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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス展

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アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アントニオ・ロペス展


ポスターのメインビジュアルに使われている 《マリアの肖像》 に心惹かれて、
現在開催中の “現代スペイン・リアリズムの巨匠 アントニオ・ロペス展” へ行ってきました。
Bunkamura ザ・ミュージアムにて、6月16日まで開催され、
その後、長崎県美術館 (6/29~8/25) 、岩手県立美術館 (9/7~10/27) と巡回するようです。

美術展の主役は、もちろんアントニオ・ロペス。
でも、多くの方が、

「アントニオ・ロペスって??スペイン人っぽいイメージはあるけど・・・」

と思われていることでしょう。
試しに、 “アントニオ・ロペス” という名前を、Googleで検索してみると、
リーガ・エスパニョーラのサッカー選手がヒットしたり、クラッシックギターがヒットしたり、
果ては、 『TIGER&BUNNY』 というアニメのキャラクターがヒットしたり・・・と、
どれが正解の “アントニオ・ロペス” なのか、よくわかりません (←?)

今回の美術展で取り上げられているのはアントニオ・ロペスは、
1936年生まれの現代スペインリアリズムを代表する作家のアントニオ・ロペスです。
2008年にはボストン美術館で、2011年にはスペイン国内の2か所で大規模な個展が開催されており、
世界的に最も著名な現存アーティストと言っても過言ではありません。
ちなみに、ビクトル・エリセ監督によるドキュメンタリータッチ映画・・・

マルメロの陽光 [DVD]/紀伊國屋書店

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『マルメロの陽光』 の主人公を務めているのが、アントニオ・ロペス。
毎年なかなかマルメロの木の絵を完成することが出来ない彼の姿が丹念に描かれた映画です。
会場には、マルメロの木の絵も展示されていますので、
これから足を運ぶ方は、映画を見てから行くと、より楽しめることでしょう。


さてさて、そんなアントニオ・ロペスの待望の日本初の個展。
初期の作品から最近の作品まで代表作約65点が展示されているそうです。

「さぞかし、ポスターの 《マリアの肖像》 のような超レアリズムの作品ばかりなんだろうなァ♪」

と、期待しすぎてしまったせいでしょうか、
会場冒頭の初期の作品コーナーで、少々肩すかしを凝らってしまいました。

「お、思ったよりフツーの絵だ・・・。」

いや、決して、下手な絵でも悪い絵でもないのです。
ただ、スペイン・リアリズムの巨匠の美術展と聞いて、
頭の中がそのイメージで固定されてしまっていただけに、
初期のシュルレアリスム的な作風の作品に激しく違和感を覚えてしまいました。
麦茶と思って飲んだら麺つゆだった・・・みたいな感じです (笑)


その後、お目当ての 《マリアの肖像》 と出合って、
溜飲は下がったのですが、そうそうモチベーションは上がりません。
そんなこんなで、惰性で歩を進めていたのですが、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-グラン・ビア


もう一つのポスターに使われている 《グラン・ビア》 が目に飛び込んできた途端、
一気に眠気 (?) が吹っ飛びました!!

「こんなにもリアルな風景画があっただなんて?!」

これまでにも、名だたる巨匠によるリアルな風景画の数々を目にしてきました。
絵の前に立つと、その絵の中に吸い込まれそうな感覚になる風景画や、
リアルに奥行きが感じられ、どこまでも絵の奥に世界が続いていそうな風景画には出会ったことはあります。
しかし、アントニオ・ロペスが描く風景画は、
その絵の前に立つと、絵の中に奥行きを感じられるのは当然として、
僕の横や後ろにも絵の世界が広がっているかのような印象を受けるのです。
これまで見た風景画が、普通の映画ならば、
アントニオ・ロペスの風景画は、サラウンドシステムを採用した映画のよう。
臨場感がハンパではありませんでした。


また、画像がなくて恐縮ですが、個人的なお気に入り作品は、
《バリェーカスの消防署の塔から見たマドリード》 という風景画。
大画面に、マドリードの風景がパノラマのように描かれているのですが。
この絵の最大の特徴は、普通の風景写真のような描き方でなく、
まるで魚眼レンズで見た光景かのように、画面の一部が大きく歪んている点にあります。
その歪み部分には、全く違和感を覚えず、
むしろ歪んでいることで、本当に自分の目で見ているかのような錯覚を覚えました。
風景画を観賞しているというよりも、
アントニオ・ロペスの目線でマドリードの風景を一望しているかのような。
こんなにも作家の目を、強く意識させられる風景画は他にはない気がします。

《グラン・ビア》 以降に登場した絵画は、
風景画にしろ、静物画にしろ、室内を描いた絵にしろ、どれも興味深いものばかり。
美術展の最後には、アントニオ・ロペスが、
特に近年になって制作しているという彫刻作品が展示されており、
彼の芸術活動の幅広さを実感することが出来ました。


リアリズムはリアリズムなのですが、
さらに、その1歩も2歩も先に進んでいるアーティストだったように思います。
そのリアリスティックな姿勢が、男性にウケているのでしょうか。
いつになく男性のお客さんが多いのが印象的でした (もちろん女性客も多かったですが)
星星





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麗しの漆 ―蒔絵と螺鈿―

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白金台の閑静な住宅街に、突如として現れるいかつい門。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-畠山記念館


この門の先に、畠山記念館はあります。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-畠山記念館


畠山記念館の建物自体は、そう大きくないですが、
国宝6件・重要文化財32件を含む約1300件の立派なコレクションを持つ私立美術館。
ちなみに、創立者は、株式会社荏原製作所を設立した畠山一清です。

畠山記念館は国宝も多く持っていますが、
それと同じくらいに (?)、多く持っているのが、茶室。
その庭園内に・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-茶室

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-茶室  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-茶室


「いくつあんねんビックリマークビックリマーク

と、ツッコみたくなるくらいに茶室があります。

しかも。

美術館の展示室内にも、四畳半の茶室があります。
美術館の設計は、畠山一清ご本人とのこと。
よっぽど茶室が好きな方だったのですねぇ (笑)


・・・・・ということもあって。
茶道や茶道具に関心ある人には、これ以上ないくらいにオススメの美術館。
そこまで関心が無い人には、そこまでオススメではない美術館です。
星


現在、そんな畠山記念館では、
春季展として、 “麗しの漆 ―蒔絵と螺鈿―” が開催中。

《藤扇面散蒔絵棗》 や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-藤扇面散蒔絵棗


尾形光琳作の 《紅葵花蒔絵硯箱》 といった・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-紅葵花蒔絵硯箱


蒔絵や螺鈿が施された漆芸品の名品が紹介されているコレクション展です。
この美術展の目玉は何と言っても、
期間中、1週間 (5/11~5/19) しか公開されない国宝の 《蝶螺鈿蒔絵手箱》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-蝶螺鈿蒔絵手箱


鎌倉時代最盛期を代表する優品なのだそうですが。
手箱一面にビッシリと夥しい数の蝶々の蒔絵が施されていて、なかなかにパンチが効いています。
しかも、金具の部分には、よりリアルな姿の蝶々が。
芋虫のような胴体も、リアルに再現されています。
虫が嫌いな人は、 「うげっ(=◇=;)」 となるかもしれません。ご注意のほどを。
ちなみに、今、黒く変色してしまっている部分は、もともとは銀色に輝いていたとのこと。
今の姿よりも、さらに派手派手していたのですね。
ともあれ、無視できない逸品であることは間違いありません。




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Welcome to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術

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「今、東南アジアが熱い!」

そんなことを、 『ガイアの夜明け』 だか、
『ワールドビジネスサテライト』 で耳にしました (←うろ覚えw) 。
その兆候は、経済界だけでなく、アート界でも見られるようで。
世界的に活躍する東南アジア出身のアーティストの登場や、
2006年からはシンガポール・ビエンナーレが始まるなど、常にホットな話題を提供しているようです。

そんな東南アジアの現代アートを一手に引き受けるのが、シンガポール美術館 (略称SAM)。
そのSAMコレクションの中から選りすぐりの作品を紹介しているのが、
横浜美術館の “Welcome to the Jungle 熱々!東南アジアの現代美術” という美術展です。
紹介されている作品は、25作家28点。

シンガポールのザイ・クーニンに、
マレーシアのアフマド・フアド・オスマンに、
タイのアラヤー・ラートチャムルーンスックに・・・・・って、
東南アジアの現代アート事情に通じてないので、ほとんどの出展作家の名前を知りません (泣)

