千葉市美術館で開催中の “光琳を慕う―中村芳中” に行ってきました。
こちらは、関東では初となる中村芳中 (?~1819) をフィーチャーした展覧会です。
中村芳中と言えば、たらし込み。
たらし込みと言えば、中村芳中。
というくらいに、とにかく、たらし込みを多用した絵師です。
(たらし込み:色を塗って乾かないうちに他の色を垂らし、にじみの効果を生かす画法)
中村芳中が慕ったとされる尾形光琳も、たらし込みを絵に取り入れていますが。
芳中は、その比ではありません。
むやみやたらに、たらし込みを取り入れているのです (笑)
例えば、 《白梅図》 。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
たらし込みすぎて、幹が、もはや迷彩柄みたくなってしまっています。
この絵だったら、まだデフォルメというレベルで受け止められますが、 《雑画巻》 を観てみると・・・
鶴の体や仙人の衣服までもが、たらし込み。
何かを表現したいから、たらし込みという技法を取り入れているのではなく。
ただ単に、たらし込みをしたいから、たらし込みしているという感じがします。
そんな中村芳中の作品を、何点も観ていると、
だんだんと、たらし込みっぷりがクセになってきます。
むしろたらし込みが少ないと、
「もっと、たらし込めよ!」
と、中村芳中にツッコみたくなる始末。
いつしか、中村芳中のたらし込みに、誑し込まれていました。
さてさて、何でもかんでもたらし込みという姿勢からもわかるように、中村芳中は、かなりゆるい人物。
それだけに、作品も、かなりゆるいテイストのものが多かったです。
ポスターに使われている 《白梅小禽図》 も、だいぶゆるいですが。
僕の一押しは、前期 (4/20まで) に展示されている 《鹿図》 。
このおバカな表情の鹿を見ていると、たいていの悩みは吹っ飛ぶ気がします (笑)
究極の脱力系絵画ですね。
また、同じく前期展示の 《若松翔鶴図》 も脱力系。
観ている側も、脱力ですが。
そもそも、描いている中村芳中が脱力してたのでは?
それくらいに、やる気の “や” の字も感じられない一枚です。
脱力系のゆるい作品のオンパレードではありますが、展覧会自体は手抜きされていないのでご安心を。
芳中の最大の作品 《許由巣父・蝦蟇鉄拐図屏風》 も展示されていますし、
芳中が刊行した版画集 『光琳画譜』 は何冊も展示することで、多数のページを紹介していますし、
芳中の作品だけでなく、琳派の作品や芳中以外の大阪の絵師たちの作品も紹介されています。
見応えは、十分すぎるほどでした。
琳派ファン、江戸絵画ファン、そして、ゆるキャラファンにもオススメな美術展です。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位)
皆様、下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
こちらは、関東では初となる中村芳中 (?~1819) をフィーチャーした展覧会です。
中村芳中と言えば、たらし込み。
たらし込みと言えば、中村芳中。
というくらいに、とにかく、たらし込みを多用した絵師です。
(たらし込み:色を塗って乾かないうちに他の色を垂らし、にじみの効果を生かす画法)
中村芳中が慕ったとされる尾形光琳も、たらし込みを絵に取り入れていますが。
芳中は、その比ではありません。
むやみやたらに、たらし込みを取り入れているのです (笑)
例えば、 《白梅図》 。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
たらし込みすぎて、幹が、もはや迷彩柄みたくなってしまっています。
この絵だったら、まだデフォルメというレベルで受け止められますが、 《雑画巻》 を観てみると・・・
鶴の体や仙人の衣服までもが、たらし込み。
何かを表現したいから、たらし込みという技法を取り入れているのではなく。
ただ単に、たらし込みをしたいから、たらし込みしているという感じがします。
そんな中村芳中の作品を、何点も観ていると、
だんだんと、たらし込みっぷりがクセになってきます。
むしろたらし込みが少ないと、
「もっと、たらし込めよ!」
と、中村芳中にツッコみたくなる始末。
いつしか、中村芳中のたらし込みに、誑し込まれていました。
さてさて、何でもかんでもたらし込みという姿勢からもわかるように、中村芳中は、かなりゆるい人物。
それだけに、作品も、かなりゆるいテイストのものが多かったです。
ポスターに使われている 《白梅小禽図》 も、だいぶゆるいですが。
僕の一押しは、前期 (4/20まで) に展示されている 《鹿図》 。
このおバカな表情の鹿を見ていると、たいていの悩みは吹っ飛ぶ気がします (笑)
究極の脱力系絵画ですね。
また、同じく前期展示の 《若松翔鶴図》 も脱力系。
観ている側も、脱力ですが。
そもそも、描いている中村芳中が脱力してたのでは?
それくらいに、やる気の “や” の字も感じられない一枚です。
脱力系のゆるい作品のオンパレードではありますが、展覧会自体は手抜きされていないのでご安心を。
芳中の最大の作品 《許由巣父・蝦蟇鉄拐図屏風》 も展示されていますし、
芳中が刊行した版画集 『光琳画譜』 は何冊も展示することで、多数のページを紹介していますし、
芳中の作品だけでなく、琳派の作品や芳中以外の大阪の絵師たちの作品も紹介されています。
見応えは、十分すぎるほどでした。
琳派ファン、江戸絵画ファン、そして、ゆるキャラファンにもオススメな美術展です。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位)
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