森美術館で開催中の “ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
「ゴー・ビトゥイーンズ」 とは、 「媒介者」 の意。
この美術展のタイトルは、フォトジャーナリズムの草分け的存在ジェイコブ・A・リースが、
英語が不自由な両親に橋渡しとして用事をこなす移民のこどもたちを、
「ゴー・ビトゥイーンズ=媒介者」 と呼んだことに由来しているようです。
今回の美術展では、ジェイコブ・A・リースの作品だけでなく、
世界各国のアーティスト26組の作品に表れる子供たちにも着目。
それらのこどものイメージを通して、社会で起こっている様々な諸問題に目を向けさせようと試みた美術展です。
要所要所で、こどもが楽しめそうな会場作りをしている割には、
アート作品自体は、こども向けというよりは、完全に大人向けという感じがしました。
(こどもには、ちょっと難しいかも。。。)
また、カワイイこどもの姿がたくさん見られる美術展だと思っている大人の方も要注意。
全体を通して、あまりこどもらしいこどもの姿は登場しません。
むしろ、こどもの本質について考えさせられる美術展といった印象でした。
そういう意味では、実際に子供を育てている方にオススメの美術展と言えそうです。
是非、ご夫婦で、もしくは、ママ友 (パパ友?) 同士で訪れるといいでしょう。
今回出展されている作品の中で特に印象深かったのは、
沖縄出身の作家・照屋勇賢さんの新作インスタレーションです。
《未来達》 と名付けられた今回の新作では、沖縄の米軍基地周辺で暮らすこどもたちの姿が映し出されていました。
こどもたちは、米軍基地の敷地のロープを、ひょいっとまたいでしまいます。
映像のモニターは、そのロープの高さと同じにされており、またぐことも可能。
しかし、モニターといえども、大人はやはりまたぐという行為自体に抵抗があるらしく、
多くの鑑賞者がモニターの前で躊躇してしまっていたのが、何よりも印象深かったです。
(僕は、普通にまたぎましたw)
また、山本高之さんの 《どんなじごくへいくのかな、東京》 は、とても微笑ましく印象的。
こちらは、こども達が考えたオリジナルな地獄を発表するという作品。
こどもの発想は天才的過ぎて、微笑ましくなると同時に、芸人としては脅威を感じました。
例えば、右の写真は、ゲームやり過ぎ地獄。
ゲームをやり過ぎると、椅子からたくさんの手が出てきて、身動きが取れなくなるのだとか。
さらに、ドロドロのコンクリートが流れて来て、体を固めてしまうそうです。
しかも、しばらく動けないと、なんと自分の目玉が取れてしまうとのこと。
恐ろし過ぎますね。。。
が、そんな地獄が30数時間続いた後、意外な展開が待ち受けていました。
鬼が手にしていた棒を振り上げ、コンクリートを叩き割ってくれるとのこと。
そして、 「もう帰っていいよ」 と言ってくれるのだそうです。
予想だにしない展開。鬼、めっちゃいいヤツ (笑)
この他にもオモロい地獄がたくさん登場しますので、是非、会場でお楽しみください!
また、本邦初公開となる奈良美智さんの作品や、
テリーサ・ハバード/アレクサンダー・ビルヒラーの 《エイト》 や、
サンテリ・トゥオリの 《赤いTシャツ》 の映像作品など、見逃せない作品は多数。
気になった方は、どうぞ足を運ばれてみてくださいませ。
以上、美術館と読者の皆様とのゴー・ビトゥイーンズ “とに~” がお届けいたしました。
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ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界
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