でも、そんな僕のような方でも、ご安心を。
いや、むしろ、そんな僕のような方にこそオススメなのが、今回の美術展。

というのも、今回出展されているアーティストは、
最新の東南アジアのアート界を語る上で外せない方ばかり。
つまり、この美術展を1本観るだけで、
東南アジアのアート事情のツボを押さえられたも同然というわけです。
そういう意味でも、2つ星。
星星
鑑賞した貴方は、晴れて東南アジアのアート通です。


さてさて、嬉しいことに、今回の美術展は写真撮影が可能 (ただし、フラッシュ撮影は不可です)
僕が気に入った作品を、いくつかピックアップして紹介したいと思います。

まずは、フィリピンのスティーヴ・ティロナの作品から。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《イメルダ・コレクション#3》


《イメルダ・コレクション#1》 と名付けられたこの作品で、被写体を務めているのは、イメルダ夫人ご本人。
イメルダ夫人と言えば、靴。
この作品でも、靴が過剰なほどにキラキラしています (笑)
このような皮肉めいた作品を撮影するアーティストもアーティストですが。
このような皮肉めいた作品でモデルを務めたイメルダ夫人もイメルダ夫人です。
イメルダ夫人といい、デヴィ夫人といい、
東南アジアの大統領夫人は、バラエティ番組のようなノリがお好きなのですね。


続いて、中国系マレーシア人アーティストのチャン・ユンチアによる 《芭蕉の娘》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-芭蕉の娘


行方知れずとなった幼い息子を、
芭蕉の葉の下で待ち続ける母親の悲劇をコマ撮り漫画のように描いた作品です。
この作品の面白さは何と言っても、その支持体。
なんと、35個の蓮華に描かれているのです。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-芭蕉の娘


ちなみに、陶製の蓮華は、かつては裕福な人だけが使うことが許されたものなのだそうで、
この作品には、あくまで民族的なアイデンティティを象徴するものとして使用されています。
決して、奇を衒ったものではないので、誤解のなきように。


《芭蕉の娘》 のように、いかにも東南アジアっぽい作品もあれば、
リー・ウェンの 《世界標準社会》 のように、一見すると東南アジアっぽくない作品もありました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-世界標準社会


ちなみに、こちらは、シンガポール初のビデオ・インスタレーション作品とのこと。
・・・・・・・でも、どの辺が、ビデオ・インスタレーション??

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-世界標準社会


ビデオを見たい人は、こちらの白手を装着し、
デロデロ~ンとした (?) 白い筒状の布を引っ張って、中を覗き込むしかありません。
何とも不思議な観賞スタイルです。。。
そして、ビデオを観賞した後は、作品の一部であるアンケートに協力するのもお忘れなく。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アンケート


ちゃんとアンケートに答えると・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-世界標準社会


もれなくオリジナルバッヂが1個貰えちゃいます♪
お土産にいかがでしょうか。


最後に、一番気に入った作品をご紹介いたしましょう。
ポクロン・アナディンの 《無名の人》 というシリーズです。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-無名の人


被写体となっているのは、作者の友人や街行く通行人たち。
そんな無名の人を撮ったポートレイトなのですが、
彼らに丸い鏡を持って立ってもらうという、ただそれだけのことで、
シュルレアリスムっぽい不思議な世界観の作品に仕上がっています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-無名の人


シンプルなアイディアながら、不思議と惹きつけられるものがありました。
彼 (彼女?東南アジアの方の名前は、男女の区別がつけられませんw) の写真集を欲しいくらいお気に入り。


他にも、いろいろと紹介したい作品はあるのですが、長くなりそうなので割愛。
もっと 『熱々!』 なのを予想していましたが、
意外とクールで穏やかな作品の方が多かった気がします。
『熱々!』 というよりは、 『ぽかぽか!』 といったところ。

会場の最初で出会うナウィンさんの存在感に関しては、熱々で暑苦しいほどでしたが (笑)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ナウィン・ラワンチャイクン  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ナウィン・ラワンチャイクン




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4杯目 これが、レオナルド・ダ・ヴィンチ丼だ!

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俺は、今、モーレツに腹が立っている!
美術展の期間に合わせてレストランが提供する限定メニューってあるだろ?
あれは、何で、フレンチだとか、スイーツだとか、
女が喜ぶメニューばっかりなんだ?!
漢 [おとこ] が、そんなこじゃれたものを、食ってられるか!
漢なら、ガッツリと丼が食いたいんだ。
展覧会の期間に合わせて、アートな丼を誰か作ってくれ!
何、作らないだと?
なら、俺が作るしかないじゃないかっ!
そう。これが、漢のアート丼だ!



芸術家のイメージに合わせて、アートテラー・とに~がオリジナル丼を作る。
ただ、それだけの至ってシンプルな企画。
それが、 『漢のアート丼』 です。

その第4弾は、現在、東京都美術館で開催中の “レオナルド・ダ・ヴィンチ展” と勝手にコラボして。
レオナルド・ダ・ヴィンチ丼 (略して、レオナル丼) を作ってみようと思います。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ダ・ヴィンチ


レオナルド・ダ・ヴィンチは、言わずと知れた 「ルネサンスの天才」
イタリアが生んだ大巨匠です。
なので、今回は、イタリアンなテイストの丼を作ろうと思います。

まずは、フライパンでオリーブオイルを熱します。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-オリーブオイル


温まったら、キノコ (しめじ、エノキタケ、ブラウンマッシュルームなどお好みのもの) を投入。
火が通るまでキノコを炒め、塩コショウで味を整えます。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-キノコ


そこに、レトルトのハヤシライスのソースを投入します。
今回は、手軽にレトルトのハヤシライスを使用しましたが、
デミグラスソースを使った方が、より本格的な味わいになると思います。
(その場合は、牛肉や賽の目に切った玉ねぎを、キノコと一緒に炒めておきましょう)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-デミグラス


ソースが程よく煮詰まったら、仕上げに生クリームを入れます。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-生クリーム


クリーミーな味にしたかった・・・という理由もありますが、
生クリームを入れた最大の理由は、このソースの色を淡い茶色にするため。
僕の中でのレオナルド・ダ・ヴィンチのイメージは、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-モナ・リザ  《モナ・リザ》


アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ウィトルウィウス的人体図  《ウィトルウィウス的人体図》


“茶色” なイメージ。
そんなレオナルド・ダ・ヴィンチカラーを意識したソースに、
あらかじめ茹でて置いたペンネを入れて・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ペンネ


よ~く絡めれば、丼のメインは出来上がり。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ペンネ


そうこうしている間に、ご飯が炊きあがりました♪

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ご飯


ご飯も、茶色。
醤油とお酒を適量に入れて炊いただけのシンプルな茶飯です。
その茶飯の上に、先ほどのペンネを乗せましょう。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-レオナル丼


茶色on茶色のため、具とご飯の境界線がボヤ~ッとしています。
大丈夫です。失敗ではありません (笑)
もちろん、これは、意図してのこと。
レオナルド・ダ・ヴィンチが得意とした画法スフマートをイメージしたのです。
 
 スフマート・・・深み、ボリュームや形状の認識を造り出すため、色彩の透明な層を上塗りする絵画の技法。
         特に、色彩の移り変わりが認識できない程に僅かな色の混合を指す。
         レオナルド・ダ・ヴィンチが創始したとされる。



・・・と、これで完成ではありません。
一番、肝心なものを忘れていました (汗)
レオナルド・ダ・ヴィンチと言えば、万能の人。
ということで、万能ネギで、色味を加えて完成です (笑)

これが、漢のレオナルド・ダ・ヴィンチ丼です!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-レオナル丼


さて、そのお味は・・・

「ん!自分も、天才だひらめき電球

と、唸ってしまいました。
ペンネの食感が、意外とご飯にマッチしています。
ペンネを使ったことで食べごたえもアップ。
お昼にガッツリ食べたくなる味です。


皆様からの “つくれぽ” もお待ちしています (笑)



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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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現在募集中のアートツアーです。
アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画となっておりますので、どうぞお気軽にご参加くださいませ音譜
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。


6/8(土) 『たとえてわかる西洋美術史講座』 第3講:アイドル史で写実主義がわかる

「アートってよくわからない…」「敷居が高い…」

そんなイメージを覆す新感覚の美術史講座がアートカフェArt For Thoughtにて始まりました。
アイスクリームや少女マンガ、アイドル、オタク文化など、
一見美術史とは関係なさそうな身近なモノの歴史に 『たとえ』 ることにより、
驚くほど美術史の流れが掴めるという世界初の美術講座です。


・・・という体裁のアートテラーのネタライブです(笑)

おかげさまで大好評となる、このシリーズ。
第3弾の講義のテーマは、 『写実主義』 を取り上げます。

なんとなくわかっているようで、実はよくわかっていないのが写実主義。
それもそのはず、写実主義を本当の意味で理解するためには、
新古典主義とロマン主義という2つの主義を理解しておかねばなりません。

