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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより

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今回ご紹介する美術展は、東京国立近代美術館で開催中の・・・

世界
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


“現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより” です。
いつもは真面目な印象がある東京国立近代美術館にしては、
ちょっと・・・というか、だいぶ冒険した美術展タイトルであるような気がします。
が、東京国立近代美術館が冒険したのは、美術展タイトルだけに非ず。
こんな冒険的なウェブCMまで制作してしまっています。




ちなみに、手がけたのは、今注目の映像ディレクター・田向潤さん。
きゃりーぱみゅぱみゅのミュージックビデオ全般を制作している人物です。

ずっと黒髪だった人が、急に金髪になったかのような、
東京国立近代美術館の大幅なキャラチェンジに、若干戸惑いはありましたが。
個人的には、この若者向け路線 (?) は、大歓迎。
これからも殻を破り続けて頂きたい限りです。


さて、こちらの “現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展” は、
台湾を本拠地とするヤゲオ財団の近現代アートコレクションを紹介する美術展です。

「ヤゲオ財団?聞いたことないなぁ。たいした作品が無いんじゃ・・・(苦笑)」

と思った方、甘いです。
実は、ヤゲオ財団コレクションは、世界トップ10にランクインしているほどのコレクション。
その質の高さは、担当学芸員さんが、

「なぜ、こんなにもアーティストの代表作ばかりを蒐集できるのか!」

と、驚嘆するレベル。
美術館が所有していてもおかしくない、
というか、美術館のマスターピースになりうる作品を数多く有しているのです。
アンドレアス・グルスキーの 《V&R》 に、

《V&R》
2011年 ヤゲオ財団蔵 © Andreas Gursky/Courtesy Spruth Magers Berlin London/JASPAR, Tokyo, 2014 E0987


杉本博司さんの 《最後の晩餐》 に、

杉本博司  1999年 ヤゲオ財団蔵 ©Hiroshi Sugimoto / Courtesy of Gallery Koyanagi

杉本博司


アンディ・ウォーホルに、フランシス・ベーコンに・・・と、挙げればキリがありません。
しかも、普段、これらの貴重なアート作品は、

普通


ヤゲオ財団コレクションを一代で築いたピエール・チェンさんの自宅やオフィスに飾られているのだとか。
そう。チェンさんのポリシーは、アートとともにある生活を送ること。
まさに、 「NO ART, NO LIFE.」 なのです。


・・・・・と、そんなヤゲオ財団コレクションを、
ただ並べて展示しただけでは、いわゆる普通の現代アート展です。

展示室  展示室


が、しかし!

美術展タイトルもウェブCMも冒険した東京国立近代美術館は、
この “ハードコア展” において、もっと驚くべき冒険をしています。
なんと展示されている美術作品の市場評価額について、あえて触れているのです。
これまで美術館では暗黙の了解で触れられてこなかったお金のことも、
キャプションや会場で配られる冊子に、バッチリと記載されています。
今回紹介されている作家の作品のだいたいの相場が、公開されていました。
これは、とても画期的な試み!
僕のような俗物には、なんとも嬉しい&役立つ美術展です (笑)

ちなみに、こんなゲームも用意されていました。

ゲーム  ゲーム


こちらは、コレクター気分を味わえるゲーム。
まず皆様は、50億円を持っています (←現実は、一生働いても得られない金額!)
展示作品のキャプションに、このようなマークが付いていた作品の中から、

キャプション


合計金額が50億円に近づくように5点を選んで、白い部屋に飾るというゲームです。
(超リッチな 『ゴチになります!』 みたいなものですw)
僕は、こんな感じで5点をチョイス。

白い部屋


さて、その結果は・・・

結果


自分で言うのもなんですが、さすがアートテラーです (←自画自賛w)
これよりも50億円に近づけられる方はいらっしゃるのでしょうか。
皆様の挑戦をお待ちしております。


世界的なプライベートアートコレクションを堪能でき、
普通に現代アート展として楽しめるのは、もちろんのこと。
これまでと違った角度からも現代アートを楽しめる一粒で二度美味しい美術展でした。
星星
少なくとも期間中にもう1度遊びに行きたいと思っています。
ハードリピーターになりそうな予感。


最後に、純粋に気に入った (お金があれば買いたい) アート作品をご紹介いたしましょう。
まずは、マウリツィオ・カテランの 《無題》 という作品です (写真右)。

無題


こちらは、 《空間概念》 シリーズでお馴染みのフォンタナのパロディ作品。
フォンタナは、ナイフでスパっと切込みを入れて、 《空間概念》 を完成させましたが。
カテランの 《無題》 は、 『マスク・オブ・ゾロ』 風にナイフで切込みを入れています。
斬新なくだらなさです (笑)


それから、今回の美術展のメインビジュアルにもなっているマーク・クインの 《ミニチュアのヴィーナス》

マーク・クイン  2008年 ヤゲオ財団蔵 ©Marc Quinn


こちらは、あのスーパーモデルのケイト・モスに、ヨガのポーズを取らせているという作品。
実際にケイト・モスが、こんなポーズを取れるわけではなく、
ヨガのポーズは、その道の専門家がモデルとなっているのだそうです。

そんなマーク・クインの作品は、美術館の入り口にも。

マーク・クインの


ケイト・モス、頑張りすぎ (笑)




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