東京ステーションギャラリーでは、現在、
“泥象 鈴木治の世界―「使う陶」から「観る陶」へ、そして「詠む陶」へ” が開催されています。
タイトルからして、よくわからない感がプンプンしている美術展です。
「陶」 という文字が3回も登場することから、陶芸展であることは確実でしょう。
しかし、陶芸なのに、 「使う陶」 ではなく、 「観る陶」 ?
さらに、 「詠む陶」 とは、どういうこと??
それに加えて、鈴木治という名前の平凡さ。。。 (全国の鈴木さん、申し訳ありません)
“あー、東京駅から徒歩0分という場所で開催されてなかったら、行かなかったなぁ”
というくらいの気持ちで、美術展を観始めたのですが。
会場を後にする頃には、すっかり鈴木治の大ファンになっていました!
鈴木治。
その名は平凡ですが、その作風はかなり非凡。
“鈴木治に出会えてよかった” と心から感謝したくなる美術展でした。
鈴木治 (1926~2001) の魅力は何と言っても、その造形の面白さに尽きると思います。
器としての機能がほとんど・・・というか全然無く、
もはやオブジェのような作品は、観ていて純粋に楽しいものがありました。
(ちなみに、鈴木治本人は、オブジェでなく、 「泥象 (でいしょう) 」 という言葉を使っています)
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
特に楽しかったのが、たびたび登場する馬をテーマにした作品です。
鈴木治は生涯でたくさんの馬を作り続けたそうですが、どれも馬らしくないのが鈴木治クオリティ。
例えば、こちらの 《馬》 。
1977年(撮影:髙島清俊)
馬と言えば、ギリギリ馬。
ただ馬よりも、MDウォークマンに近い気がします。
また、こちらは、 《雪の中の馬》 。
1973年 京都国立近代美術館蔵
馬というか、小料理屋ののれんといったところでしょうか。
この他にも、 《嘶く馬》 や、
《馬 三角の中へ》 など、
個性豊かな馬たちが次々登場。
展覧会を観終える頃には、逆に、
“もしや、僕が知っている馬のほうが間違っているのでは?” という気持ちにすらなりました (笑)
馬だけでに限らず、鈴木治が生み出す動物は個性豊かな姿をしています。
特に可愛かったのが、虎。
このゆるカワ具合は、ぐでたまに匹敵するレベル。
この虎を主人公にしたショートアニメが制作されることを切に願います。
ちなみに、こちらの虎も、かなりのゆるカワ具合でした。
ぐでとら。
観ているだけで癒されます。
ゆるカワと言えば、鈴木治が毎年制作していた干支の香合も、ポテンシャルが高かったです。
このガチャガチャがあったら、絶対やります。
コンプリートするために大量に100円を両替して挑みます。
誰か作ってくれないでしょうか。
同じく展示されていた 《掌上泥象 百種》 のガチャガチャも欲しいところですが。
100種類集めるのは不可能なので、こちらは美術展で眺めるだけで我慢します (←?) 。
一つ一つの造形も可愛いのですが、
「星の化石」 や 「雲のマント」 、 「加留多クイーン」 「独白」 など、
100個すべてに付けられたタイトルも味わい深かったです。
そうしたネーミングセンスもまた、鈴木治の魅力。
まさに、 「詠む陶」 なのでした。
最後に、鈴木治の名誉のために言っておきますが。
僕が特にゆるカワな作品ばかりを取り上げて紹介してしまっただけであって、
鈴木治が真面目に (?) 実用性のある陶芸作品を造ると、きちんとしたものが出来上がります。
やれば出来る陶芸家。YDT。
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泥象 鈴木治の世界
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