現在、損保ジャパン東郷青児美術館では、
ハーグ派に本格的にスポットを当てた日本初の美術展 “ゴッホの原点 オランダ・ハーグ派展” が開催中です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
「ハーグ派って??」
という方のために、簡単に説明いたしますと。
フェルメールやロイスダールといった17世紀オランダ黄金時代の絵画のエッセンスを受け継ぎつつ、
19世紀にフランスで一時代を築いたバルビゾン派の影響を大きく受けたオランダの画家たちの総称のことです。
ちなみに、彼らが活動した場所が、ハーグでした。
説明を聞いても、いまいちピンと来ないかもしれませんが。
実際に作品を観ると、 「あぁ、なるほど。」 と理解して頂けるのではないでしょうか。
伝統的なオランダの風景画っぽいし、バルビゾン派の絵画っぽい。
まさに両者のイイとこどり、ハイブリッドな作風です。
フランスのバルビゾン村の風景を描いたバルビゾン派の作品と違って、
オランダの風景を描いているがために、やたらと風車が多くなるのが、最大の特徴かもしれません (笑)
また、バルビゾン派にはない海景画があるのも、オランダ・ハーグ派の特徴と言えましょう。
今回の美術展は、全部で3つの章で構成されていました。
まずは、ハーグ派に影響を与えたバルビゾン派の章。
ミレーやコロー、テオドール・ルソーなど、
バルビゾン派のお馴染みの面々の作品が展示されていますので、バルビゾン派ファンは見逃せません。
続いては、今回の主役であるハーグ派の章。
ヤン・ヘンドリック・ヴァイセンブルフ、ヨーゼフ・イスラエルス、ヤコプ・マリス、
パウル・ハブリエル、ヴィレム・ルーロフス・・・初めて耳にする画家がたくさん登場します∩( ´∀` )∩ワッショーイ
ただ、初めて耳にするから、どうでもいいというのではなく。
日本で知られていない実力派の画家が、こんなにも多くいるという事実に驚かされました。
まだまだ美術の世界は奥が深いです。
ちなみに、僕のオススメは、動物の絵を得意としたというヴィレム・マリス。
写真右の 《泳ぎの練習》 は、鳥の描写力の高さもさることながら、水面の表情が絶品。
あまりに自然すぎて、一瞬、デジタルフォトフレームかと思ってしまったほど。
最後は、ハーグ派に影響されたオランダの巨匠ゴッホとモンドリアンの章。
ハーグ派に影響を受けたばかりの初期の作品が紹介されていたので、
ゴッホの作品も、まだまだゴッホらしさを会得してない頃の作品でしたし、
モンドリアンにいたっては、まだ抽象画にすらなっていませんでした。
そして、また風車!
全体的には、地味な美術展だった印象は否めませんが。
その分、深く心に染み入るような美術展だったと思います。
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ゴッホの原点 オランダ・ハーグ派展
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