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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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「楽園としての芸術」展

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東京都美術館では、現在、 “「楽園としての芸術」展” が開催されています。
こちらは、三重と東京に拠点をもつアトリエ・エレマン・プレザンと、
鹿児島にあるしょうぶ学園で制作された絵画や立体作品などを紹介する展覧会です。
アトリエ・エレマン・プレザンもしょうぶ学園も、ダウン症などの障害をもつ人々のための施設。
つまり、今回展示されているのは、これまで “アール・ブリュット” というくくりで紹介されてきた美術作品です。
ただし、今回の美術展では、あえて “アール・ブリュット” という言葉は使われていません。

会場  会場


障害をもっていようといなかろうと、作品の素晴らしさには変わりなし。
むしろ、 “アール・ブリュット” と定義づけられることで、

「障害をもっている方だからこそ、こんな純粋な絵が描けるんだなぁ」

という逆差別的な色眼鏡で見てしまうところがある気がします。
そうではなく、

「純粋な絵を描く芸術家だなぁ。どんな芸術家なんだろう?あっ、障害をもった方なんだ」

という具合に作品と向き合うほうが、作品にとっても芸術家にとっても幸せなことなのではないでしょうか。



さてさて、今回出展されていた作品の中で印象的だったのが、冬木陽さんの作品たち。

会場


作品の中でも色が踊っていますが、タイトルにも色が踊っているのです。
上の写真の作品のタイトルは、右は 《あか》 とシンプルですが。
左は 《あああおあお》 とリズミカル。
語感は、 『LOVE LOVE LOVE』 に近いです。

タイトルと言えば、岡田伸次さんの作品も印象的。

会場


右の作品のタイトルは、 《セカイツリー》
そして、左の作品のタイトルは、 《着がえてるとき犬が来た》 だそうです。
・・・ちょっと何言ってるか分かんないです (笑)


また立体作品が多かったのも、今回印象的だったことの一つ。
下川智美さんの 《無題》 は、何とも言えない愛らしさがありました。

無題


また、倉俣晴子さんによるこんなデコレーション作品も。

冷蔵庫


中身 (?) は、なんと冷蔵庫です。
冷蔵庫って、ここまでポップになるのですね。


ちなみに。
今回の美術展のチケットは、会期中にもう一度入場することが可能です。
というのも、会期中に公開制作を含め、作品がどんどん増えていく予定なのだとか。
この記事を皆様が読んでいる今この瞬間にも、新たな作品が生み出されているかもしれません!




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