「・・・・・おいおい、また新たな “○○主義” が登場しちゃったよ (泣)」

と、匙を投げだしそうになった方でも、ご安心を!
今回の講義では、そんな3つの主義を、
アイドル史にたとえて、楽しくわかりやす~くお伝えいたします。

聖子ちゃんに、キョンキョンに、モー娘。に、AKB48に・・・etc
講義の中で、あなたの好きなアイドルが登場するかもしれません。
あなたの憧れだったアイドルと写実主義絵画との深~い関係とは?
ここでしか聴けないオリジナルな美術講義に、どうぞご期待くださいませ。


ちなみに、講義としては独立していますので、
これまでの講義に参加されていない方でも十分に楽しんで頂けるようになっております♪

 時間:14時~15時半
 料金:2500円 (ワンドリンク、小菓子付)

皆様のご受講を心よりお待ちしております。



6/16(日) 大東京お笑い建築ツアー【ペンさんの世田谷編】

「“建築”って何をどう観たらいいの?? 」

という全ての人にお送りする大東京お笑い建築ツアー
建築初心者の自分を筆頭に、建築家の方の話を伺いながら、
東京の色々な街を訪れ、 “建築” を皆でぶらぶらと楽しく観賞しようという企画ですアップ


これまでに、日本橋や表参道、銀座、代官山、台場…など、
様々な街をを舞台に、大東京お笑い建築ツアーを開催してきましたが。
今回の舞台となるのは・・・

『世田谷』


セレブでハイソな街というイメージが強い世田谷ですが。
講師の建築家・ペンさん曰く、

「路地が細い場所や一方通行の道も多かったり、意外と庶民的な部分も残っていますよ。」

とのこと。
そんな二つの顔を持つ世田谷ならではの名建築が、
続々登場する今回のツアーに、どうぞご期待くださいませ♪


時間は、13時から、およそ17時30分までを予定しています。
定員は、18名です。
参加費は、講師代をお支払いするため、お一人様1200円頂戴いたします。
(交通費、お茶代は各自負担です)

万が一、キャンセルなされる場合は、2日前までにお願いします。
もし、それ以降にキャンセルした場合、
定員が補充出来なかった時に限り、キャンセル料のご負担をお願いすると思います。
ともあれ、参加希望後のキャンセルは、ご遠慮頂ければ幸いです。


というわけで。
日本一楽しく、日本一わかりやすい『建築』のアートツアー!!
建築に興味を持ってみたいという方はもちろん、
建築は全然わかならないという方も、是非是非ご参加お待ちしていますキラキラ



6/22(土) ゆるゆるで行こう!

「アートは、心を揺さぶられるもの。」
「アートは、感性を刺激するもの。」


皆様は、アートに対して、なんとなくそのようなイメージを抱いていませんか?
確かに、心を揺さぶるアートや、感性を刺激するアートは、数多く存在します。
しかし、それらのアートとは真逆の (?) 、ゆる~いアートも、中にはあるのです。

そこで、今回のアートツアーでは、
僕が、ゆる~くチョイスした、ゆるゆるなアートが楽しめる美術展を、ゆる~く巡ります。

まずは、日本美術史に残る (いや、残らない?!) 2大ゆるゆるアートを求めて、日本民藝館へ。
こちらでは、 “つきしま かるかや―素朴表現の絵巻と説話画” を観賞いたします。
素朴なタッチの絵を眺めて、ほのぼのといたしましょう。


続いて向かうのは、東京オペラシティアートギャラリー。
写真界きってのゆる写真家・梅佳代さんの初の個展 “梅佳代展 UMEKAYO” が開催中です。
日常のゆる~い光景を捉えた写真に、思わず頬がゆるむこと必至です。


時間は、だいたい13時から、だいたい17時まで。
途中で、お茶休憩を挟む・・・かもしれません。
人数は、12人くらいを予定しています。
参加費は、特にありませんので、入館料と交通費、お茶代をなんとなくご用意くださいませ。
(もし、お金が足りなくても、こちらでは負担しません。そこは、ゆるくないですw)



新たなツアー企画は、内容が決まり次第、随時こちらの記事を更新してお伝えいたします。


参加希望の方は、こちらのメールフォームよりお知らせください。
詳細をお知らせいたします。
http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm

貴婦人と一角獣展

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アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-貴婦人と一角獣展


今回ご紹介させて頂くのは、
国立新美術館で開催中の “貴婦人と一角獣展” という美術展。
おそらく、2013年度もっとも見逃せない美術展は、この美術展でしょう。
(↑2013年度は、あと10ヶ月も残っているのに!)
自信を持って、3ツ星です。
星星星


とにもかくにも、 《貴婦人と一角獣》 が、来日したということが奇跡的すぎます!!

《貴婦人と一角獣》 とは、中世ヨーロッパ美術の最高傑作と称される6点セットのタピスリーです。
その6点のうち5点は、人間の五感をテーマにしており、以下のような図案になっています。

・貴婦人が一角獣の角を触っている 「触覚」

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-触覚


 ・貴婦人が肩に乗ったオウムに餌を与えている 「味覚」

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-味覚


 ・貴婦人が花の香りを嗅ぎながら (?) 花冠を編んでいる 「嗅覚」

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-嗅覚


 ・貴婦人のオルガン演奏に一角獣が耳を傾けている 「聴覚」

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-聴覚


 ・貴婦人が手に持った鏡を一角獣が覗き込んでいる 「視覚」

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-視覚


そして、6点のうちの残りの1点は、
唯一画面の中に 「我が唯一つの望みに」 という文字が書き込まれた謎多きタピスリー。
第六感を表しているとも、愛を表しているとも、諸説はさまざまなのだとか。

  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-我が唯一つの望みに


今回の美術展には、奇跡的にも、この6点がすべて来日!
しかも、このタピスリーが、奇跡的にもフランス国外に貸し出されるのは、なんと今回が2回目!!
約130年前に、フランス国立クリュニー中世美術館に所蔵されて以来、
過去にフランス国外に貸し出されたのは、メトロポリタン美術館1館だけだったのです。

間違いなく、こんな奇跡的な機会は、もう二度とありません。
この機会を逃したら、もう日本で 《貴婦人と一角獣》 に出合える可能性はないでしょう。
「じゃあ、いつ行くか?今でしょ!」 というわけです (←これが言いたかったw)


というわけで、僕も、 「今でしょ!」 とばかりに、
ドヤ顔で(?)、国立新美術館に足を運んできたわけなのですが。
会場に入って間もなく、不意打ちのように広がる 《貴婦人と一角獣》 の展示空間に、思わず息を呑みました。

「・・・・・・・・。」 (←無表情で驚いている)

人は、あまりに感動すると、表情がスッと消えるようです。
ドヤ顔なんかしている余裕はありません。

それぞれが、約3メートル四方もある 《貴婦人と一角獣》
実質的なスケール感も当然あったのでしょうが、
それ以上に、 《貴婦人と一角獣》 そのものが放つオーラが圧倒的過ぎて、
たった6点のタピスリーが展示されているだけでも、とてつもなく贅沢で濃い展示空間に感じられます。
また、いつもは殺風景な国立新美術館の展示室が、
《貴婦人と一角獣》 の存在感によって、まるでヨーロッパの古城の大広間のように感じられました。
こんなにも場の空気を一変させてしまうタピスリーがあったのですね。。。
さすが、フランスの至宝です。

もちろん、その空間を楽しむために、会場全体を俯瞰して見るのも一つのポイントなのですが。
《貴婦人と一角獣》は、ただ大きいだけの大味なタピスリーに非ず。
近づいて見てみれば見るほど、
とても丁寧な仕事がなされた繊細な表現のタピスリーであることがわかります。
離れて観てみたり、近づいて観てみたり、
そうこう繰り返すだけで、ゆうに1時間は楽しめました。


1時間も観賞していたので、いろいろと思うことはあったのですが。
とりあえず一番気になったのは、
《貴婦人と一角獣》 と呼ばれながらも、どのタペスリーにもライオンが登場しています。
存在を無視されているライオン君が、何ともいじらしいので、いっぱい注目してあげてください。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ライオン  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ライオン


それと、もう一つ気になったのが、 「視覚」 の貴婦人だけ、やけに疲れてない??” ということ (笑)
他の貴婦人は、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-貴婦人


↑このように、美しい貴婦人なのですが。
「視覚」 の貴婦人だけは・・・。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-貴婦人


なんという肌のたるみ!なんというほうれい線!!

