武蔵野美術大学美術館に行ってきました。
こちらでは、現在、 “オオハラ・コンテンポラリー・アット・ムサビ” が開催されています。
タイトルがカタカナばっかりで、イマイチどんな美術展なのか伝わりづらいことでしょう (笑)
こちらは、日本屈指の私立美術館である大原美術館で、
昨年開催された “Ohara Contemporary” 展 (オオハラ・コンテンポラリー) を、
武蔵野美術大学 (ムサビ) バージョンに再構成した美術展です。
大原美術館と言えば、エル・グレコの 《受胎告知》 や、ゴーギャンの 《かぐわしき大地》 、
モネの 《睡蓮》 といった西洋美術の名品で知られ、西洋美術の殿堂というイメージが強いですが。
実は10年前から、日本の現代美術作家の支援にも力を入れているそうで、
現代作家を迎えて有隣荘 (旧大原家別邸) で美術展を開催したり、積極的に作品を収集しているようです。
今回の武蔵野美術大学美術館の美術展には、
そんな大原美術館が収集した現代美術作家30名による47点の作品が出展されています。
VOCA展で大原美術館賞を受賞した齋藤芽生さんの 《密愛村~ Immoralville》 や、
ARKO (大原美術館版アーティスト・イン・レジデンス) で制作された町田久美さんの 《来客》 、
森美術館での小谷元彦展に出展されていたのを見て、購入を決めたという 《ロンパース》 をはじめ、
小沢剛さん、蜷川実花さん、やなぎみわさんといった人気現代美術作家の作品が勢ぞろい。
よくぞ10年で、これだけの現代美術コレクションを形成したものです。
倉敷が誇る西洋美術の殿堂は、いつのまにやら現代美術の殿堂にもなっていました。
さてさて、展示作品の中で特にお気に入りは、
福田美蘭さんの 《ゴッホをもっとゴッホらしくするためには》 という作品です。
こちらは、大原美術館が所蔵するゴッホの 《アルピーユへの道》 をモチーフにした作品。
実は、 《アルピーユへの道》 は贋作の疑いのある、いわくつきの作品。
確かに、ゴッホらしい激しいタッチが感じられず、素人目に見ても贋作っぽい印象があります。
そんな 《アルピーユへの道》 を、ゴッホらしく感じられるよう、
《アルピーユへの道》 のコピーの上からゴッホらしい彩色を施したのが、
《ゴッホをもっとゴッホらしくするためには》 なのです。
実際は、 《ゴッホをもっとゴッホらしくするためには》 の横に、 《アルピーユへの道》 が並べられています。
(ムサビでは、その写真が飾られています)
贋作を作品の一部にしてしまうという発想が、さすが福田美蘭さん。
贋作を無駄にしない。エコです。
また、この展覧会を紹介してくださった松井えり菜さんの 《サンライズえり菜》 も、お気に入りです。
(作品画像はありません。あしからず)
松井えり菜さんは自分の顔をモチーフに制作するアーティスト。
ただ、普通の自画像ではなく、変顔のような絵を描くアーティストです。
今回の 《サンライズえり菜》 に登場するえり菜さんも、かなりの変顔 (白目!) 。
しかも、その顔の中に大原美術館が所蔵している名画の数々が溶け込んでいます。
カオスはカオスでも、じっくり煮込まれたカオス (?) といった印象。
交通のアクセスが、やや不便なため、少しばかり気合を入れないと行く気が起こらないのが難点ですが。
大原美術館まで足を運ぶのに比べれば、だいぶ近いものです (笑)
しかも、無料。
ちなみに。
特別出展として、ヤノベケンジさんの新作 《Sun Sister》 も展示されています。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在6位)
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オオハラ・コンテンポラリー・アット・ムサビ
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