9月23日より東京国立近代美術館にて開幕した “菱田春草展” へ行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
近代日本画に大きな足跡を残しながらも、36歳という若さで早世した菱田春草 (1874~1911)。
その実力は、あの横山大観に 「春草君が生きていたら俺なんかよりずっと巧い」 と晩年まで言わしめたほどです。
そんな菱田春草の作品が、今回の回顧展に、前後期合わせて100点以上も集結しています。
何と言っても、今回の見どころの一つは、 《王昭君》 や、
《賢首菩薩》 をはじめ、
重要文化財に指定されている春草作品4点がすべて出品されていること。
特に人気の高い 《黒き猫》 (永青文庫蔵) は、10月15日からの後期に出品予定です。
それまでは、代わりに (?) 《白き猫》 が会場を盛り上げています。
(注:会期は10月13日まで)
他にも 《黒猫》 や 《柿に猫》 など、たくさんの猫がいますので、ネコ好きにはたまらないことでしょう。
また、回顧展に出品されるのは半世紀ぶりとなる個人蔵の 《松に月》 (写真左) や、
40年ぶりに一般の目に触れる個人蔵の 《夕の森》 (写真右) など、
貴重な作品が多数出品されているのも、今回の菱田春草展の見どころ。
質、量ともに、菱田春草生誕140年のPERFECT YEARを飾るに相応しい大回顧展となっています。
さてさて、今回改めて、菱田春草の作品をまとめて観たわけですが。
その率直な感想は、
“菱田春草の絵は、驚くほどに面白さが無い絵だなぁ”
でした。
と言っても、これは貶しているのではなく、僕的には最大級の褒め言葉。
面白さがあるということは、どこか隙 (ツッコミどころ) があるということ。
しかし、菱田春草の作品には、そういった隙が全くありません。
ただただ巧い。ひたすら巧い。圧倒的に巧い。
そんな絵なのです。
ブログの記事のために、何か面白ポイントを探そうとしたのですが。
彼の絵を前にすると、 「はぁ~」 とか 「ほぉ~」 とか、吐息のようなものしか口から出てきませんでした。
今回ばかりは、アートテラー完敗宣言です。
強いて、今回の展覧会の面白ポイントを挙げるとするなら、
菱田春草の作品ではなく、菱田春草展のオリジナルグッズとして売られていた・・・
猫のぬいぐるみマスコットが、微妙に可愛くなかったことくらいでしょうか (笑)
ちなみに。
今回の菱田春草展には、もちろん彼の代表作の一つである 《落葉》 の連作も出展されています。
それら以外にも秋らしい画題の作品が多く出展されていました。
芸術の秋。春草の秋。
今のシーズンにピッタリの美術展です。
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菱田春草展
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