~前回までのあらすじ~
「雨ニモマケズ 風ニモマケズ
東ニ国宝アレバ 行ッテソノ目ニ焼キ付ケ
西ニ国宝アレバ ヤハリ行ッテソノ目ニ焼キ付ケ
世ノ中ニアル全テノ国宝ヲ ソノ目ニ焼キ付ケル
サウイフ国宝ハンターニ ワタシハナリタイ」
と誓った国宝ハンター。
国宝全制覇のための大きな関門は、120本以上の国宝刀剣をハンティングすることだと悟る。
そんな中、国宝ハンターは、国宝刀剣が9件も展示される美術展の存在を知る。
そして、彼は、名古屋へと向かった―。
愛知県にある徳川美術館。
そこで、2月5日まで開催されていたのが、こちらの美術展。
(現在は、終わっています)
「こ・・・国宝9点!」
これは、国宝ハンターとしては、行くしかありません。
この美術展の存在に気付いたのは、1月31日。
会期まで、一週間を切っています。
いろんなスケジュールを調整して、高速バスのチケットを、急遽手配し、
2月3日の深夜に東京を出発して、2月4日の深夜に名古屋を出発する弾丸ツアーを計画しました。
そして、2月4日の早朝5時。
僕は、名古屋にいました。
・・・朝、早すぎ (泣)
徳川美術館の開館は、10時。
開館時間まで、あと5時間もあります
しかも、寒すぎ (泣)
この日、名古屋は氷点下。
もちろん朝5時ゆえ、お店も開いていません。
とりあえず、名古屋限定の缶コーヒーで、暖を取ることに。
さて、気持ちだけでも、温まったところで、
これから、5時間何をしましょう??
名古屋城を遠目から眺めたり。
何故か、たくさんの猫が寄ってきたり。
コメダ珈琲で、名古屋文化のモーニングを食べたり。
どうにかこうにかして、開館時間を待ちました。
そして、いよいよ10時。
お目当ての徳川美術館へ。
「“名物刀剣―宝物の日本刀―” で、9つの国宝刀剣をゲットしちゃうぜ♪」
最初に現れた国宝刀剣は、 《短刀〈銘備州長船住景光/元亨三年三月日〉》 (ジャンル:工芸品)
こちらは、埼玉県立歴史と民俗の博物館の所蔵の国宝刀剣。
『秩父大菩薩』 と堂々と隠刻されているあたりが、なんとも埼玉っぽい (笑)
お次は、 《太刀〈銘助真/〉》 。
・・・あれっ、これは、 「第二話 国宝ハンター、笑う!」 でハンティング済み。
まぁまぁまぁ、そういうこともありますよね。
気を取り直して、 《太刀〈銘長光(名物遠江長光)/〉》 。
・・・あれれっ、これは、 「第四話 国宝ハンター、斬られる!」 でハンティング済み。
《短刀〈銘吉光(名物後藤藤四郎)/〉》 も、「第四話 国宝ハンター、斬られる!」 でハンティング済み。
《短刀〈無銘正宗(名物日向正宗)/〉》 も、「第四話 国宝ハンター、斬られる!」 で・・・
《短刀〈無銘正宗(名物庖丁正宗)/〉》 も、「第四話 国宝ハンター、斬られる!」 で・・・
「はうあっ!!」
もしかして、もしかしたら・・・。
この美術展って・・・。
急いで、チラシを、よ~くチェックしてみます。
「!!!!」
根津美術館で開催された “名物刀剣 宝物の日本刀” の巡回展!
ちゃんと確認しなかったことが原因の最悪の凡ミスです。
東京で一回観た美術展を、わざわざ名古屋まで観に来ちゃったよ (泣)
国宝名刀9点のうち、ほとんどが、根津美術館とダブってました。
トホホ。
それでも、《短刀〈銘備州長船住景光/元亨三年三月日〉》 をはじめ、
徳川美術館でしか展示されていない国宝名刀もあったわけで。
文化庁所蔵の 《刀〈金象嵌銘正宗本阿花押/本多中務所持〉(名物中務正宗)》 (ジャンル:工芸品) も、無事ゲット!
9本ゲットする予定が、
実際は、2本と、かなりショックは大きいです。
心をバッサリ。
その傷口は深いです。
ちなみに。
徳川美術館の常設展示室にて、 《初音蒔絵祝の枕》 が展示されていました。
こちらは、 調度類75件がすべて一括で国宝指定されている
《婚礼調度類〈(徳川光友夫人千代姫所用)/〉》 (ジャンル:工芸品) のうちの1つ。
国宝の枕は、どんな寝心地なのだろうか?
一度、寝てみたいものです。
そして、この愛知県まで来ての凡ミスが、悪夢であって欲しいです。
今現在の国宝ハンティング数 133/1082
国宝ハンターは、ランキングにも挑戦中
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第十六話 国宝ハンター、凡ミす!
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