
壁掛けのシロクマ・・・8190円也。
誰が買うのでしょう??
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仏像半島―房総の美しき仏たち―
アートテラー的には、今年度外せない展覧会No.1として注目していた・・・
“仏像半島―房総の美しき仏たち―” が、いよいよ千葉市美術館で始まりました。
千葉を代表する約150体もの仏像たちが、千葉市美術館に大集合!
史上最大のスケールで開催される大千葉仏像展です。
千葉の千葉による千葉のための美術展といったところでしょうか。
・・・・・いや、違いました。
確かに、主役は千葉の仏像たちですが、
千葉県民はもちろん、千葉県民でなくても楽しめること請け合いの美術展です。
純粋にオススメなので、3つ星。
この評価には、千葉県民であるという手心は加えていません。
正直なところ、この美術展会場を訪れるまで、
「まぁ、千葉県には、スゴい仏像は無いんだろうなァ」
と、『質』 に関しては期待していませんでした。
(その分、約150体という 『量』 に期待していました)
ところが。
館山市那古寺の所蔵する 《千手観音菩薩立像》 や、
銚子市常灯寺が所蔵する 《薬師如来坐像》 をはじめ、
重要文化財に指定されている仏像が多数出展されており、
しかも、それらの中には、印旛郡栄町龍角寺の 《薬師如来坐像》 の姿も。
実は、こちらは、関東を代表する白鳳仏として、
仏像ファンにその名を轟かせている超貴重な仏像なのだとか。
まさか、こんなにも千葉の仏像は、 『質』 が高かったとは。
生まれて初めて、千葉県出身であることに誇りを持ったかもしれません (笑)
ちなみに、《薬師如来坐像》 が外に出たのは、今回が初めてのこと。
《薬師如来坐像》 が見られるだけでも、展覧会に足を運ぶ価値があるというものです。
・・・ただ、個人的には、これらのような正統派 (?) の仏像よりも、
おそらく、この美術展でしか観られないであろう衝(笑?)撃的な仏像の数々の方がオススメです。
例えば、千葉市の東光院の 《兜跋毘沙門天立像》
肝心の兜跋毘沙門天 (とばつびしゃもんてん) よりも。。。
兜跋毘沙門天を軽々と支える謎の女性が気になって気になって仕方のない仏像です。
笑顔で軽々持ち上げるだなんて、まるでチアリーディング??
続いて、君津市青蓮寺の 《十一面観音菩薩立像》
全体的な姿かたちは、特に問題はない (?) のですが。
どうしても気になるのが、頭の部分。
頭に付けた飾りのせいで、他の十面が全く見えないという (笑)
完全に、カブってます。。。
カブってると言えば、こんな超衝撃的な仏像も。
南房総市の真野寺所蔵の 《千手観音菩薩立像》 です。
正面から見ると、普通の千手観音像にも見えますが。
サイドから見てみましょう。
仏像が仏像の仮面をかぶっているではないですか!!
これまでに様々な仏像を目にしてきましたが。
これほどまでに、シュールな仏像は目にしたことがありません。
「だ~れだ?」
「仏像でしょ」
「ふっふっふ。正解は・・・(と言いながら、お面を外す)」
「いや、仏像じゃん!!」
・・・というようなやり取りを想像してしまいました。
ちなみに、 『覆面観音』 との呼び名があるとのこと。
地元の人たちに親しまれているのかどうかは不明。
衝撃ついでにもう一発。
香取郡多古町にある妙光寺の 《日蓮聖人像》 です。
頭に乗っているのは、3枚重ねの布団。
なんでも日蓮さんが法難の際に頭に受けた傷が、冬の間は痛むので布団でガードしているのだとか。
「ん?冬の間は??ということは、夏は違う恰好をしているの??」
と、思った方、大正解です。
毎年6月1日に、夏服に衣替えをするのだそうです。
でも、今年の6月1日は、がっつり展示期間に重なっています。
ということで、今年は、なんと 《日蓮聖人像》 初、お寺の外で生着替え。
「妙光寺“おひげのお祖師さま”衣替えセレモニー」 と銘打って、
千葉市美術館で公開生着替えをしちゃうのだとか (とは言え、つい立越しだそうですがw)
他にも、紹介したい仏像は、まだまだまだありますが。
長くなりそうなので、この辺りで。
ちなみに、仏像だけでなく、仏画も充実していますし、
房総が生んだ江戸の天才彫刻師 “波の伊八” こと武志伊八郎信由の作品も特別に展示されています。
本当に見どころがたくさん。
《倶利伽羅竜》 大山寺(鴨川市)
(注:展示は、5月12日までです)
最後に。
僕の故郷である八千代市から唯一出展されていた正覚院の仏像 《釈迦如来立像》 をご紹介。
真顔すぎて、ちょっと怖いです。
そんなにガン見しないでください (笑)
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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】
現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
4/26(金) 金曜日の美術オフ会 “レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像”
いつもは土日にアートツアーを開催しているのですが、
土日が忙しい方のために、たまには、平日にも開催してみようと思います。
美術展は、いろんな人と感想を言い合ったり、聞いたりすることで、より楽しいものとなります。
一人で美術展を訪れても、もちろん楽しめますが、皆で集まることで、美術展はもっと楽しくなるはず!
そこで、今回は美術オフ会を企画させて頂きました。
今回、皆で訪れるのは、この春大注目の美術展。
“レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像”
“レオナルド・ダ・ヴィンチ展” を堪能した後は、
近くのカフェに移動し、皆で、美術展の感想などをまったりとお話が出来たならと。
人数が多いようなら、確実に入れるカラオケボックスを予約します。
(その場合、カラオケボックスですが、もちろん歌はナシですw)
<当日スケジュール>
13:30 東京都美術館前に集合
13:30~15:00 “レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像”展 観賞
15:15~16:45 オフ会
17:00 解散
募集人数は、12人としたいと思います。
皆様のご参加を心より、お待ちしております。
4/29(月・祝) プレミアムTOKYOアートツアー~やっぱりTAROが好き~
「東京ほど、面白いアートの街はない!」
をコンセプトに、毎回いろんな切り口で、
東京ならではの特別なアートツアーを提案する企画。
それが、プレミアムTOKYOアートツアーです。
東京という街を一つの美術館に見立て、
ギャラリーツアーのように、ガイドを交えながら、都内のアートスポットを数か所ご案内させて頂きます。
今回は、生誕102年を記念して(←?)
『岡本太郎』
をテーマにしたアートツアーを開催します。
皆様も、渋谷駅のコンコースに設置された巨大壁画 《明日の神話》 は目にしたことがあるでしょうが。
実は都内の至る所で、岡本太郎のパブリックアートを目にすることが出来るのです。
そこで、今回は、そんな都内で観られる岡本太郎のパブリックアートを中心に、
岡本太郎と馴染みの深い店や、岡本太郎の作品が観られる展覧会を巡ります。
もちろん岡本太郎をよく知らないという方でもご安心を。
岡本太郎のことが好きになる紙芝居ネタで、徹底的にガイドさせて頂きます。
そして、最終地点は、自宅兼アトリエとして使用していた南青山の岡本太郎記念館を訪れます。
現在、こちらでは、 “PAVILION” という美術展が開催中。
岡本太郎記念館と人気若手アーティスト集団Chim↑Pomがコラボした必見の美術展です。
岡本太郎が好きな方も、これから好きになりたい方も、
とにもかくにも、元気になること間違いなしの爆発力満点のアートツアーです。
開始は11時、終了は17時を予定しています。
募集定員は、16名です。
今回の参加費は、ガイド代としてお一人1000円となります。
(交通費、観賞代は各自負担となります)
というわけで、きっと東京が、より好きになるアートツアー。
これまでに、「プレミアムTOKYOアートツアー」にご参加された方も、
今回が初めての参加となる方も、皆様のご参加を心よりお待ちしております!
