レオナルド・ダ・ヴィンチ作 《モナ・リザ》。
名画の中の名画、まさにking of 名画です。
おそらく 《モナ・リザ》 ほど、多くの人々に知られた絵画はないでしょう。
美術に全く興味がないという人でさえ、 《モナ・リザ》 の絵は必ずどこかで目にしたことがあるはずです。
また、 《モナ・リザ》 ほど、
デュシャンやダリ、ウォーホルなど様々な芸術家たちによって、リメイクされた絵画もありません。
ところがです。
《モナ・リザ》 ほど、人々にちゃんと鑑賞されない絵画もありません。
たくさん見る機会があるだけに、逆に、あえてじっくり観ることがないのではないでしょうか。
えっ?そんなことはない?
いえいえ、それが、そんなことあるのです。
2005年の秋。
『クイズ ミリオネア』 にて、こんな問題が出題されました。
名画 《モナ・リザ》 の背景に描かれているものは、次のどれ?
A.舟 B.橋 C.鳥 D.滝
これは、なんと1000万円の問題。
“《モナ・リザ》 なんて、何度も見たことあるわ(笑)!”
とタカを括っていたのですが、改めて思い出してみようとすると、これが意外と難しい。
おりしも、小説 『ダビンチ・コード』 がベストセラーになっていた時期で、
書店にはダビンチ関連本コーナーが必ず設けられていたというのに。
「うーん、舟が浮かんでいたような・・・」
さて、皆様は正解がおわかりになりましたでしょうか?
正解は、Bの橋。舟を選んだ僕は、不正解。
舟が浮かんでいたような気がしたのですが・・・気がしただけでした。
と、まぁ、何を言いたいのかと言いますと、
人は名画と言われている絵ほど、きちんと見ないものだということ。
何となく見ただけでも、ちゃんと観賞した気になってしまうのですね。
そこでです。もう一度、名画を改めて、ちゃんと観賞してみようというのがこの企画。
まっさらな気持ちで。
初対面のつもりで。
ダメ出しするくらいのつもりで。
名画と向き合ってみましょう。
すると、見えてくるはずです。
名画の新たな一面が。
その生まれ変わった姿こそが、 『リ・名画』 なのです!
かなり前置きが長~くなりましたが、前置きが長くなるのは初回の常。
次回からは、もっとサクサク始まりますので、ご容赦くださいませ。
と、そんなことを語りながらも、
僕はすでに数分にもわたって 《モナ・リザ》 を見つめております。
長いこと、 《モナ・リザ》 と見つめ合っていますと、ジワジワと、彼女の姿が怖くなってきました・・・。
もはや、 “こっちみんな!” というレベルです。
何と言っても、この笑い方!
“モナリザ・スマイル” と言えば、聞こえはいいですが、
僕には何か怖いことを企んでいるように思えてなりません。
夜中に一人で観ているので、余計に怖い!
お昼に見れば良かったです。
それでも、勇気を振り絞って 《モナ・リザ》 を見つめ続けていると、
僕の脳内で勝手にショートストーリーが再生され始めました。
ある日、街を歩いていると、背後に感じる気配。
振り向くと、そこには、電柱の陰に微笑を浮かべたモナ・リザが・・・。
怖いっす(>_<)
また、ある時には。
数回にわたる無言電話に対して、ついには 「いい加減にしろ!誰だ!!」 と声を荒げる男。
しかし、受話器からは、 「フフフフフフ…」 という低音の笑い声しか聞こえません。
「もう止めてくれ(涙)!!」 という男の声を、受話器越しに聞いて一人微笑を浮かべるモナ・リザ。
怖い!怖すぎるよ(((゜д゜;)))
またまた、ある時には。
前日から降り続ける雨。
ふと嫌な予感がして、カーテンを開け、2階の窓から階下を見下ろすと、
そこには傘もささず、びしょ濡れで、こちらの部屋を見つめ続けているモナ・リザの姿が・・・。
怖っ!モナ・リザさん、もう許して下さい!!
もうこれ以上、絵を見続けるのは止めにします。
精神的によろしくないです。
今までの人がどうだったのかは知りませんが、
僕の中で、今、はっきりとモナ・リザは恐怖の対象へとなりました。
その怖さは、もはや映画 『リング』 の貞子に匹敵するほどです。
そうそう、貞子と言えば。
ネットの世界では、 “貞子たん” という萌えキャラになって人気がアップしたのだとか。
そんな “貞子たん” を初めて見た時、
人間はこうやって恐怖を克服するのだなぁと、僕は感動すら覚えました。
ということは、モナ・リザも同じようにキャラにしてしまえば、怖くなくなるわけで・・・あっ!
そこで、気がつきました。
デュシャンやダリ、ウォーホルが、 《モナ・リザ》 をリメイクした本当の理由って・・・。
もしかすると、もしかするかもしれませんね。
そんなことを、一晩考えていたら、すっかり日が昇ってきてしまいました。
お日さまが笑ってる。
モナ・リザも笑ってる。
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Lot 1 レオナルド・ダ・ヴィンチ作《モナ・リザ》
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