ここ5回の展覧会を振り返ると、
(1ツ星) か (星なし) と、あまりパッとしなかった原美術館。
しかし、現在、開催中の “ニコラ ビュフ:ポリフィーロの夢” は、文句なしで3ツ星。
そうそう、原美術館には、こういう美術展を期待していたんですよ!
期待に応えたというか、期待以上の美術展でした!!
こちらは、1978年パリ生まれの新進気鋭のアーティスト・ニコラ ビュフの美術館における初個展です。
ニコラ ビュフは、日本やアメリカのサブカルチャーとヨーロッパの伝統的な美意識を融合させるアーティスト。
もし、ニコラ ビュフという名前にピンと来なくても、
2010年にフランス大使館の旧庁舎を舞台にした伝説のアートイベント “No Man's Land 創造と破壊” で、
↑このアイコン的なゲートを作ったアーティストと言えば、 「あぁ!」 となるかもしれません。
日本のRPG (『ゼルダの伝説』など)の世界観と、
ヨーロッパの古典に類似性を見出したというニコラ ビュフが、
今回の美術展のテーマに選んだのは、 “ポリフィーロという少年の冒険” でした。
そのため、原美術館は、全面的にニコラ ビュフがイメージする冒険の舞台に変えられています。
さぁ、そんな冒険は、すでに入り口から始まっています。
想像もしていなかった光景に、驚き必至。
この 《オオカミの口》 を抜けて、冒険の旅へ。
すると、今度は、真っ赤な空間が広がっています。
ここでも、ちょっとしたビックリ体験をし、いよいよ本格的に冒険がスタートします。
(ここでようやく入場料を払いますw)
ここからは、少しネタバレを含みますので、
美術館で純粋に楽しみたい方は、先を読まないことをオススメします。
まずは、紙芝居ビデオにより、冒険の序章が語られます。
物語の世界観などは、このビデオで把握することが出来ます。
冒険の目的は、ポリフィーロが愛するポーリアという少女を探し出すこと。
ギャラリーⅠには、ユニコーンはいましたが、ポーリアはいないようです。
2階でしょうか?
ニコラ ビュフの世界観で埋め尽くされた窓を見つつ、
2階のギャラリーⅢへ。
そこにいたのは・・・
スーパーポリフィーロ!
説明しよう。
ポリフィーロは、コンバットスーツを身に付けると、
スーパーポリフィーロに変身することが出来るのだ!
ちなみに、このコンバットスーツのデザインのソースは、
16世紀のヘンリー2世が身に着けていたパレードアーマー (儀礼用の甲冑) と、
『宇宙刑事ギャバン』 とのこと。
『宇宙刑事ギャバン』 ファンのニコラ ビュフのたっての希望で、
こちらのコンバットスーツの制作は、実際にギャバンの甲冑を作った造形会社に依頼したのだそうです (笑)
スーパーポリフィーロに変身できることが判明したら、ギャラリーⅣへ。
しかし、入り口には黒いドア。
しかも、メドゥーサが描かれています。
ドアを開けますか?
はい
いいえ
・・・開けてみます。
えい、ままよ!
あれっ、何もない??
しかし、床に描かれた何やら怪しげな◎が。
ここに立った次の瞬間、衝撃的な展開が待ち受けているのですが、それは会場でのお楽しみ♪
その衝撃展開で、体力が奪われることとなるのですが (←何があった?!)
隣の部屋に設置されたカプセルに入れば、HPを回復することが出来ます。
HPが回復したら、最後のステージに移動しましょう。
原美術館内で一番の広さを持つ展示室が、ニコラ ビュフ色に。
ここまで世界観が作り込まれていると、圧巻も圧巻。
チラッと見切れていますが、監視スタッフの女性が着ている赤い衣装も、今展覧会のオリジナル。
徹底しているにもほどがあります。
そして、この部屋のどこかから、ポーリアの姿を発見することが出来たのですが。
それもまた会場でのお楽しみ♪
ただ楽しいだけでなく。
ニコラ ビュフの作り込まれた世界と、
原美術館の持つ雰囲気が、実に見事に融合した美術展だったと思います。
他の美術館では、この世界観は生まれなかったはず。
改めて、原美術館に感謝です。
(1ツ星) か (星なし) ばかりを付けてゴメンナサイ。
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ニコラ ビュフ:ポリフィーロの夢
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