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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート

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台湾出身ニューヨーク在住のアーティスト、リー・ミンウェイの初の大規模個展・・・

リー・ミンウェイ


“リー・ミンウェイとその関係展:参加するアート” が森美術館で開催されています。
リー・ミンウェイは、観客の参加によって成立するアートプロジェクトに定評のあるアーティスト。
今回の展覧会でも、新作を含む15点の作品や参加型のアートプロジェクトが紹介されています。

参加すると言っても、参加の形式はさまざまです。
例えば、 《プロジェクト・繕う》

プロジェクト・繕う


こちらは、観客が持ち込んだ衣類や布を、アーティスト本人やホストが繕うという作品。
繕いタイムは、観客とホストに間でコミュニケーションが交わされるのだそうです。
ちなみに、繕った衣装は、壁面に取り付けられたコーン巻きの糸と繋げられるのだとか。
今はまだ会期のはじめなので、まだまだ繕われていませんでしたが。
これから会期終了まで、どんどん衣類や布が繕われることでしょう。
どんどんカラフルになること必至。
会期終盤に、もう一度行ってみたい気持ちになっています。


衣類や布さえ持ち込めば、誰でも参加できる 《プロジェクト・繕う》 のようなアートプロジェクトもあれば。
抽選で当たった人のみ参加できるアートプロジェクトもあります。
それが、 《プロジェクト・ともに食す》

ともに食す


なんと抽選で週1名様に限り、閉館後にこの場所で、
アーティスト本人 (またはホスト) と、マンツーマンで食事が出来るのだとか。
人見知りにはハードルが高すぎる参加型アートです。

でも、これで驚いていてはいけません。
さらに、ハードルが高いのが、 《プロジェクト・ともに眠る》

ともに眠る


プロジェクト名から、なんとなく予想がついたと思いますが。
なんとなんと抽選で週1名様に限り、閉館後にこの場所で、
アーティスト本人 (またはホスト) と一緒にお泊りすることが出来るのだとか。
美術館内に宿泊。
前代未聞の超貴重な体験が出来ます。
でも、人見知りには超ハードルが高い。
いや、人見知りでなくとも、お泊りはハードルは高いですね。
勇気にある方は、是非、美術館内で応募されてみてください。

応募


また、中には、こんなパターンの参加型アートも。

ソニック・ブロッサム


《ソニック・ブロッサム》 という作品です。
広い空間に椅子が1脚。
まだ誰も座っていません。
毎日1回だけ、この衣装を身にまとった方 (声楽家) が・・・

意匠


会場を彷徨って、ランダムで選んだ観客一人に、
「あなたのために歌わせてください」 と申し出るそうです。
もし、その観客の方が、 「はい。」 と言ったのなら、
声楽家が、こちらの椅子に座った一人の観客のために、全力で歌を歌ってくれるそうです。
参加出来るかどうかは運次第。
どうしても参加したい方は、年間パスポートを購入して、毎日通いましょう。


個人的に印象に残った作品は、こちらの 《砂のゲルニカ》

砂のゲルニカ


砂絵で描かれたピカソの 《ゲルニカ》
かなりの力作です。
が、来る11月16日の正午から日没まで、
この砂絵の上を観客が歩くという1日限りのパフォーマンスが行われるそうです。
《砂のゲルニカ》 の崩壊へのカウントダウンはすでに始まっています!


ちなみに、今回の展覧会には、リー・ミンウェイ作品以外にも、
彼の作品の重要なキーワード 『関係性』 や 『つながり』 を掘り下げるべく、

会場


白隠や、

白隠


李禹煥といった、

リー


11人のアーティストや宗教家の作品や言葉も紹介されていました。
個人的には、このコーナーは、なかなかに小難しかったです。
いろんな思想に触れ、頭がパンクしそうになりました。

でも、そんな時、僕のことを支えてくれたのは 
僕の親父でもなく、そして、お袋でもなく、そう、リーの作品でした。
リーの作品は、心を軽くしてくれます。




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