新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。
参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
素晴らしきミュージアムショップの世界 商品番号73
千葉県を代表する仏像を、千葉県中から集めた美術展 “仏像半島―房総の美しき仏たち―”。
そんな千葉推しの美術展のミュージアムグッズは、
やはり (←?)、 千葉ならではのミュージアムグッズでした。
それが、こちら↓
仏像半島展 特製落花生 (200円) です。
千葉と言ったら、落花生。
落花生と言ったら、千葉。
確かに、千葉と落花生は切っても切れない間柄です。
これまでの人生の中で何度・・・
「出身は、どちらですか?」
「千葉です」
「落花生が美味しいですよね」
「えぇ」
という会話をしてきたことでしょうか。
しかし、声を大にして言いたいのですが、
千葉県民は、他の県民さんが思っているよりも、落花生を食べていません!
あれば食べるけど、なければないでいい・・・というくらいの存在です。
むしろ自分は、柿ピーには、ピーナッツが無くてもいいと思っているくらいです。
・・・・・それだけに。
“仏像半島展” の関連グッズとして、
こういうの(=落花生) が売られてしまうと、また千葉県外の人に、
「あぁ、やっぱり千葉県民って落花生が好きなんだなぁ」
というイメージが、さらに定着してしまいそうです。
う~ん。困りました。。。
とは思ったものの。
単なる落花生ではなく、よく見ると、仏像の姿が印字されているではないですか。
ちょっとカワイイじゃないですか。
200円という安さも手伝って、気づいたら買ってしまいました。
しかも!
袋から取り出して気づいたのですが。
これは、落花生の形をした何かではなく、本物の落花生。
ちゃんと匂いがします。
振ってみれば、中にピーナッツが入っているのも確認できます。
そんな本物の落花生に、ちゃんと仏像の姿が印字がされています。
それも、裏側にも。
「だから、何?」 と言われてしまえば、返す言葉はありませんが (笑)
落花生に絵をプリントするだなんて、スゴい技術であることは確かです。
ただ、その技術の需要は・・・・・・・どれくらいあるのでしょう??
その技術の使い道もさることながら、
このミュージアムグッズそもそもの使い道も、よくわかりません (笑)
食べるにはもったいないし。。。
ということで、箸置きにしてみました。
ちょっとオシャレな居酒屋さんをイメージしてみました。
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大絵馬寺宝展と庭園拝観
普段は非公開の浅草寺内にある伝法院庭園が公開されていると聞いて、早速行ってきました。
“大絵馬寺宝展と庭園拝観” は、5月7日まで。
寛永年間 (1624~45) に小堀遠州によって築庭され、
2011年9月21日付けで、国の名勝に指定された伝法院庭園。
庭園の良し悪しは、よくわからない僕ですが、
そんな僕でも、 「はぁ~。見事なお庭だこと」 と感じる庭園でした。
しかも、そんな情緒あふれる日本庭園越しに・・・
東京スカイツリーを望むことが出来るという嬉しいボーナス付き。
しかも、同時に写真のフレームに収めるのは不可能でしたが、
浅草寺の五重塔と東京スカイツリーの両方が並んだ景色を望むことが出来ます。
日本庭園と五重塔と東京スカイツリー。
なんとも不可思議な光景と感じながらも、
このような光景が、まさに東京らしい光景なのだろうなぁ、と妙に納得。
サービスで振る舞われたお茶を頂きながら、
しみじみと、そんな時空を超えたような景色に浸っておりました。
・・・・・・と、ここでレポートが終わってしまっては、単なる庭テラー (←?)
アートテラーなのですから、アートな情報のレポートも。
実は、特別公開されているのは、伝法院庭園だけではありません。
浅草寺に伝わる絵馬や扁額といった寺宝の一部も展示されているのです。
場所は、浅草寺のアイコンの五重塔。
・・・・・・の裏手です。
庭園の鑑賞と合わせて、入場料は300円。
その良心的な値段から、正直なところ、
あまり・・・いや、ほとんど期待していなかったのですがf^^;
そこは、東京を代表する寺・浅草寺。
公開されていた絵馬の中には、歌川国芳の 《一つ家》 や、
柴田是真の 《茨木》 をはじめ、
谷文晁、鈴木其一、鳥居清忠など、名だたる絵師や浮世絵師の絵馬も含まれています。
絵馬だけでなく、国宝の法華経 (ただし、レプリカ!) や、彫刻作品、
《天台大師像》 といった絵画作品も展示されていて、見応えは十分。
浅草観光を兼ねて、行かれてみてはいかがでしょうか?
1つ星。
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2013年大河ドラマ特別展 「八重の桜」
すっかり江戸東京博物館の恒例イベントとして定着した (?) 大河ドラマとの連動企画展。
今年は・・・
“2013年大河ドラマ特別展 「八重の桜」” が開催されています。
5月6日まで。
会場には、新島八重の故郷である会津に関する屏風絵 (《追鳥狩之図屏風》) をはじめ、
八重が戦った会津における戊辰戦争の激戦を物語る資料 (《懐剣》) や、
八重の直筆の書 (《心和得天真》) など、
NHK大河ドラマ 「八重の桜」 と同時代の資料や、
主人公である新島八重ゆかりの品々が、計200点以上も展示されていました。
・・・実は。
肝心の大河ドラマ 「八重の桜」 を、わりと早い段階で見るのをやめてしまった僕。
それだけに、この展覧会が楽しめるのか不安でした。
とは言え、いざ会場に行ってみれば何とかなるだろう、と楽観的に構えていたのですが・・・
何とかなりませんでした(笑)
何とかならぬものはならぬのです。
ボロボロの姿で開城した際の姿が収められた 《鶴ヶ城古写真》 には、
その痛々しさから、少しだけ涙を誘われましたが。
あとの展示に関しては、そんなに心を動かされるものはありませんでした。
(新島八重をよく知らないから?)
やはり 「八重の桜」 を観ているか否かで、反応に大きく差が出る展覧会であった気がします。
ただ、昨年までの大河ドラマ連動展とは違って、
おそらく江戸東京博物館の中の人も、
「新島八重の展覧会で大丈夫かなぁ。。。」
という不安はよぎったのでしょう。
入り口部分の展覧会タイトル部分の演出を凝ってみたり、
八重にとっても会津にとっても大切な一枚の写真 《昭和3年京都会津会秋季例會記念写真》 を、
ちょっとしたプロジェクションマッピング風の展示にしてみたり。
飽きさせないような工夫は随所に見られました。
(それが成功していたかどうかは別として)
「次回の大河ドラマは、誰が主人公なのか。」
そのことを気にしている日本人は多いと思いますが。
最も気にしているのは、江戸東京博物館の中の人なのだろうと強く感じた展覧会でした。
来年の “「軍師官兵衛」展” に期待です。
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第五十三話 国宝ハンター、リベンジする!
