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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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MOOMIN! ムーミン展

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今年2014年は、 『ムーミン』 シリーズの原作者トーベ・ヤンソンの生誕100年の節目の年。
それを記念して、日本最大規模となるムーミン展が、松屋銀座にて開催されています。

会場


その名も、 “MOOMIN! ムーミン展”
会期は、5月6日までです。

展示のメインは、フィンランドのタンペレ市立美術館とムーミン谷博物館が所蔵する約200点もの原画や習作。
そのうちの約150点が、日本初公開とのことでした。


さてさて、僕の中での 『ムーミン』 のイメージは、




完全にアニメでのムーミンの姿だったので。
初期の原画でのムーミンの姿に、軽くカルチャーショック!

ムーミン谷の彗星  《ムーミン谷の彗星》 挿絵


「ねえ、ムーミン。こっち向いて・・・・・あ、すいません。間違えました (汗)」

というのが、第一印象です。
しかし、見慣れてくるにつれ、段々と原画のムーミンの姿のほうが愛らしくなってきました。
むしろアニメのムーミンは、キャラクター感が強すぎて、ウソっぽいと言いますか。
原画のムーミンには、本当に、こんなキャラクターが存在しているかのような説得力、生命力があるのです。

正直なところ、 「まぁ、絵本の原画でしょ。」 と、軽くナメていたのですが。
トーベ・ヤンソンの描いた原画は、美術界の巨匠たちの素描と比べても遜色は無かった気がします。
純粋に、美術ファンとして、1つ1つの線に見入ってしまいました。
星星
デパートの催事としてでなく、美術館で開催すべきレベルだと思います。

・・・・・と思ったら、松屋銀座を皮切りに、

  2014年5月10日~6月8日   盛岡市・Nanak
  2014年6月14日~7月13日   米子市・米子市美術館
  2014年7月23日~8月4日   札幌市・丸井今井札幌本店
  2014年8月8日~9月6日    広島市・広島県立美術館
  2014年9月13日~10月26日  米沢市・米沢市上杉博物館
  2014年12月11日~12月25日  大阪市・あべのハルカス近鉄本店
  2015年1月2日~2月15日   宮崎市・みやざきアートセンター
  2015年3月20日~4月19日   岡山市・岡山県立美術館
  2015年4月25日~5月17日   名古屋市・松坂屋美術館


美術館を含む9会場を巡回予定とのこと。
全国の美術館で、どのように紹介されるのか楽しみです。


もちろん、松屋銀座での “MOOMIN! ムーミン展” は、松屋銀座ならではの良さがありました。
それは、会場の演出力の高さ。
原画を展示する関係で、どうしても照度は落とさないといけません。
しかし、そこを逆手にとって、照明で木漏れ日を表現するなどし、
森の中にいるような雰囲気を作り上げていたのには、思わず唸らされました。
トーベ・ヤンソンの原画が素晴らしいのは、当然として、
今回の展覧会の会場そのものも、一つのアートだった気がします。


ちなみに。
会場は、ほとんど撮影禁止ですが、最後に撮影可能なコーナーがあります。
トーベ・ヤンソンが、人形作家の谷口千代さんに送った直筆の手紙や、

手紙


その谷口さんが、この展覧会のために制作したムーミン谷のジオラマなどが展示されています。

ムーミン谷のジオラマ


ムーミンファンの皆様が島のあちこちからパシャパシャ撮影しているのが、印象的でした。
おそらく、ムーミン谷の夏祭りよりも、盛り上がっているはずです (笑)

ただ、こちら以上に盛り上がっていたのが、物販コーナー。
展覧会限定のオリジナル商品が、多数取り揃えられているとのことで、戦場のような賑わいでした。
グッズを必死に買い求めるムーミンファンの皆様の姿を見ていたら、

「おだやかな人生なんて、あるわけがないですよ」

というスナフキンの名言が頭をよぎりました。




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