この貴婦人だけ、肌にいい化粧品の使用前の写真みたいな感じです (笑)
「視覚」 だけには、他の5点と違って、
一角獣やライオン、ウサギや猿以外に、どうやら “クマ” もいるようです。



ちなみに。
《貴婦人と一角獣》 の話に終始しましたが、
会場では他に、国立クリュニー中世美術館のコレクションが約40点ほど紹介されています。
こちらも、どうぞ併せてお楽しみくださいませ。




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フランシス・ベーコン展

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日本初。
さらには、アジアでも初となるフランシス・ベーコンの回顧展に、滑り込みで行ってきましたあせる
“フランシス・ベーコン展” は、東京国立近代美術館にて5月26日まで。
あと一週間を切ってますので、まだ行かれていない方は、要チェックです。

フランシス・ベーコン。
名前だけ聞くと、大変美味しそうなイメージが浮かびますが。
実際の彼の作風は、その真逆 (←?)

《人物像習作Ⅱ》 にしても、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-人物像習作Ⅱ 1945-46年 ハダースフィールド美術館蔵
Kirkless Collection, Presented to Batley Art Gallery by the Contemporary Art Society, 1952 
ⓒ The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2012 Z0012



《叫ぶ教皇の頭部のための習作》 にしても、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《叫ぶ教皇の頭部のための習作》  1952年 イエール・ブリティッシュ・アート・センター蔵
Gift of Beekman C. and Margaret H. Cannon ⓒ The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2012 Z0012



《ジョージ・ダイアの三習作》 にしても。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ジョージ・ダイアの三習作 1969年 ルイジアナ近代美術館蔵
Donation: The New Carlsberg Foundation ⓒ The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2012Z0012



禍々しいこと、この上なしの作風です。
一度目にしたなら、しばらく脳裏にこびりつくこと必至。
当面の間は、食欲が減退するやもしれません (笑)

おそらく、ベーコンの作品を初めて目にした方の中には、

「うわぁ・・・・・(((((((;゚;Д;゚;ノ)ノ」

と、ドン引きしている人もいらっしゃることでしょうが。
こういう作風の絵ながらも愛好家は多く、
2008年のオークションでは、彼の絵が8620万ドル (約90億2000万円) で落札されたのだとか。


ちなみに、僕個人も、ベーコンの作品は嫌いではありません。
正直、最初にベーコンの絵を見た時は、

「うわぁ・・・・・(((((((;゚;Д;゚;ノ)ノ」

と引いてしまったのですが。
何度か目にするたびに、嫌悪感は薄れていき、
今ではすっかり、ベーコンの世界観がクセになっています (=“好き”というのとは、ちょっと違う)

暴力性や衝動性を強く連想する一方で、
画面全体には、深淵で哲学的な雰囲気も漂っています。
そのアンビバレンスさこそが、ベーコン作品の最大の魅力。
なんとも絶妙な緊張状態が、そこにはあるような気がします。
また、画面は決して無音ではなく、どこかノイズのような音を感じます。
暴力性、哲学的、ノイズ。
この3つのキーワードに思い至った時、
自分の中で、はたと膝を打つものがありました。

「あ、だから、自分は、ベーコンの作品に惹かれるんだひらめき電球




フランシス・ベーコンの世界観は、
僕が高校時代にどハマりした椎名林檎の世界観に、どことなく通じている気がしたのです。
絵と音楽という表現は違えど、
その作品が、心にダイレクトに訴えてくるところも似ていますし、
作品全体に漂う独特の艶めかしさのようなものも共通している気がします。

そして、実は、今回のフランシス・ベーコン展で、
さらなる椎名林檎との共通点を発見してしまいました。




『本能』 のPVでは、ガラスがとても重要な要素になっています。
フランシス・ベーコンの作品もまた然り。
ほとんどの作品が、ガラス+金縁の額という額装になっていました。
ベーコンは、絵と見る者の間に、
あえてガラス板を置くことによって、なるべく両者の間に距離を取りたかったのだとか。
「それを踏まえた展示なので、ガラス板が入っていて見え辛いですが、
何卒ご容赦ください」 的なキャプションが、会場では何度も登場していました。
あまりに何度も登場するので、 「いや、一回で十分ですよ。」 と言いたくなったほどです (笑)


確実に、人によって好き嫌いが分かれる美術展だと思います。
そして、どちらかと言えば、嫌い寄りの美術展なのでしょう。
が、しかし、フランシス・ベーコンの作品を見ておくことは、
今後の美術館賞をする上での血となり肉となることは確実だと思います。
そういう意味でも、2ツ星。
星星



ちなみに。
個人的に一番印象に残ったのは、
ベーコンによる最後の三幅対である ニューヨーク近代美術館蔵の 《三幅対》 です。
(ベーコンは、よく三幅対の作品を制作していました)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-三幅対 Digital Image © 2012 The Museum of Modern Art/Scala,
Florence © The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2013 Z0012



向かって右に描かれているのが、フランシス・ベーコン本人。
そして、向かって左に描かれているのは、
諸説あるそうなのですが、なんとアイルトン・セナかもしれないのだとか。
この作品が発表された数年後に、
セナが事故に遭ったのかと思うと、ちょっと背筋がヒヤッとしました。




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空想の建築―ピラネージから野又穫へ―

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町田市立国際版画美術館で開催中の “空想の建築―ピラネージから野又穫へ―” へ行ってきました。

こちらは、文字通り、 「空想の建築」 をテーマにした美術展です。
一口に、 「空想の建築」 と言っても。
今は無き古代エジプトの風景を空想して復元したものや、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-テーベのカルナック宮殿  《テーベのカルナック宮殿(『<エジプト誌>古代篇』より)》 
1812年刊 エッチング 町田市立国際版画美術館


聖書や物語といった空想の世界に登場する建築を描いたもの、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-失楽園 ジョン・マーティン 《『失楽園』より「万魔殿の出現」》
1824年 メゾチント 町田市立国際版画美術館
 

現実の風景を、さらに夢幻的に描いたもの・・・などなど、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-マンハッタン南端部  ハワード・N・クック 《マンハッタン南端部》
1930年 リトグラフ 町田市立国際版画美術館


そのテイストは、さまざま。
美術展では、実に多種多様な 「空想の建築」 が紹介されています。
今回紹介されている数多くの空想建築家 (?) の中で、
個人的にお目当てだったのが、現代の空想建築家・野又穫さん。
デビューから一貫して 「空想の建築」 のみを描き続ける生粋の空想建築家です。

ちなみに、伊坂幸太郎さんの 『モダンタイムス』 や、

モダンタイムス(上) (講談社文庫)/講談社

¥590
Amazon.co.jp


石田衣良さんの 『ブルータワー』 の装丁に使われているのが、野又穫さんの作品。

ブルータワー (徳間文庫)/徳間書店

¥800
Amazon.co.jp


「こんな建物は、現実には無いよね。」

と判っていながらもに、心のどこかで、

「いや、でも、どこかで、こんな建築を見たような・・・吉祥寺だっけ?」

と、デジャヴのようなものを感じずにはいられない。
そんな特異な空想建築が描かれた野又さんの作品は、
静かな世界観ながらも、一度目にしたなら決して忘れることのできないインパクトがあります。
僕も、かつて東京オペラシティアートギャラリーで、
彼の作品を目にして以来、野又ワールドの虜になった一人なのですが。
おそらく今回の美術展を企画した方も、そんな野又ワールドの虜になった一人かと思われます。
というのも、

「まぁ、野又さんの作品が、2~3点あるだけでも観ておきたいなぁ♪」

くらいの軽い気持ちで美術展を訪れたところ、
展示されていたのは、2~3点どころか、その十倍以上の35点!
第2企画展示室が、まるまる野又穫さんの個展状態だったのです!!

しかも!