~前回までのあらすじ~
「♪今日も国宝~明日も国宝~国宝あれば一生幸せ~」
というくらいに国宝LOVEな国宝ハンターは、
まだ見ぬ国宝を求めて、日本全国を旅しています。
2011年8月に旅を始めて、2013年4月の時点で、350件の国宝と出合えました。
しかし、1088件の国宝をすべて見るという目標には、まだまだ達していません。
今日も国宝の旅は続く。
皆様は覚えているであろうか。
国宝ハンターが燃え尽きた2日間があったことを。
「たった2日間で、京都で国宝を50件ハンティングする!」
そんな無謀とも思えるチャレンジに挑んだ過酷な2days。
その結果、ハンティングした国宝の数は、なんと49件。
50件に1件足りず。。。
しかも、あまりの過酷さゆえ、愛用していた腕時計が壊れるというおまけ付(←?)
(その模様は、こちらから→#23、#24、#25、#26、#27)
あれから1年―
国宝ハンターは、再び立ち上がりました。
今度こそ、目標を達成したい。
やるからには、前回以上に無謀なチャレンジに挑みたい。
そこで、今回、自らに課した課題が、こちら↓
「たった2日間で、奈良で国宝を100件ハンティングする!」
国宝の数もパワーアップなら、過酷度もパワーアップ。
京都編を遥かに超える激闘の模様を、どうぞハンカチを片手にご覧くださいませ。
国宝ハンター、いまひとたびの奈良へ。
【1日目】
高速バスに揺られること、8時間。
人生初となる奈良に到着しました。
まずは旅の相棒となるレンタサイクルを借りることに。
1日500円という安さにつられて借りることにしたレンタサイクルと対面して絶句。。。
「・・・・・・・・・。」
僕は、こんなにもレンタサイクル感丸出しの自転車に乗って、奈良を駆け回るのですか。
なんという辱しめでしょうか。
しかし、今から新たなレンタサイクル屋さんを見つけている時間がもったいない。
2日間お世話になります。
緑の相棒にまたがって、最初に向かったのは、唐招提寺。
鑑真和尚が建立したことで歴史の教科書でもお馴染みのお寺です。
でも、訪れた4月22日は肝心の鑑真和尚の坐像は見られません。
大丈夫です。
もちろん織り込み済みです。
この2日間は、たくさんの数の国宝を見ることが目的。
「見られるものなら何でも見る」 を合言葉に精力的に奈良を巡るのです。
《唐招提寺金堂》 (ジャンル:建造物) を目に焼き付けた後、その中を覗くと・・・
・《乾漆盧舎那仏坐像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木心乾漆千手観音立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木心乾漆薬師如来立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造梵天立像/木造帝釈天立像(所在金堂)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造四天王立像(所在金堂)》 (ジャンル:彫刻)
一挙に5件の国宝をゲット!
日本全国には国宝が1件もない県や、1件しかない県が少なからずあるというのに。
この金堂だけで建物を合わせて国宝が6件。
なんと贅沢な。。。
さらに。
《唐招提寺講堂》 (ジャンル:建造物) も、 《唐招提寺鼓楼》 (ジャンル:建造物) も。
《唐招提寺経蔵》 (ジャンル:建造物) も、 《唐招提寺宝蔵》 (ジャンル:建造物) も。
全て国宝です。
唐招提寺だけで、10件の国宝をゲット。
もう目標の10分の1をクリアです。
これは、京都よりも楽勝かもしれません( ̄ー ̄)ニヤリ
唐招提寺の次は、薬師寺へ向かいました。
薬師寺と言えば、東塔。
そのメインシンボルとも言うべき東塔の姿が見当たりません。
ま、まさか?!
絶賛解体修理中。
完成は、2018年とのこと。
あと5年かぁ。。。
国宝ハンターは、少なくとも5年は続けなくちゃいけないのかぁ。。。
東塔が見れなかったのは残念ですが、薬師寺にはまだ他にも国宝があります。
気持ちを切り替えましょう♪
↑こちらの金堂の中で見ることが出来たのが、
《仏足石》 (ジャンル:考古資料) と 《仏足石歌碑》 (ジャンル:考古資料) 、
そして、いつぞやのトーハクの薬師寺展でもお会いした・・・
《銅造薬師如来及両脇侍像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻) です。
トーハクで初めて目にした時のお姿よりも、
ホームグラウンド (=薬師寺) で目にしたお姿の方が、より洗練されていたような。
やはり仏像にとって、収まるべき場所というのは大事なファクターのようです。
そして、 《薬師寺東院堂》 (ジャンル:建造物) へ。
こちらのご本尊様が、日本屈指の美しいお姿の観音様と称される国宝の観音菩薩。
その姿にうっとりしていると、突然背後から、お寺の関係者さんに声を掛けられました。
「よう出来てますやろ?」
「えっ、はい??」
「ホンマによう出来たそっくりさんやわ」
「・・・・・・。(パードン?)」
「本物さんは、石川県立美術館で開催される展覧会のために3日前に、ここを出発しはったんですよ」
「ということは、こちらはレプリカ?」
「そうなんですよ。本物さんは、日通の人が大事に運んでくださいまして」
その後も、お寺の方は、何やらかんやらおっしゃっていましたが。
あまりのショックのため、途中から耳に入ってきませんでした。
というか、どこの会社が運ぼうか知らないし (泣) !!
ちなみに、石川県立美術館で、今週金曜から始まる “国宝 薬師寺展” には、
その観音菩薩さまだけでなく、吉祥天像や慈恩大師像といった国宝も出展されるとのこと。
よりによって石川県とは、また遠いところで。。。
というわけで。
好スタートを切った唐招提寺から一転。
薬師寺で、いつものような展開に。
早くも波乱の予感。
果たして、国宝ハンターは、100件もの国宝をハンティングすることが出来たのか?
次回へ続く。
今現在の国宝ハンティング数 364/1085
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中!
(皆様のおかげで現在7位まです!ありがとうございます!!)
第五十四話 国宝ハンター、夢心地になる!
