気象庁から梅雨明けが発表され、いよいよ夏真っ盛り。
本日は、そんな夏の暑い日にピッタリの涼やかな美術展を紹介いたします。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
山種美術館で開催中の “水の音 ―広重から千住博まで―” という美術展です。
9月15日まで。
“水” をテーマにした美術展は、これまでにも開催されていたような気がしますが。
“水の音” をテーマにした美術展というのは、僕の記憶の中にはありません。
ありそうでなかった斬新な切り口の美術展です。
普段は、目でしか楽しんでいなかった美術品も、
耳を澄ませてみると、確かに “水の音” が聞こえてくるようです。
奥村土牛の 《鳴門》 からは、 『ゴゴゴゴゴ』 と。
歌川広重 (初代) の 《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》 からは、 『ざあざあ』 と。
(注:展示は8月24日まで)
滝の絵からは、 『ドーーーーッ』 という具合に。
目だけでも十分に涼感が味わえますが、
耳でも涼感が味わえるので、涼やかさは2倍に。
大げさでなく、夏の暑さを綺麗さっぱり忘れさせてくれる美術展でした。
ちなみに、 “水の音” をテーマにしている美術展だからと、
無味無臭でさらさら観れてしまう美術展というわけでは、決してありません。
むしろ見応えはたっぷり。
例えば、橋本関雪の 《生々流転》 が、実に22年ぶりに六曲二双の全てが一挙公開されていたり。
赤の使い方に定評のある奥田元宋の傑作 《奥入瀬(秋)》 が展示されていたり。
フィラデルフィア市郊外の公園に建てられた松風荘のために千住博さんが描いた襖絵の習作が展示されていたり。
特に、今回の美術展は、上の 《松風荘襖絵習作》 以外にも、千住博さんの作品が多数出展されています。
まるで千住博祭りのような様相です。
青が美しい 《光》 (画面左) に、
ちょっとウォーホルっぽい (?) 《フォーリングカラーズ》 も良かったのですが。
マイフェイバリット千住博作品 (MFS) は、 《水 渓谷》 です。
“水の流れが、なかなか激しいなぁ。この鳥、大丈夫かなぁ” と思って近づいてみると・・・
木の断面に直接描かれていることが発覚!
水の流れではなく、木目だったのですね。
遊び心満載。
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水の音 ―広重から千住博まで―
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