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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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パブロ・ ピカソ ―版画の線とフォルム―

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現在、目黒区美術館では、 シャガールの版画展 が開催されていますが。
町田市立国際版画美術館では、ピカソの版画展が開催されています。
そんな “パブロ・ ピカソ ―版画の線とフォルム―” は、6月15日まで開催中です。

会場
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


目黒と町田とは、なかなか離れていますが、
半券を持参すれば相互割引になるそうなので、この機会を逃す手は無さそうです。


多作で知られるピカソですが、版画もまた多く制作していたようです。
その数は、確認されているだけでも、2000点以上!
今回の展覧会では、前後期合わせて、その10分の1にあたる約200点が出展されます。

展示されているのは、初期の貴重な作品から、

初期


重要な時代の作品、

重要


そして、ポスターにも使われている 《帽子をかぶる女の顔》 のような晩年のカラフルな作品まで。

ポスター


版画でも、ピカソはピカソ。
展示されていたピカソの版画作品を通して、
きちんとピカソの生涯が追える、内容の濃い展覧会でした。



一番印象に残ったのは、池田20世紀美術館が所蔵する 《貧しき食事》
(画像は、こちらに)
ピカソ青の時代に制作された版画作品です。
青色ではないですが、自然と青色に見えるくらい、悲しみに満ちています。
貧しき食事。。。
確かに、2人で1皿とは、ツラいですよね。。。
そんな栄養状態ですから、2人ともガリガリ。
涙なくしては見られない1枚です。


さて、ピカソの版画展も良かったのですが。
個人的には、同時開催のミニ企画展 “華麗な花の饗宴 『フローラの神殿』大公開” がスマッシュヒット。
イギリスの編者ロバート・ジョン・ソーントンによって、
刊行された植物図鑑 『フローラの神殿』 全30点が公開されています。
普通の植物図鑑かと思いきや・・・

『フローラの神殿』 『フローラの神殿』


詩的で物語を感じさせる背景が描かれた植物図鑑なのです。
こんな美しい植物図鑑があっただなんて。
しかも、約300年も前に刊行されていただなんて。
ピカソが版画を多く残していたという事実以上に驚かされました。




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