~前回までのあらすじ~
春の嵐が吹き荒れる4月~(小倉久寛風)
国宝ハンターは、2日間で100件の国宝を奈良で見ることを誓う~。
しかし、早くも国宝ハンターの前には困難が~。
どうなる~国宝ハンタ~。
【1日目】 の続き。
薬師寺の国宝たちが、3日前に石川県へ。
そんな衝撃の事実を突き付けられて意気消沈。
でも、悩んでいる時間がもったいないので、先に進むことにします。
薬師寺から法隆寺へも、もちろん自転車で移動です。
実は、旅に出る前に、奈良に詳しい人から、
「薬師寺から法隆寺は自転車じゃ無理だよ。」
と忠告されていたのですが。
地図で見る限り行けそうな気がしていたので、
貴重な忠告は胸にしまいつつ、自転車移動という選択肢を選びました。
すると・・・
薬師寺から法隆寺まで自転車道が整備されているではないですか。
(緑に塗装されているのが、その自転車ルートです)
距離としては確かに1時間近くかかりましたが、
奈良県が (奈良市が?) 整備してくれていたため、心配したほど苦労はしませんでした。
自転車に固執した甲斐がありました。
さてさて、そんなこんなでやってきた法隆寺。
そこは、国宝ハンター驚愕の国宝密集地帯でした。
建造物だけでも、18件。
美術工芸品は、20件。
合計40件もあるという、もはや国宝製造マシーンともいうべき寺院。
(さらに、それとは別に、トーハクの法隆寺宝物館に10件以上出張しているから驚きです)
国宝建造物は、 《法隆寺五重塔》 (ジャンル:建造物) や 《法隆寺中門》 (ジャンル:建造物) はもちろん。
フェノロサが無理やりこじ開けたと言われる 《法隆寺東院夢殿》 (ジャンル:建造物) を含む・・・
18件すべてを、しかとこの目に焼き付けてきました。
~その他の法隆寺国宝建造物~
・《法隆寺東西回廊》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺鐘楼》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺経蔵》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺大講堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東院伝法堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺聖霊院》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東大門》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺食堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺南大門》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東院鐘楼》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺西円堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺三経院及び西室》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺金堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東室》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺綱封蔵》 (ジャンル:建造物)
美術工芸品に関しては、いくつか公開されていなかったものはありますが。
毎年春と秋だけしか開帳されない 《木造観世音菩薩立像(夢殿安置)》 (ジャンル:彫刻) や、
飛鳥時代の建築、工芸、絵画の粋を集めて作られた最高傑作とされる 《玉虫厨子》 (ジャンル:工芸品) など、
全部で16件の国宝をハンティング。
~その他の法隆寺国宝美術工芸品~
・《銅造釈迦如来及両脇侍像〈止利作/(金堂安置)〉》 (ジャンル:彫刻)
・《木造観世音菩薩立像(百済観音)》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造薬師如来坐像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造四天王立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《乾漆行信僧都坐像(所在夢殿)》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造観音菩薩立像(夢違観音)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造薬師如来及両脇侍坐像(講堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造阿弥陀如来及両脇侍像(伝橘夫人念持仏)》 (ジャンル:彫刻)[及び《木造厨子》 (ジャンル:彫刻)]
・《塑造道詮律師坐像(所在夢殿)》 (ジャンル:彫刻)
・《乾漆薬師如来坐像(西円堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造地蔵菩薩立像》 (ジャンル:彫刻)
・《木造観音菩薩立像(九面観音)》 (ジャンル:彫刻)
・《塑造塔本四面具(五重塔安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造毘沙門天立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻) [及び 《木造吉祥天立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)]
特筆すべきは、やはり 《木造観世音菩薩立像(百済観音)》
もちろん全体的な雰囲気が素晴らしかったのは、言わずもがなですが。
特に美しいと感じたのは、水瓶を持つ左手の表現。
この左手を見るためだけに、奈良に来た甲斐があったと思えるくらいに素晴らしかったです。
また、悪い夢を良い夢に変えてくれると言われる 《銅造観音菩薩立像(夢違観音)》 は、
見れば見るほど、梅沢富美男に見えてきました。
そう言えば、彼も夢芝居という歌を歌っていましたっけ。
“夢” 繋がりです (←だから何?!)
法隆寺から歩いて行ける範囲に、
中宮寺もあると聞き、そちらにも足を運んでみました。
「なかなかモダンな建物!」 と思ったら、
昭和を代表する建築家・吉田五十八 (1894~1974) の手によって設計された本堂とのこと。
実は、鉄筋コンクリート製の建物です。
そんなあまり風情のない建物なのに (?)
本尊として祀られているのは、
かの有名な 《木造菩薩半跏像〈(伝如意輪観音)/(本堂安置)〉》 (ジャンル:彫刻)
“世界三大微笑” の一つに数えられるだけあって、
さすがに、そのアルカイックスマイルは、うっとりするくらいの美しさでした。
(ちなみに、あと二つは、モナリザとスフィンクス)
このスマイルにうっとりしない人はいないのではないでしょうか。
全女子の皆様、是非、このスマイルを会得されることをオススメします。
法隆寺と中宮寺だけで、計35件の国宝をゲット。
唐招提寺と薬師寺のを合わせると、計49件。
もうこの時点で、昨年の京都2daysと同じ数です。
(昨年のあの苦労はなんだったんだ・・・)
奈良県は国宝ハンターにとっての “夢の国” と言えるでしょう♪
ちなみに、法隆寺の境内だけでなく、
その周囲の街並みも風情があって印象的でした。
時間があれば、のんびりと散歩してみたい場所です。
野菜直売所が変なことになっていたのだけは、悪い夢であってほしいです (笑)
今現在の国宝ハンティング数 399/1085
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スヌーピー×日本の匠展
“スヌーピー×日本の匠展” 。
なんとも気になる展覧会が、銀座松屋で開催されているようです。
しかし、単純に考えて、スヌーピーと日本の匠というコラボレーションはあり得るのでしょうか。
僕の中での “日本の匠” は・・・
「スヌーピーだかすかんぴんだか、俺にはよくわからねぇよ。ふん」
と言っていそうなイメージです。
それだけに、
“スヌーピーと日本の匠がケンカし合ったような作品が出来ているのだろう・・・。”
と、あまり期待しないで会場を訪れたのですが。
スヌーピー×九谷焼も。
スヌーピー×輪島塗も。
スヌーピー×金箔砂子も。
全然ケンカしていませんでした!!
むしろ、ここまでスヌーピーと日本の匠との親和度が高いとは。
その奇跡のマッチングぶりに、ただただ驚きです。
ちなみに、画像がなくて恐縮ですが、
個人的に一番気に入ったのは、スヌーピーとチャーリー・ブラウンが彫り込まれた大阪欄間。
特にスヌーピーのファンでもなんでもない僕ですが。
もし将来、自分が家を建てる機会が持てたら、
あの大阪欄間を和室に設置しようかなと思ってしまったくらいです。
他にも、漆器・和紙・番傘・友禅など、
さまざまな日本の伝統文化がスヌーピーとコラボしていますので、
さまざまなスヌーピーと出合うことが出来ます。
なんとも目に楽しい展覧会。
さてさて、こんな一風変わったスヌーピー展を企画したのが、
『ピーナッツ』 の作者チャールズ・モンロー・シュルツと交流の深かった大谷芳照さん。
実は、大谷さんは、アーティストであり、 『ピーナッツ』 を水墨画で表現した作品で知られています。
それにちなんで、会期中は、
松屋銀座のいたるところで、大谷さんのグリフアートを目にすることが出来ます。
もちろん会場でも、大谷さんのグリフアートは健在。
さらには、作者のチャールズ・モンロー・シュルツに、
「君は天才だね。」 と言わしめた作品の数々も展示されています。
岸部四郎をロン毛にしたようなご本人さんの姿からは、
想像のつかないようなポップでファニーな作品の数々に癒されました (←だいぶ失礼!)
ちなみに。
展覧会上以上に、物販コーナーが大充実。
むしろ会場よりも、物販コーナーの熱気の方が高かったような気がします。
改めて、スヌーピー人気の高さを実感する展覧会でした。
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第五十五話 国宝ハンター、決断する!
~前回までのあらすじ~
NO NATIONAL TRAESURE,NO LIFE.
そんな国宝を愛する国宝ハンターは、人生初となる奈良県に上陸。
2日間という限られた時間の中で、
100件の国宝を見るという目標のために、奈良を自転車 (=ママチャリ) で駆け巡る。
唐招提寺、薬師寺、法隆寺、中宮寺とテンポよく巡り、4時間で49件の国宝をゲット。
そして、1日目の午後に突入する―
【1日目】 の続き。
1日目の午前中は、自分でも驚くほどのハイペースで国宝をゲットしました。
あまりの国宝の過剰摂取ぶりに、何か体に影響が出ないか心配なほどです (←?)
