DIC川村記念美術館コレクションの中から、
これまで展示される機会の少なかった作品を、3期に渡って紹介する “コレクション・リコレクション” シリーズ。
その大トリを飾る “コレクション♡リコレクション VOL. 3 山口長男 コレクションは語る” に行ってきました。
まずは、日本の抽象絵画の先駆者といわれる山口長男 (1902~1983) の特集から。
会場では、山口長男の代表的な油彩画にくわえて、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
山口長男が絵付けした陶器の作品も紹介されていました。
引きで見るだけでは、あまり・・・というか、ほとんど良さがわからない作品でしたが。
近づいて観てみると、何とも言えない表情を絵肌から感じ取ることが出来ました。
寡黙だけど包容力があるとでも言いましょうか。
さすがに長男。
静かな山口長男特集とは対照的に、続く “コレクションは語る” 展は、とても賑やか。
展覧会のチラシ、収蔵品のカタログ、ギャラリートークや音声ガイド、
そして、作品の脇に添えられたキャプションなど、美術館に溢れる言葉たちに着目した展覧会です。
例えば、ブリジット・ライリーの 《朝の歌》 と、 『枕草子』の一節を対比させていたり。
画面にアルファベットや数字が描かれた作品を一堂に会していたり。
以前使われていたキャプションと現在のキャプションを並べ、変更した理由を紹介していたり。
とても興味深い内容の展覧会でした。
これらも十分に面白かったのですが、
最大のハイライトは、 「美術館の国のアリス」 と銘打たれたコーナーです。
壁に、ところどころ書かれているのは、
『不思議の国のアリス』 を下敷きにしたストーリー。
それらとDIC川村記念美術館コレクションを絶妙に結び付け、
「美術館の国のアリス」 というオリジナルなストーリーが展開されていました。
美術館のコレクションを使って、一つのオリジナルなストーリーを紡ぐ。
そのアイディアだけでも素晴らしいですが、力業で結びつけた感じが一切無く、
純粋にファンタジックなストーリーが成立していたことが、何より素晴らしかったです。
歩いて読んで体感する絵本といった印象でした。
いっそのこと、 「美術館の国のアリス」 をメインにした展覧会にした方が良かったのでは?
それくらいに、この 「美術館の国のアリス」 は、オススメ。
それを観るだけでも、DIC川村記念美術館に足を運ぶ価値アリです!
ちなみに、このファンタジックな物語世界では、
アン・アーノルドの 《ラム・タム》 は、チェシャ猫として登場していました。
木をイメージした展示台は、この展覧会のために作られたオリジナルとのこと。
学芸員さんの本気ぶりが伺えました。
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コレクション♡リコレクション VOL. 3 山口長男 コレクションは語る
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