展示されているのは、 《遠景-3/Skyglow-H3》 に、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-遠景-3 Skyglow-H3 2008年 アクリル、キャンバス 群馬県立近代美術館寄託


《光景-1/Skyglow-V1》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-光景-1/Skyglow-V1」  2008年 アクリル、キャンバス 作家蔵


さらには、 『モダンタイムス』 や、
『ブルータワー』 の表紙を飾った絵の実物に・・・と、野又さんの代表作ばかり。
もちろん版画作品ではなく、すべてキャンバス作品です。
ここまで堂々と大々的に展示されていると、

「・・・・・・・あれ、ここって、町田市立国際版画美術館だよね?」

という、当たり前のツッコミが、会場では浮かびませんでした (笑)
(家に帰って、美術展を思い返してから、ようやくそのことに気づきましたw)

これは、もはや完全に野又穫祭り (笑)
確実に、この美術展の企画者の推しメンは、野又穫さんです。
野又さんのファンには、たまらない濃密な空間でした。
野又さんの作品を未見の人は、きっとこの濃密な空間を体験して野又ファンになるはず。

「空想建築を描く画家が好きです。
でも、野又穫さんのほうがもっと好きです。」
な美術展・・・という印象もあるでしょうが。
野又穫さんの作品なくして、 「空想の建築」 をテーマにした美術展は成立しなかったでしょうし。
さまざまな空想建築を描く画家たちが紹介されていたからこそ、野又穫さんの作品も引き立ったのでしょうし。
なんとも絶妙なバランスの上に成り立っていた美術展だったように思います。
星星



ちなみに、僕のお目当ては、野又穫さんでしたが。
今回の美術展で初めて知ったコイズミアヤさんの作品にも、かなり心を惹かれました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-未知の信仰のための空の器 《未知の信仰のための空の器_meditation》 1998年 作家蔵


回廊のような不思議な建築が、小さな箱の中に収められています。
コイズミアヤさんの作品の世界観にも、
一度目にしたなら決して忘れることのできない静かなインパクトがありました。

野又穫さんの作品に、コイズミアヤさんの作品に。
この美術展で受けた静かなインパクトが、鑑賞から数日経った今でも、ジワジワ効いています。




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盲人を治すという奇跡。

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インタビュアー (以下:イ) 「放送席、放送席。
                今夜は、また新たな奇跡を起こしたキリストさんにお越し頂きました。
                カナの婚礼での奇跡に次ぐ奇跡、おめでとうございます。」

キリスト (以下:キ) 「ありがとうございます」

イ 「今回は、前回以上の奇跡だと思われますか?」

キ 「いえ。前回の奇跡も、今回の奇跡も、僕にとっては、同じくらいに重みのある奇跡です」

イ 「なるほど。
  さて、エリコの街を歩いている時に、
  いきなりバルティマイさんに声を掛けられて、率直に、どのように思われましたか?」

キ 「ぶっちゃけ、最初はビックリしました (笑)
  初対面なのに、 『ダビデの子イエスよ、わたしを憐れんでください!』 と叫ばれたわけですからね」

イ 「それは、ちょっとヒいちゃいますよね。
  そう言われて、キリストさんは、実際に憐れんだのですか?」

キ 「憐れんで欲しいということが、よくわからなかったので、
  『何をしてほしいのか?』 と、バルティマイさんに尋ねてみたのです」

イ 「すると、何と答えが返ってきたのですか?」

キ 「『先生、目が見えるようになりたいのです』 と言われました」

イ 「ということは、バルティマイという男性は・・・」

キ 「生まれつきの盲人だったようです」

イ 「そうだったのですね。で、キリストさんは、具体的には、どのように対応したのでしょう?
  まさか、ブラックジャックではないですから、治しようがないですよね」

キ 「そこが、まぁ、自分で言うのもなんなのですが、
  ちょちょいと触れただけで、彼の目が治ってしまったのです」

【本日のハイライトシーン】
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-盲人を治すキリスト(エリコの盲人)  ニコラ・プッサン作 《盲人を治すキリスト(エリコの盲人)》


イ 「ちょちょいと触れただけで?すぐ直ったのですか?!」

キ 「そうですね。すぐです。」

イ 「レーシック手術よりスゴいじゃないですか?!」

キ 「もし、今後、仕事に困ったら、視力回復センターでも開業します (笑)」

【本日のハイライトシーン】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-盲人を癒すキリスト  エル・グレコ作 《盲人を癒すキリスト》


イ 「それは是非楽しみにしていますよ。
  ・・・あ、でも、何か、見ようによっては、目薬を投与しているようにも見えますね。
  もしかして、奇跡でなくて目薬をさしただけだったりして (笑) ?」

キ 「・・・・・・・・。」

イ 「えっ?本当は、そうなのですか?

キ 「ちっ、違いますよ。奇跡ですよ。何を言ってるですか。アハハハハ」

イ 「そ、そうですよね。アハハハハ・・・い、以上、キリストさんでした!放送席へお返しします!」




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anzai expo 60 安齋肇 還暦博覧会

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ある時は、イラストレーター。
ある時は、アートディレクター。
また、ある時は、ナレーターであり、




そして、毎週金曜の深夜は (?) 、ソラミミストでもある・・・




安齋肇さんは、今年めでたく還暦を迎えるそうです。
それを記念して、パルコミュージアムにて、
“anzai expo 60 安齋肇 還暦博覧会” が、6月2日まで開催されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-anzai expo


イマイチ、どんな人物なのかわからない安齋肇さん (笑)
その人物像に迫るべく、今回の展覧会では、
還暦=60にちなんで、60のテーマで安齋さんが紹介されています。

・・・・・ただ。
「ホヤ」 のキャラクターを作ったり、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ホヤ


みうらじゅんさんと組んで、勝手に日本各地の観光ポスターを作ったり、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ポスター  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-富山


オカリナをコレクションしたり・・・と、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-オカリナ


その活動が、あまりに脈絡が無さ過ぎて。。。
むしろ、この展覧会を通じて、
さらに人物像がイマイチよくわからなくなったような気がします (笑)


ちなみに、おそらく最初で最後の安齋肇さんの博覧会ということで。
「えっ、こんなものまで?!」 と、驚くようなモノまで展示されています。
例えば、安齋肇さんが子供時代に描いた絵や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-子供


遅刻魔としてもお馴染みの安齋さんに関する関係者のアンケートに (笑) 、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アンケート


肖像画家をしている実の父・安斎知行さんの作品まで。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-安斎知行


「よくぞこれだけ濃密な安齋肇ワールドを作ったもんだ・・・」

というのが、率直な感想です。
安齋肇さんのファンにとっては、これ以上ないくらいに楽しい展覧会だと思います。

逆に、安齋さんのファンでもなんでもなければ、
「ふ~~~~~ん。で?」 となることは必至 (笑)
特に、一般ウケする展覧会ではなかったような気がします。
ということで、ほし(星なし) 。
手ぬぐいも、あげられません。



ちなみに。
いろいろと展示されている中で、
個人的にちょっと興奮してしまったのが、 『空耳アワー』 のジャンパー。
自信作の空耳を見つけたら、投稿してみようと思います。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ジャンパー


安齋肇さんのようになりたいと思ったことは1度もありませんが (←失礼!)
安齋肇さんのように、何一つ変わらないまま還暦を迎える人生って、相当に幸せだなぁとは思いました。
これからも、毎週金曜の深夜に安齋さんにお会いできるのを楽しみにしています。




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秘密の湖 ~浜口陽三・池内晶子・福田尚代・三宅沙織~

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銅版画家・浜口陽三の作品を紹介する個人美術館ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションでは、
現在、 “秘密の湖 ~浜口陽三・池内晶子・福田尚代・三宅沙織~” という美術展が開催されています。
こちらは、浜口陽三の銅版画作品と、
詩人の高橋睦郎さんが選んだ3人の現代アーティストの新作を組み合わせて紹介する美術展です。

僕の記憶が確かならば、
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで、現代作家の作品が紹介されるのは、はじめてのこと。
実のところを言いますと、

「浜口陽三の静謐な世界観と現代アートは、合わないんじゃないかなァ?」

と、不思議でならなかったのですがf^^;

高橋睦郎さんによる作家のチョイス、時代を経ても色褪せない浜口陽三の銅版画作品、
そして、もしかしたら浜口陽三の作品世界以上に静謐だった3人の現代アーティストの作品、
すべてが絶妙に共鳴し合って、全く違和感のない空間になっていました。
むしろ、この美術展を鑑賞してしまった今、

「どうして、これまで浜口陽三の静謐な世界観と現代アートを、合わせなかったのかなァ?」

と、不思議でなりません (笑)


ではでは、具体的に、どのような現代アーティストが紹介されていたのか。
その作品を紹介してまいりましょう。

まずは、2010年のVOCA賞を受賞した三宅沙織さん。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《Aの中の1と2》   《Aの中の1と2》  photo:表恒匡


今回の美術展では、彼女の代名詞ともいえるフォトグラム作品の新作が展示されています。
フォトグラムとは、カメラを使わずに、印画紙の上に直接物を乗せて感光させた作品のこと。
写真のようで写真でない (ベンベン) 。
コラージュのようでコラージュでない (ベンベン) 。
それは何かと尋ねれば・・・上手く答えられないですが (笑)
何はともあれ、実に不思議な味わいの作品でした。
モノクロなのに、色彩を感じるような。
さらには、ウエットで瑞々しさも感じるような。
鑑賞するというよりは、その不思議な味わいと体験する作品といった印象です。


続いて、本や文房具を素材にアート作品を紡ぎだす福田尚代さん。
見慣れたはずの本や文房具が、
福田尚代さんの手にかかると、見たことのないような作品に変わってしまいます。
この不思議な感覚は、逆デジャヴといったところでしょうか。

例えば、 《煙の骨》 と名付けられた、こちらの作品↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-煙の骨  photo:長塚秀人


何が素材になっているか、わかりますか?