さてさて、そんな僕が、法隆寺の次に向かったのは、
今回の国宝旅の一番のメインと言っても過言ではない當麻寺。
実は、現在、奈良国立博物館で “當麻寺―極楽浄土へのあこがれ―” が開催中でして。
それを記念して、
「日本最古の梵鐘として名高い當麻寺の国宝梵鐘が、展覧会会期中當麻寺境内で特別公開されます」
とのこと。
このレアな機会があったからこそ、今回の奈良行きを決めたようなものです。
それだけに。
法隆寺から當麻寺まで、何度も道に迷い、トータルで1時間半近く自転車を漕ぎ続けることになりましたが。
そんな苦労はなんのその。
着いたときは、むしろテンションが上がりきっていたくらいです。
「高まる~」
《當麻寺本堂(曼荼羅堂)》 (ジャンル:建造物) を見て、
《當麻寺東塔》 (ジャンル:建造物) を見て、
《當麻寺西塔》 (ジャンル:建造物) を見て、
本堂内の 《当麻曼荼羅厨子》 (ジャンル:工芸品) を見て、
金堂に安置されている 《塑造弥勒仏坐像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻) を見て。
いよいよ、 《梵鐘》 (ジャンル:工芸品) とご対面。
こちらが、日本最古の梵鐘なのですね。
確か、妙心寺で国宝の梵鐘を観た時も、 “日本最古の梵鐘” と言っていたような。。。
(その模様は、こちら)
ただし、妙心寺の梵鐘は、698年製。
當麻寺の梵鐘は、それよりも古い680年製。
こちらの方が、正真正銘の “日本最古の梵鐘” であるようです。
「・・・・・・・・・・・・・・・ん?」
日本最古の梵鐘の前で、ひとしきり思いにふけったところで、とある疑問が。
どう見ても、この梵鐘をおさめる鐘楼が、
今回の特別公開のために作られたようなものには見えないのです。
思い切って、お寺の関係者さんらしき人に聞いてみました。
「あの~。この鐘楼って、今回の特別公開のために作られたものなのですか?」
「いやいや、そんなまさか。昔からありますよ」
「えっ、じゃあ、あの梵鐘って、昔から普通に見れたんですか?」
「見れましたよ」
「えっ、えっ、じゃあ、特別公開ってのは??」
「あぁ、それは、この足場のことですよ」
案内されるがままに、鐘楼の裏手に回ってみると・・・
「・・・・・。(絶句)」
「この足場に上れば、近くで見ることが出来ますよ。どうぞ」
仕方がないから、足場に上りましたとも。
間近で写真も撮りましたとも。
でも、一言だけ言わせてください。
「これは、特別公開とは言わないのだーーー!!!」
特別に公開されているのは、梵鐘ではなく、むしろ、この足場です。
このために奈良県まで来たのかと思うと泣けてきます。
「だーーー!!!」
傷心の国宝ハンターは、その後、一心不乱に自転車を漕ぎ続け、西へ。
気づけば、桜井市に付いていました (1時間以上は漕いでいたでしょうか)
実は、この街には、今年指定されたばかりの新国宝があるとのこと。
予定にはありませんでしたが、立ち寄ってみることにしました。
阿倍仲麻呂、安倍晴明 (安倍なつみも?) などを輩出した安倍一族の氏寺・安倍文殊院です。
拝観料にお抹茶とお菓子代も含まれているので、まずは一服。
梵鐘に関してのモヤモヤが、スーッと消えていくようでした。
結構なお点前で。
そして、いよいよ新国宝 《木造騎獅文殊菩薩及脇侍像》 (ジャンル:彫刻) とご対面。
高さ7メートルもある騎獅文殊菩薩像のお姿は圧巻も圧巻。
これまでに国宝ハンターである前にアートテラーとして、
国内外さまざまなアーティストのインスタレーション作品を目にしてきましたが、
それらと比較しても、1、2を争うほどの素晴らしさだったと思います。
圧倒的な美しさや力強さもさることながら、
チョロチョロしている (?) 脇侍の善財童子像を、
文殊菩薩を乗せている獅子がガンつけている様子が、とってもユーモラス。
スゴいんだけど、どこかほっこりもする。
アートとして不足の全くない作品でした。
これは、むしろ今まで国宝で無かったことが驚きなくらいの傑作です。
さて、阿部文殊院を観終ったところで、時間は15時。
ここから足を延ばせば、もう一か所くらい回れそうな気はします。
地図や奈良のガイドブックを睨みつつ、考えること数分。
一つの決断をしました。
「ここで、一旦、相棒 (=緑のレンタサイクル) と別れて、電車で移動しよう!」
近鉄桜井駅から電車で移動し、室生大野口駅へ。
そこから、さらにバスに乗って、室生寺に到着。
どうにかこうにか拝観時間ギリギリに間に合いました。
なんとも辺鄙な場所にあるお寺ですが。
真言宗のお寺ながら、女人でも入山が許されたことから、
「女人高野」 と呼ばれ、昔から信仰を集めてきたお寺なのだとか。
高校で言うならば (?) 、男女共学って感じなのでしょうか。
見どころはなんと言っても、 『美の巨人たち』 でも取り上げられた・・・
《室生寺五重塔》 (ジャンル:建造物) です。
美しい。ただただ美しい。
あまりの美しさに、どう写真に撮るべきか悩んでいると、
お寺の方がベストアングルを教えてくださいました。
それが、こちら↓
拝観時間ギリギリについたおかげで、人がほとんどいないこと。
ちょうど西日が当たっていること。
そして、シャクナゲのシーズンであったこと。
そんな3つの奇跡が重なっていることで、素晴らしい写真が撮れていると、お寺の人が絶賛。
(僕は、そう思っていませんがf^^;)
「この写真は、大きく引き伸ばして、額に入れるべきだよ!
その時は、5000円くらいの額を買って、額と写真の間の縁は黒い紙だな。うん。」
と、仰っていました。
まだ話は続きそうだったのですが (笑)
他の国宝も見たいので、上手くフェイドアウトし、 《室生寺金堂》 (ジャンル:建造物) へ。
こちらの本堂の中には、 《木造釈迦如来立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻) と、
《木造十一面観音立像(所在金堂)》 (ジャンル:彫刻) 、
さらには、 《板絵著色伝帝釈天曼荼羅図(金堂来迎壁)》 (ジャンル:絵画) が祀られています。
ちなみに、この伝帝釈天曼荼羅図。
なんと木造釈迦如来立像が前に立っているため、よく見えないという有様なのです。
国宝が国宝にカブって、よく見えない。
ある意味で、なんとも贅沢な状況です。
その後、 《室生寺本堂(灌頂堂)》 (ジャンル:建造物) と、
《木造釈迦如来坐像》 (ジャンル:彫刻) も無事にハンティングし、帰路へ。
こうして激動の一日目が終了しました。
この一日でゲットした国宝の数は、63件。
間違いなく、国宝ハンターとして1日で目にした国宝数の新記録です。
・・・・・しかし、この時、国宝ハンターは翌日に待ち受ける過酷な状況を知る由も無かったのです。
今現在の国宝ハンティング数 413/1088(1085改め)
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第五十六話 国宝ハンター、早起きする!
~前回までのあらすじ~
「たった2日間で、奈良で国宝を100件ハンティングする!」
そんな無謀とも思えるチャレンジに挑むことになった国宝ハンター。
しかし、大方の予想とは裏腹に、順調に国宝をゲットしていく。
1日目を終了した時点で、ゲットした国宝の数は、なんと63件。
伝説達成まで、あと37件を残すのみ。
そして、2日目の朝を迎える―
【2日目】
おはようございます。
国宝ハンターの旅の朝は早く、6時には自転車を漕ぎ始めていました。
泊まっていた天理駅周辺のホテルから、約15分。
石上神宮に到着です。
ちなみに、 『石上神宮』 と書いて、 『いそのかみじんぐう』 と読みます。
『いしがみじんぐう』 とか 『いしうえじんぐう』 と読み間違えませぬよう。
さてさて、前日の疲れも取れぬまま5時に起きただけに眠気が全然抜けません。
ボ~~~~~~ッとした状態で境内に入ったのですが、
尋常でない回数の 「コケコッコー」 の声が耳に響いて、強制的に目を覚めさせられました。
朝からテンション高すぎだぞ、ニワトリ!
ニワトリしかいない朝早い境内で、 《石上神宮拝殿》 (ジャンル:建造物) と、
《石上神宮摂社出雲建雄神社拝殿》 (ジャンル:建造物) をゲット。
そして、 「コケコッコー」 の大合唱に後押しをされながら、石上神宮を出発。
自転車を1時間ほど北に漕ぎ続ければ、奈良公園へ到着です。
すると、この旅二日目にして、ようやく初めて鹿と邂逅。
ちょっと感動です。
本当に、鹿がいるよ~。
・・・・・・・・5分後。
さすがに、それくらいで飽きますね。
もう鹿はいいです (笑)
まもなく拝観開始時間の7時半になるので、
《東大寺南大門》 (ジャンル:建造物) を通って、東大寺の境内へと歩を進めます。
もちろん両脇では、 《木造金剛力士立像(所在南大門)》 (ジャンル:彫刻) が睨みを利かせていました。
朝早くからご苦労様ですm(__)m
他の何にも目をくれず、一路、 《東大寺金堂(大仏殿)》 (ジャンル:建造物) へ。
早起きした甲斐があって、なんとこの日一番乗りです。
日中は、修学旅行生で賑わう大仏殿を独り占め。
なんと贅沢な時間なのでしょう♪
もちろん、 《金銅八角燈籠(大仏殿前所在)》 (ジャンル:工芸品) も独り占め。
そして、当然、 《銅造盧舎那仏坐像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻) も独り占めです。
『本殿内写真撮影禁止』 がデフォルトの奈良県内で、写真撮影が可能だったのは嬉しいところ。
さすが、大仏様は大きくて太っ腹なお方です。
大仏様とのマンツーマンの対話を堪能したあとは、
《東大寺鐘楼》 (ジャンル:建造物) & 《梵鐘》 (ジャンル:工芸品) の脇を通って・・・
《東大寺法華堂(三月堂)》 (ジャンル:建造物) へ。
こちらの中には、5件の国宝彫刻が安置されています。
また独り占めしてしまいましょう・・・・・・・ん??
「また、このパターン!!何度目だ (泣)?!」
法華堂内を見学することは叶わず。
肩を落としながらも、 《東大寺二月堂》 (ジャンル:建造物) を見上げて。
二月堂から、 《東大寺開山堂》 (ジャンル:建造物) を見下して。
戒壇堂では、 《塑造四天王立像〈/(所在戒壇堂)〉》 (ジャンル:彫刻) を見て。
東大寺ミュージアムでは、 《東大寺金堂鎭壇具》 (ジャンル:考古資料) をはじめ、
《塑造日光仏立像/塑造月光仏立像(所在法華堂)》 (ジャンル:彫刻) や、
《賢愚経巻第十五(四百六十七行)》 (ジャンル:書跡・典籍) を見ました。
ちなみに、ここ東大寺ミュージアムでは、
以前、トーハクで開催された “東大寺大仏―天平の至宝―” で出合った・・・
《銅造誕生釈迦仏立像》 (ジャンル:彫刻) と再会。
思わず、僕も、 「はーい!」 と右手を挙げそうになりました。
境内で見られる国宝を一通り見た後は、
ぐるっと外周を回って、 《東大寺転害門》 (ジャンル:建造物) のもとに。
これで、この日見られる東大寺の国宝はすべてコンプリート。
となれば、あとは、すぐ近くに位置する正倉院を観に行くだけです。
ところが。。。
「また、このパターン!!何度目だ (泣)?!パート2」
教訓:奈良は、鹿と工事が多い。
今現在の国宝ハンティング数 431/1088
3位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在8位です)
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當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-
奈良国立博物館へやって来ました。
奈良だから当たり前なのでしょうが。
敷地内には、鹿がいっぱいいました。
そんな国立博物館 (美術館) は、世界中を探しても、ここだけではなかろうか?
そんな奈良国立博物館で、現在開催されているのが・・・
“當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-” という美術展。
極楽浄土信仰の拠点として知られる當麻寺 (「たいまでら」 と読みます) の寺宝を中心に、
国宝7件・重要文化財43件を含む約160件の展示品を紹介する史上初の “當麻寺” 展なのだそうです。
・・・・・・・・・・と、ここで一つ気になることが。
その當麻寺があるのは、奈良県葛城市。
で、奈良国立博物館があるのも、もちろん奈良県です。
トーハクや京都国立博物館など、奈良県外で、 “當麻寺” 展が開催されるならわかるのですが。
何も、同じ県内、しかも、電車で行ける距離の場所で開催しなくても・・・。
都内で例えるなら、 “浅草寺” 展を国立新美術館で開催するようなものです。う~ん。
「だったら、直接、當麻寺に行くんじゃない?あまりお客さんが、いないんじゃない??」
しかし、そんな予想に反して、会場は平日ながらも大盛況。
どうやら、 (おそらく奈良県民の) 皆様のお目当ては、こちらの曼荼羅のようなのです↓
(注:展示期間は4/6~4/14、4/23~5/6のみです)
「うわっ、ボロボロじゃん!」
と、思うことなかれ。
実は、こちらの曼荼羅は、當麻寺の本尊として、
1000年以上に渡って信仰を集めてきた国宝の曼荼羅でして。
「根本曼荼羅」 とか 《綴織當麻曼荼羅》 と呼ばれています。
一般公開されるのは、実に30年ぶり。
さらに、寺の外で公開されるのは、この傷みぶりゆえ、
もう二度とないだろうと囁かれているほどの超貴重な曼荼羅なのです。
ではでは、もう少し、《綴織當麻曼荼羅》 の紹介を続けさせて頂きます。
まず、こちらの 《綴織當麻曼荼羅》 を織り上げたと伝えられているのが・・・
伝説上の人物とされる中将姫。
ある日、
「極楽浄土が観た~い」
と思った彼女は、百頭の馬に積めるだけの蓮の茎を集め、
その茎から糸を紡ぎ、一夜にして約4メートル四方の巨大な曼荼羅を完成させたのだとか。
(さすが伝説の人物!)
さて、具体的には、 《綴織當麻曼荼羅》 は、どのような絵柄なのでしょう?