正解は、色鉛筆の芯。
色鉛筆を彫刻しただけで・・・というと、だいぶ語弊がありますが、
こんなにも詩的で素敵なアート作品に生まれ変わるとは、誰が想像しましょうか。


もっと難易度が高いのが、 《書物の魂/はるかな島》 という作品。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《書物の魂》  photo:長塚秀人


こちらのモコモコしたものの正体は、なんと文庫本に付いているしおり紐。
しおり紐をほぐしてほぐしてほぐし続けると、このような姿になるのですね。
ワクワクさんもビックリです (←?)


個人的に一番気に入った福田さんの作品は、 《残像/漂着物》
(↑作品のタイトルも、イイですよね)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-漂着物  photo:長塚秀人


こちらの正体は、なんと消しゴム。
消しゴムの中央部をくり抜いて、フレームだけの姿にしています。
1個作るのも大変でしょうが、
「一体、いくつ作ったんだ?!」 と驚くほどの数が作られていました。
これだけの数を量産するとなると、アートというよりは、内職の域ではなかろうか (笑)
しかし、フレームだけの姿になることで、消しゴム感 (←?) は、全く感じられなくなるのですね。
今にも動き出しそうなポップで可愛らしい印象の作品でした。



最後に紹介するのは、糸を素材とするアーティスト・池内晶子さん。
薄暗い空間に幽かに浮かぶ 《Knotted Thread-Red-h86cm-φ22cm》 の姿は、実に幻想的。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-Knotted Thread-Red  photo:長塚秀人


思わず息を止めてしまうくらいに繊細な作品でした。
あまりに繊細過ぎて、しばらく見入っていたら、鳥肌が立ってしまったほどです。
浜口陽三の銅版画と池内晶子さんの赤い糸を使った立体作品と、
表現は全く違いながらも、どこか通ずるものがあって、
同じ館内で作品同士が共鳴し合っていたように思いました。



・・・と、静謐な世界観を持つアート作品が多く、派手さは感じられないのですが。
決して無味乾燥な美術展ではなく、心にスッと染み入るような美術展でした。
あの会場に漂う静謐な空気感が、あまりに素敵すぎて、
出来ることなら、人に教えずソッとしておきたかったくらい、とっておきの美術展だったのですが。
結局、我慢出来ずに、ブログで紹介してしまいました (笑)
星星




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池袋モンパルナス―歯ぎしりのユートピア

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東京芸術劇場にやって来ました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東京芸術劇場


・・・と言っても、演劇やコンサートを観賞しに来たわけではなく。
5階のギャラリー2にて開催されている・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ギャラリー2  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ギャラリー2


“池袋モンパルナス―歯ぎしりのユートピア” を観賞しに来ました。
こちらは、豊島区が主催する美術展で、
かつて池袋周辺に広がっていたアトリエ村、
通称池袋モンパルナスを代表する作家たちの作品を紹介した美術展です。
サブタイトルの 「歯ぎしりのユートピア」 とは、
画家の野見山暁治さんが、自身も住んでいた池袋モンパルナスについて、そう評したことに由来するもの。
一度聴いただけでも、なんだか耳に残るフレーズです。
ちなみに、入場料は、なんと無料!
もし行かなかったら、のちのち歯ぎしりするかもしれませんよ。
星


さてさて、今回の美術展では、高山良策や、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-池袋駅東口  《池袋駅東口》


寺田政明、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-発芽A  《発芽A》


長谷川利行、小熊秀雄・・・といった池袋モンパルナスの中心人物も、当然紹介されていましたが。
(↑AKB48でいうところの選抜メンバー)
出展作家の半分くらいは、その名を初めて耳にする作家ばかりでした。
(↑AKB48でいうところのアンダーガールズ)
いい意味で、池袋モンパルナスの層の厚さを実感できた美術展だったように思います。

個人的に、もっとも印象に残った池袋モンパルナスのアンダーガールズ (←?) の作品は、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-榑松正利


榑松正利の 《夢》 という一枚。
そのタイトルと色鮮やかな緑が特徴的な画面から、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-夢  《夢》


アンリ・ルソーの作品を、かなり意識したものと思われますが。
単なるパクリではなく、榑松正利という作家なりのオリジナリティも、確かに感じられます。
今から70年以上も前に描かれたとは思えない、不思議な瑞々しさがありました。
機会があれば、他の榑松正利作品も観てみたいものです。

他にも、掛川寛の 《夜》 や、大塚睦の 《蜉化》 など、 (作品画像は割愛します。あしからず)
新たな作家との出会いがあって、小規模な美術展ながらも、かなりの満足感を得られました。


ちなみに。
この美術展は、6月5日までですが。
5月29日までは、池袋駅を中心に、
“第8回 新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館” というアートイベントが開催中。
そのアートイベントの一環として、池袋西口エリアには、
越後妻有トリエンナーレでお馴染みの北川フラムさんがデイレクションした現代アートが展示されています。
東京芸術劇場の至るところに、現代アートが。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-西口  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-西口


さらに、池袋消防署やルミネ池袋、Echika池袋にも展示されています。
こちらも無料ですので、要チェックです。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-Echika  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-Echika




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東大下暗し?! ~本郷・谷中編vol.1~

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大東京お笑い建築ツアーの行程を、
誰にでも楽しんで頂けるように、 『もしもの日曜日の建築ツアー』 として提案する企画。

「もしも建築ツアーズ
 ~the architecture tour makes your Sunday Happy~」


これまでに、日本橋、六本木、銀座、代官山、多摩地区・・・と、
都内の様々な街・エリアを舞台に、建築ツアーを紹介してまいりましたが。
正直、

「もうそろそろネタ切れなんじゃね??」

と、思い始めていました (笑)

が!

実は、意外な場所に、都内でも屈指の建築スポットがあったのです。
それは、東京大学
東大下暗し・・・いや、灯台下暗し。
そこで、今回は、東京大学を中心に、本郷・谷中エリアを巡ります。


01 東京大学大講堂・安田記念講堂/内田祥三+岸田日出刀
東京都文京区本郷7-3-1

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-安田講堂


右矢印ここに注目!
 ○東京大学内の建築の多くを設計した内田祥三によるネオ・ゴシック様式の建築
  ⇒それらの東大建築を総称して、 「内田ゴシック」 と呼ばれる
 ○入り口上部の塔を強調することで、建物に威厳をつくりだしている

[とに~の呟き]
「東大と言えば、安田講堂。安田講堂と言えば、東大。
 威厳のある建物は、仰ぎ見るだけで、委縮させられるものがあります。
 “東大に入学できるほどの頭があればなぁ。。。” と自虐せずにはいられませんw」




02 東京大学本部庁舎・理学部校舎/丹下健三

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東京大学本部庁舎  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東京大学本部庁舎


右矢印ここに注目!
 ○東京大学で教鞭を執っていた丹下健三の唯一の東大建築
 ○地上12階建ての高層建造物は、完成当時は東大内で異色の存在だった
 ○4隅にタワーを建て、それぞれをブリッジで繋いでいる構造

[とに~の呟き]
「なんともごっつい建物でしたが、
 スーパーマリオの土管のような換気塔が、3本並んでいて、いいアクセントになっています。」




03 山上会館/前川國男

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-山上会館


右矢印ここに注目!
 ○前川國男の晩年期の作品の一つ
 ○東京都美術館など他の前川作品と共通する外装スタイルが用いられている

[とに~の呟き]
「東大のキャンパス内にひっそりとたたずんでいる孤高の建築。
 賑やかなキャンパス内で、この建築だけ落ち着き払った空気をまとっていました。」




04 御殿下記念館/芦原義信

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-御殿下記念館  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-御殿下記念館


右矢印ここに注目!
 ○東大の学生・教職員のための総合スポーツ施設
 ○施設のほとんどを地下に埋めており、周囲の景観に配慮した設計となっている

[とに~の呟き]
「外観からは想像がつかなかったですが、
 一歩中へ踏み入れると、そこはスポーツ施設でした。
 ・・・って、そこまで、スポーツ施設であることを隠す必要があるのでしょうかw」




05 東京大学工学部2号館新館/岸田省吾

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東大  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東京大学工学部2号館新館


右矢印ここに注目!
 ○歴史的建築である旧2号館を保存するために、その上を跨ぐような形で新館が増築されている
 ○新館は計8本の巨大な柱で支えられている

[とに~の呟き]
「ちょwそんなに無理するくらいなら、上に建てるなよwww
 
 ・・・とだけ言いたい。」




06 情報学環・福武ホール/安藤忠雄

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-情報学環・福武ホール  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-情報学環・福武ホール


右矢印ここに注目!
 ○奥行15m、長さ100mの細長い敷地に建てられた建築
 ○京都の三十三間堂をモチーフにしているらしい・・・
 ○横長のスリットが入った長~い壁には、 『考える壁』 という名が付いている

[とに~の呟き]
「『考える壁』 っていうネーミングセンスは、どうなんだろう?