さすがに、 《綴織當麻曼荼羅》 は、傷みが激しいので、
《綴織當麻曼荼羅》 を写した同寸の絵画である重要文化財の 《當麻曼荼羅(文亀本)》 でご紹介。
曼荼羅というと、一般的には、よくわからないイメージがありますが。
こちらの當麻曼荼羅は、非常にわかりやすいのが、何よりも特徴的です。
例えば、中心の画面に大きく描かれているのは、極楽浄土の様子。
「極楽浄土に行ってみたいわ~♪」 と思ってしまうイラストが描かれています。
また、両サイドにあるいくつもの四角の中には、
インドのとある国の話や極楽浄土を想う方法などが、まるで4コマ漫画のように描かれています。
とても細かい絵なので、その細密な描写にビックリですが。
さらには、これが描かれたのではなく、刺繍であるということに、輪をかけてビックリです。
ちょうど今、国立新美術館にフランスの至宝と評されるタペストリーが来日中ですが。
日本にも、それに負けないくらいのタペストリーがあったことに、誇らしい気持ちになりました。
これは、奈良に足を運ぶ価値アリです。
もちろん。
《綴織當麻曼荼羅》 以外にも、見逃せない作品はあります。
いくつかピックアップしてご紹介いたしましょう。
まずは、国宝の 《金銅威奈大村骨蔵器》
ボーリングの玉のようにも、やかんのようにも見えますが。
実は、こちらは、骨壺。
飛鳥時代を生き抜いた威奈大村さん (←人名です) の遺灰や遺骨が納まっていたそうです。
国宝の骨壺とは、なんとも珍しい。
続いて、 《四天王立像のうち持国天立像》
當麻寺金堂の四天王立像のうち、持国天立像だけが奈良国立博物館に出張中。
世にたくさんの四天王像がありますが、當麻寺の四天王は顎鬚をたくわえているのが特色です。
実に、ダンディ。
男が憧れる男って感じがしました。
最後は、 《当麻曼荼羅縁起》
当麻曼荼羅の成立と中将姫の伝説を表す絵巻で、国宝に指定されています。
この 《当麻曼荼羅縁起》 を所蔵しているのは、神奈川県の光明寺。
當麻寺も似たような 《當麻寺縁起》 を所蔵していますが、そちらは重要文化財。
どちらも當麻寺のことが書かれているのに、
當麻寺が所蔵していない方が国宝というのが興味深かったです。
當麻寺的にはトレードしたいに違いない。
ちなみに、余談ですが。
奈良国立博物館では、こんなミュージアムグッズが人気らしいです。
さすがなら仏像館を併設しているだけあります。
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第五十七話 国宝ハンター、まみえる!
~前回までのあらすじ~
「もっと国宝を!」
一つでも多くの国宝をハンティングするために、奈良へとやってきた国宝ハンター。
2日間という限られた時間の中で、100件の国宝を見るために奈良を駆け回ることに。
その結果、初日に63件の国宝をゲット。
そして、2日目。予定していた国宝が見られないというトラブルに早速見舞われた―
東大寺法華堂も正倉院も工事中。
朝からWショックを受けましたが、落ち込んでいる時間はありません。
落ち込んでいる時間があるなら、国宝をハンティングせよ。
それが、国宝ハンターの心得です。
そんなわけで、東大寺周辺の 《般若寺楼門》 (ジャンル:建造物) と、
《春日大社本殿》 (ジャンル:建造物) を、それぞれハンティング。
さらには、春日大社の宝物館にて、
《赤絲威鎧〈兜、大袖付/〉》 (ジャンル:工芸品) をハンティング。
何でも春日大社には、2パターンの国宝の赤糸威大鎧があるそうで。
こちらは、 『梅に鶯』 の赤糸威鎧でした。
もう1パターンの 『竹に虎雀』 の赤糸威鎧は、秋にお目見えとのこと。
秋に再訪決定です。
春日大社のあとは、奈良国立博物館へ。
“なら仏像館” という愛称が、あまりしっくり来ない、こちらの建物では・・・
元興寺の 《木造薬師如来立像》 (ジャンル:彫刻) 、岡寺の 《木心乾漆義淵僧正坐像》 (ジャンル:彫刻) 、
長谷寺の 《銅版法華説相図(千佛多賓佛塔)》 (ジャンル:工芸品) 、
興福寺の 《木造法相六祖坐像〈康慶作/(所在南円堂)〉》 (ジャンル:彫刻) 、
薬師寺の 《木造僧形八幡神坐像/木造神功皇后坐像/木造仲津姫命坐像》 (ジャンル:彫刻) 、
奈良国立博物館の 《木造薬師如来坐像》 (ジャンル:彫刻) 、以上6件をゲット。
“當麻寺 -極楽浄土へのあこがれ-” が開催中の本館では・・・
當麻寺が所蔵する 《倶利伽羅竜蒔絵経箱》 (ジャンル:工芸品) & 《綴織当麻曼荼羅図》 (ジャンル:工芸品) と、
四天王寺の 《金銅威奈大村骨蔵器》 (ジャンル:工芸品) 、
光明寺の 《紙本著色当麻曼茶羅縁起》 (ジャンル:絵画) の4点をゲット。
奈良国立博物館では、合計10点の国宝をハンティングするに至りました。
そして、いよいよ今回の旅の最大のハイライトでもある興福寺に到着です。
《興福寺五重塔》 (ジャンル:建造物) と 《興福寺東金堂》 (ジャンル:建造物)を拝見。
そして、興福寺東金堂の中に入って、 《木造文殊菩薩坐像(所在東金堂)》 (ジャンル:彫刻) 、
《木造四天王立像〈/(所在東金堂)〉》 (ジャンル:彫刻) 、
《木造十二神将立像(所在東金堂)》 (ジャンル:彫刻) 、
《木造維摩居士坐像〈定慶作/(所在東金堂)〉》 (ジャンル:彫刻) の4件の国宝彫刻を拝見。
「国宝の密集っぷりが凄まじい。。。」
と、東金堂には驚きを隠せなかったのですが。
輪をかけて、国宝が密集していたのが、興福寺国宝館。
“国宝館” とは名ばかりで、1~数点しか国宝が展示されていない某国宝館とは違って。
こちらは正真正銘の国宝館。
・《乾漆十大弟子立像》 (ジャンル:彫刻)
・《乾漆八部衆立像》 (ジャンル:彫刻)
・《木造金剛力士立像》 (ジャンル:彫刻)
・《板彫十二神将立像》 (ジャンル:彫刻)
・《木造天燈鬼立像/木造竜燈鬼立像》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造仏頭(旧山田寺講堂本尊)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造千手観音立像(旧食堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《華原磬》 (ジャンル:工芸品)
・《梵鐘》 (ジャンル:工芸品)
・《金銅燈籠》 (ジャンル:工芸品)
・・・以上を、一挙に目にすることが出来ました。
その中には、もちろん興福寺一の人気スター・阿修羅像もいらっしゃいました。
実に4年ぶりにまみえることとなりましたが、相変わらずその姿はお美しい。
時間があるのなら、いつまでも対峙していたい。
それくらいに素晴らしい彫刻作品です。
この旅、始まって以来初めて、
「何で、こんなに急いで国宝を観てるんだろう・・・」
と、自問自答してしまいました。
しかし、国宝ハンターとしての自分が、
「時間が無いって!巻きで!!」
と、せかしてきます。
興福寺国宝館をあとにして、特別公開中の南円堂へ。
南円堂そのものは、国宝ではありませんが。
こちらの中には、 《木造不空羂索観音坐像〈康慶作/(南円堂安置)〉》 (ジャンル:彫刻) と、
《木造四天王立像〈康慶作/(所在南円堂)〉》 (ジャンル:彫刻) が安置されています。
例年ならば、年に1回、10月17日しか開扉されない南円堂。
しかし、創建1200年の節目を迎えた今年だけは、約2ヶ月も開扉されているのです。
めったに入れない南円堂を心ゆくまで堪能し、
《木造弥勒仏坐像〈運慶作/(北円堂安置)〉》 (ジャンル:彫刻) と、
《木造無著菩薩立像/木造世観音薩立像〈運慶作/(所在北円堂)〉》 (ジャンル:彫刻) 、
《木心乾漆四天王立像(所在北円堂)》 (ジャンル:彫刻) のある 《興福寺北円堂》 (ジャンル:建造物) も堪能し。
忘れずに、 《興福寺三重塔》 (ジャンル:建造物) もチェックして、
2日目の午前中は終了。
朝からここまでで、なんと54件の国宝を見たことになります。
・・・・・ん?!
ということは、この時点で100件を突破!
なんと午後をまるまる残して、目標を達成してしまったようです。
僕がスゴいというよりも、それだけゴロゴロと国宝が転がっている (←?) 奈良県がスゴい。
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第五十八話 国宝ハンター、はしょる!
~前回までのあらすじ~
2日間という短期間で、国宝を100件見ようin奈良。
無謀と思われたチャンレンジながら、
なんと大方の予想に反して、2日目の午前中に目標を達成してしまった。
しかし、 「ハンティングし始めたら最後! You can't stop!」
国宝ハンターの勢いは止まらない!
唐招提寺。薬師寺。法隆寺。當麻寺。
室生寺。東大寺。春日大社。興福寺…etc
奈良2日目の午前中にして、
奈良県の主要な神社仏閣を、あらかた巡ってしまいました。
というわけで、奈良2日目の午後は、
『所有国宝3件以下の小ぶりな (?) 寺院を、可能な限り巡る!』 という作戦へシフト。
以下、巡った箇所をダイジェスト形式でご紹介いたします。
①新薬師寺
~ゲットした国宝~
・《新薬師寺本堂》 (ジャンル:建造物)
・《木造薬師如来坐像(本堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《塑造十二神将立像〈(宮毘羅大将像を除く)/(所在本堂)〉》 (ジャンル:彫刻)
②元興寺
~ゲットした国宝~
・《元興寺極楽坊本堂》 (ジャンル:建造物)
・《元興寺極楽坊五重小塔》 (ジャンル:建造物)
・《元興寺極楽坊禅室》 (ジャンル:建造物)
③十輪院
~ゲットした国宝~
・《十輪院本堂》 (ジャンル:建造物)
④大和文華館
~ゲットした国宝~
・《紙本金地著色風俗図〈/六曲屏風〉》 (ジャンル:絵画)
・《一字蓮台法華経〈(普賢勧発品)/〉》 (ジャンル:書跡・典籍)
⑤秋篠寺
~ゲットした国宝~
・《秋篠寺本堂》 (ジャンル:建造物)
⑥海竜王寺
~ゲットした国宝~
・《海龍王寺五重小塔》 (ジャンル:建造物)
・・・・・・・・・・・。
ダイジェスト形式にしてしまうと、全く苦労が伝わりません (汗)
全部を自転車で巡るのは、なかなかにハードだったのですけどね。
上で紹介した国宝の中で、特に印象的だったものを挙げるのならば、
元興寺と海竜王寺で出合った国宝建造物の五重小塔でしょうか。
建造物ということで、五重 “小” 塔とは言えど、それなりの大きさのものを想像していたのですが。
実際は、両方とも建物内に収まるほどの大きさの塔。
建造物というよりも、10分の1スケールの模型のような感じでした。
屋外にあるものだとばかり思って、境内を探し回ってしまったではないか!
さて、次回の国宝ハンターは、いよいよ奈良2days編の最終回。
国宝ハンター史上最も過酷な展開が待ち構えています。
とに~、国宝ハンターやめるってよ?!
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アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密
ここ数日、奈良県での取材の模様をレポートした記事が続いていましたので。
久しぶりに、東京でのアート情報を。
今回は、東京都写真美術館にて5月6日まで開催されている・・・
“アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密” をご紹介させて頂きます。
アーウィン・ブルーメンフェルド (1897~1969) は、
ファッション誌 『ヴォーグ』 や 『ハーパスバザー』 の表紙を100回以上も飾り、
「世界最高のファッション写真家」 とも、 「最も高い撮影料をとる写真家」 とも呼ばれた写真家です。
ファッション写真家と言えば、つい先日まで世田谷美術館にて、
「20世紀を代表するファッション写真家」 と称されるエドワード・スタイケンの写真展が開催されていたばかり。
あちらの写真展で、十分すぎるほど感銘を受けたので、
“いくら 「世界最高のファッション写真家」 と言えども、
もうそこまで感銘を受けることはないんじゃないかなァ・・・。”
と、高を括っていたのですが。
こちらの写真展でも、十分すぎるほど感銘を受けてしまいました。
高を括って、申し訳ありません。
まず何よりも、その “新鮮さ” に感銘を受けました。
↑これらは、ともにアメリカ版 『ヴォーグ』 の表紙を飾ったアーウィン・ブルーメンフェルドの写真。
2000年代に発行された雑誌の表紙と言っても十分に通用する気がしますが、
なんとなんと、ともに1953年号の アメリカ版 『ヴォーグ』 の表紙を飾った写真。
実に、60年も前に発行された雑誌の表紙を飾っていた写真なのです。
もちろん、この2点だけでなく、
“新鮮な” 感動を覚えるアーウィン流ファッション写真が多数紹介されていました。
エドワード・スタイケンのファッション写真のように、
モデルの魅力を最大限引き出しているような写真も、あるにはありましたが。
どちらかと言えば、アーウィン・ブルーメンフェルドの写真は、モデルを記号的に用いているような印象。
アートの1要素として捉えているような気がします。
それゆえ、エドワード・スタイケンの写真ほど万人受けはしないでしょうが、
よりアーティスティックな写真作品なので、アートファンには大いにウケると思いました。
また、 《無題》 のように、
想像力 (妄想力?) を掻き立てられる作品が多かったのも特徴的。
たった1枚の世界なのに、短編映画を見るかのような広がりが感じられました。
それだけ五感がフルで刺激される写真展ですので、
行かれる前日はぐっすりと寝て、精神的に万全のコンディションで臨まれることをオススメします。
個人的に最も印象に残ったのは、
ファッション写真家として成功する前に制作された 《ヒトラーの肖像(ヒトラーの顔)》 というモンタージュ作品。
ヒトラーの不気味さや暴力性が、実によく表現されていると思いました。
どんな文章や映像で伝えられるよりも、
この1枚の持つ圧倒的なイメージ力には敵わないのでは?
これだけの才能の持ち主であるアーウィン・ブルーメンフェルドが、
今の今まで日本で紹介されなかったことに驚き。
今回の日本初の個展が、知名度を浸透させる一つのきっかけになればいいのですが。
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