 ・・・と、考える。」




07 東京大学法学系教育棟/槇文彦

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-東京大学法学系教育棟


右矢印ここに注目!
 ○ガラスの箱を思わせるシンプルな建築
 ○縦長の半透明ガラスが並ぶファサードのところどころに色ガラスが入っている

[とに~の呟き]
「とてもシンプルな建築なので、普通の街並みに建っていたら、目立たない気がしますが。
 内田ゴシックの建物が多い東大構内では、このシンプルさが、逆に目立っていました。」




08 ブーリアン(東京大学医学部教育研究棟 鉄門カフェ) /トラフ建築設計事務所

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ブーリアン アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ブーリアン


右矢印ここに注目!
 ○東大医学部の教育研究棟に設けられたカフェコーナー
 ○石やステンレスによる硬質な材料で覆われた場所に、木製のベンチ兼パーティションを設置
 ○室内に浮かんだ沢山の球体が木製のパーティションを切り取ったようなイメージ

[とに~の呟き]
「カフェスペースとしての使い勝手は、いまいちイメージが湧きませんが (笑)
 真面目な建物 (?) の一角に、ちょっと楽しげな空間があるのが面白いです。
 てか、ブーリアンって何?!」




・・・と、今回はここまで。
今回紹介した本郷キャンパスだけでなく、弥生キャンパスにも見逃せない建築が。
それは、また次回。
さらに、次回には、東大周辺の名建築も紹介いたします。




ちなみに。
「建築ツアーを、実際に体験してみた~い!」 という方へ。
6月は、16日と23日に 『世田谷編』 を開催します。
詳細や参加希望フォームは、こちらへ↓
http://ameblo.jp/artony/entry-11201204360.html
これまでに参加されたことがある方も、
初めての参加になるという方も、ぜひぜひご参加お待ちしております♪


「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展

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これまでに 『美女』 をテーマにした美術展は、数多く開催されているのでしょうが。
現在、弥生美術館では、 『悪女』 をテーマにした美術展が開催されています。
“「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展 -大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち- は、6月30日まで。

官能的な魅力によって男性を支配し、ついには破滅させる悪女。
美の追求のためなら殺人をも厭わない悪女。
そして、悪女というよりは、もはや妖怪。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-玉藻の前  橘小夢 《玉藻の前》


・・・などなど、日本の文学に登場した、実に様々な悪女の挿絵が紹介されています。
さしずめ、 「ドキッ!丸ごと挿絵!悪女だらけの美術展」 といったところでしょうか。
悪女に憧れる女子および悪女に苛められたい (?) Mっ気のある男子にオススメの美術展です。
星星


本物の悪女には、なるべく近づきたくない僕ですが (笑)
今回の悪女展に関しては、前に乗り出すように見入ってしまいました。
というのも、さすが出版美術に特化した美術館だけに、
おそらく弥生美術館でなければ発掘できないようなマニアックな挿絵画家が多数紹介されていました。
逆に言えば、今回の美術展が無ければ、
もしかしたら一生その名を聞くことがなかったかもしれない挿絵画家が多数紹介されています。

例えば、竹中英太郎 (1906~1988)。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-鬼火


「あなたの挿し絵は妖気に充ち充ちている」 と編集者に言わしめたとされる挿絵画家です。
確かに、妖気が充ち充ちていました。
一度目にしたら忘れられないインパクトがあります。


続いて、水島爾保布 (1884~1958)
“爾保布” と書いて、 “におう” と読みます。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-水島爾保布


そのモノクロの世界観は、まるでビアズリー。
和製ビアズリーです。


伊藤彦造 (1904~2004) も、今回の美術展で初めて知った人物の一人。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-南総里見八犬伝


『月刊劇漫スペシャル』 の表紙のような。
何とも劇画タッチのイラストを描く人物だなぁと思ったら、
挿絵画家でもありながら、伊藤一刀斉の末裔に生まれ、剣豪でもあった人物とのこと。
どうりで殺気のような凄味が絵に漂っているはずです。


他にも、まだまだマニアックな挿絵画家が紹介されていましたが。
(もちろん、小村雪岱や高畠華宵のように、知名度のある挿絵画家の作品も展示されています!)
極めつけとなるのが、月岡夕実なる挿絵画家。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-月岡夕美


生年も没年もわからず、出身地もわからない謎の挿絵画家なのだそうです。
挙句には、男か女かもわからないとのこと。
一体、何者??
仮に女だとしたなら、彼女ほどミステリアスな女性は、そうそういないことでしょう。
月岡夕実もまた悪女と言えそうです。




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夏目漱石の美術世界展

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J.M.W.ターナーに、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-金枝  《金枝》 1834年 テイト、ロンドン © Tate, London 2013


伊藤若冲に、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-梅と鶴   《梅と鶴》  江戸時代(18世紀)
(注:展示は、 6/11~7/7の期間です)


J.W.ウォーターハウスに、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-人魚  《人魚》 1900年 王立芸術院、ロンドン
© Royal Academy of Arts, London;Photographer: John Hammond


酒井抱一に、円山応挙に、黒田清輝に、ロセッティに・・・と、
東京藝術大学大学美術館で現在開催中の美術展に、超豪華な顔ぶれが勢ぞろいしています。


・・・・・が、いまいち彼らの共通項が、よくわかりません(;^_^A

皆さんは、何のくくりですか??

その答えは、全員、夏目漱石の作品と深い関係がある芸術家ということ。
例えば、代表作の 『坊つちゃん』 の文中には、

 「あの松を見たまえ、幹が真直で、上が傘のように開いてターナーの画にありそうだね」 と赤シャツが野だに云うと野だは 「全くターナーですね。どうもあの曲り具合ったらありませんね。ターナーそっくりですよ」と心得顔である。

という一節が登場。
確かに、ターナーの作品には、上が傘のように開いている松が描かれています。
『草枕』 の文中では、

 床にかかっている若冲の鶴の図が目につく。これは商売柄だけに、部屋に這入った時、すでに逸品と認めた。

という一節が登場し、
『三四郎』 では、 画集に登場するウォーターハウスの 《人魚》 の絵に惹かれた三四郎と美禰子が、
「人魚 (マーメイド)」 と二人でささやくシーンが描かれています。


・・・と、例を挙げればキリがないくらいに、
夏目漱石の小説は、美術と深~い関係があるのです。

「だったら、夏目漱石にまつわる美術作品、それも本物を、一堂に集めてしまおう!」

と開催されているのが、 “夏目漱石の美術世界展” という美術展。
「その発想はなかったわ」 と思わず膝を叩きたくなる斬新な企画です。
もちろん企画倒れになっておらず、内容も秀逸。

“むしろ、何で今まで、こういう美術展がなかったんだろう?”

と、不思議に思うくらい夏目漱石と美術との相性はバッチリでした。
星星
7月7日まで開催されています。


漱石よりも前の時代に活躍した芸術家の作品を小説に登場させるだけでなく、
『三四郎』 の中では、同時代の芸術家・黒田清輝をモデルにした人物を登場させるなど、
夏目漱石が、その小説でやっていることは、今でいうところのメディアミックス。
その概念がない時代に、小説世界に、積極的に美術という分野を取り入れたのは、まさに慧眼です。
改めて、夏目漱石の天才ぶりを実感した美術展だったと思います。


ただ、その天才ぶりに感じ入る一方で。
夏目漱石が批評した同時代の作家たちの作品も展示されているのですが。
その批評が、あまりに毒舌すぎて、夏目漱石という人物が、ちょっとイヤになります (笑)
井筒監督や有吉弘行以上に、毒舌。
愛のある毒舌でhなく、愛の感じられない毒舌です。
特に印象的だったのが、中村不折の 《巨人の蹟》 に対するコメント。
「巨人ではなく、単なる汚らしい男」 だと、一刀両断していました。
まぁ、確かに、そうなんですよね・・・ (苦笑)

ちなみに。
会場では、夏目漱石が描いた文人画も紹介されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-山上有山図  《山上有山図》 1912年 岩波書店


お世辞にも、あまり上手ではないと思っていたら・・・。
キャプションにも、そのようなことが書かれていました (笑)
自分が他人に対して行ったことは、必ず自分自身に返ってくるのですね。
夏目漱石を反面教師にして (←?) 、天に向かって唾を吐かないよう気をつけます。


他にも、橋口五葉による 《『吾輩ハ猫デアル』下編装幀画稿》 をはじめ、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-『吾輩ハ猫デアル』下編装幀画稿  1907年 鹿児島市立美術館


漱石の小説本の秀逸なブックデザインも紹介されていて、
実に、バラエティ豊かで、内容の充実した美術展になっていました。
漱石の小説をカバンに忍ばせて訪れたい美術展です。


最後に。
今回の美術展で強烈なインパクトがあった作品をご紹介。
B.リヴィエアーの 《ガダラの豚の奇跡》 です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ガダラ豚の奇跡  1883年 テイト、ロンドン © Tate, London 2013


数万匹もの黒豚の大群が追いかけてくるシーンが描かれています。
まるで悪夢です。。。
何をしたら、こんな状況を招いてしまうのでしょう。。。
ちなみに、この絵を観た漱石は、
『夢十夜』 の中に、豚の大群が追いかけてくる場面を登場させています。
夏目漱石にとっても、相当インパクトのあった絵なのですね。


<巡回情報>
7月13日(土)~8月25日(日) 静岡県立美術館





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せいかどう動物園 ―いきものをめぐるイマジネーション―

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静嘉堂文庫美術館で開催中の “せいかどう動物園 ―いきものをめぐるイマジネーション― へ行ってきました。

こちらは、静嘉堂文庫美術館のコレクションの中から、
動物をテーマにした美術品をセレクトして紹介する美術展です。


と、まぁ、その手の企画の美術展は、
これまでに他の美術館でも目にしたことがあるので、そこまで目新しさは感じなかったのですが。
美術展を観る前に、もれなく貰えるリーフレット。
その作り込まれたフロアマップ・・・もとい、園内マップに目を通した瞬間に、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-園内ガイド


「これは、絶対に楽しい美術展に違いないっっ!!!」 と直感。
そして、館内、いや園内にひとたび足を踏み入れた時に、その直感が正しかったことを確信しました。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-園内
(注:この記事に使用している写真は、特別に静嘉堂文庫さんより提供頂いたものです)


「めちゃめちゃ楽しい美術展なんですけどっっ!!!」

動物園のイメージということで、ガラスケースには、柵のパターンが!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-柵


さらに、キャプションも動物園に合わせて、
ちゃんと 『○○目××科△△属』 というところまで記載する徹底ぶり。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-狸


予想していたよりも遥かに、
静嘉堂文庫美術館は、せいかどう動物園へと変身を遂げていたのです。
落ち着きがあって真面目な普段の静嘉堂文庫美術館の印象とは違って、
今回の美術展は、かなりはっちゃけていた印象でしたが (笑)
ここまでやりきったからこそ、とても楽しい美術展が完成したのだと思います。
これまでに見た、どの 「動物をテーマにした美術展」 よりも、楽しかったです♪
星星
笑顔になること請け合いの美術展。


ではでは、具体的に、
このせいかどう動物園には、どんな動物たちがいるのでしょうか?

リアルな姿の動物から、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《青備前枯木に鳩置物》  《青備前枯木に鳩置物》


デフォルメされた動物、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《黄瀬戸狸香炉》  《黄瀬戸狸香炉》


さらには、架空の動物まで。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《木彫河童根付》  《木彫河童根付》


その姿や種類は、千差万別。
そこら辺の動物園よりも、珍しい種類の動物たちの姿を、目にすることが出来ます (笑)


普通の動物園と、唯一違うのは (?) 、小さな動物が、たくさんいること。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミニチュア  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ミニ動物園


その姿を、よ~く見るためには、単眼鏡があった方がベストな気がしました。
ちなみに、自分が一番気に入った小さな美術品は、こちらの 《黒檀彫貝に楼閣根付》 という根付。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-《黒檀彫貝に楼閣根付》


小さな貝の中に、さらに小さな楼閣の姿が!
(蜃気楼は、大ハマグリが気を吐いて楼閣を作り出したものという伝説に基づくものと思われます)
その超絶技巧ぶりに、思わず目が釘付けとなってしまいました。
驚愕必至の根付です。


貝と言えば、もう一点。
野々村仁清作の 《色絵法螺貝香炉》 も印象的でした。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-色絵法螺貝香炉


フォルムはリアルながらも、カラーリングは、野々村仁清らしい品のある彩色。
オブジェとして家に飾りたい、不思議な愛らしさがありました。


他にも、まだまだまだまだ紹介したい動物たちがいるのですが。
長くなりそうなので自重しますf^^;
話すと尽きないくらいに楽しい美術展でした。

なお、今回出展されている美術品は、
静嘉堂文庫美術館でも、かなり珍しいものが多いとのこと。
普段は展示しないような美術品を、この機会に紹介しているのだそうです。
それらの中には、30年ぶりに展示されているものもあるのだとか。
例年より早く梅雨入りしてしまっただけに、
雨の心配がない動物園で過ごしてみてはいかがでしょうか?




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東大下暗し?! ~本郷・谷中編vol.2~

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丹下健三、前川國男、安藤忠雄、槇文彦、芦原義信・・・と、
建築界の巨匠たちの建築が、ギュッと詰まった東京大学のキャンパス内。
「これを観ないわけにはいかないっ!」 とお届けしている 『本郷・谷中編』 の建築ツアー。
vol.1に引き続き、vol.2のスタートです!


09 東京大学弥生講堂・一条ホール/香山壽夫
東京都文京区弥生1-1-1

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-弥生講堂


右矢印ここに注目!
 ○木質構造の架構をガラスで囲い込んだ地上2階建ての建築
 ○岩手県遠野の天然ベニカラマツが使用されている
 ○内部の木の角柱が、林立する林をイメージしている

[とに~の呟き]
「東大農学部キャンパスは、本郷キャンパスよりもひっそりとした感じでした。
 で、この建物は、さらにひっそりとした感じでした。」




10 東京大学弥生講堂アネックス/河野泰治

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アネックス


右矢印ここに注目!
 ○木造HPシェル (双曲放物面) が特徴的な建築
 ○国産木材を多用する事で、国産木材利用の活性化のシンボル的な役割を果たしている

[とに~の呟き]
「なかなかインパクトのある外観の建物なのですが。
 いかんせん静かなキャンパス内、それも影になるような場所に建っているので、存在感が薄い。
 『Baby boy わたしはここにいるよ どこもいかずに待ってるよ』 と、
 建物が言っているような気がする。」



<東大キャンパス以外>

11 国立近現代建築資料館
東京都文京区湯島4-6-15

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-国立近現代建築資料館


右矢印ここに注目!
 ○近現代の建築図面や模型等の資料の劣化、散逸、海外流出等を防ぐこと等を目的に設立された
 ○文化庁所属の湯島地方合同庁舎を改装し、今年5月にオープン
 ○安藤忠雄さんが名誉館長を務める

[とに~の呟き]
「ここを観覧するためには、隣接する岩崎邸の入園料を支払わねばなりません。
 なんか腑に落ちない・・・ (笑)」




12 谷中テラス/ヨコミゾマコト+照内創
東京都台東区

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-谷中テラス


右矢印ここに注目!
 ○谷中という土地柄が好きな入居希望者が集まって完成したコーポラティブハウス
 ○他のコーポラティブハウス以上に (?) 、施主さんが要望出来る自由度は高い
 ○L字型の敷地に、2棟の建物が建っている (=敷地内に、あえて路地を作るため)

[とに~の呟き]
「建築ツアーを開始して、早5年弱。
 ついに、講師の建築家soさんが携わった作品を観る機会に恵まれました♪」




13 カヤバ珈琲/永山祐子

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-カヤバ珈琲


右矢印ここに注目!
 ○外観はほとんど手を付けず、内部を全面的に改装
 ○天井は黒い天板が貼られ、一部が2階事務所からのトップライトになっている

[とに~の呟き]
「改装されていることに気づかないくらいに、レトロな空気が漂う喫茶店。
 確かに、言われてみると、ところどころにモダンな演出がなされている気がします。
 気がする程度ですが。」



というわけで、今回の建築ツアーは、これにてフィニッシュ。
カヤバ珈琲、コーヒーをゆったり飲んで、足の疲れを癒してみては?



ちなみに。
「建築ツアーを、実際に体験してみた~い!」 という方へ。
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