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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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岡部嶺男 火に生き 土に生き

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今回ご紹介する展覧会は、菊池寛実記念 智美術館で開催衆の “岡部嶺男 火に生き 土に生き”
「土を宝石に変えた鬼才の陶芸家」 と称される岡部嶺男の代表作を含めた約65点の作品を紹介する展覧会です。

岡部嶺男 (1919~1990) の父は、 『美味しんぼ』 に登場する陶芸家・陶山唐人のモデルとなった加藤唐九郎。
そして、その祖父・桑次郎は、窯道具製造業の当主という、まさに陶芸界のサラブレッドです。
とは言え、岡部嶺男はその血筋とは特に関係なしに、純粋に陶芸家としての才能で評価されています。

その作風を一言で言うならば、ワイルド。

岡部
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


《古瀬戸灰釉瓶子》 しかり、

古瀬戸


《織部縄文瓶》 しかり、

織部縄文瓶


実に猛々しい陶芸作品です。
ただ、とてもワイルドで迫力のある作風なのですが、イヤな威圧感はありません。
威圧される感じというよりも、畏怖してしまう感じといいましょうか。
これは、あくまで僕個人の感想ですが、岡部嶺男の作品からイメージしたのは、
古代の海にいそうな生物 (イソギンチャク的な?) や鍾乳洞など、人知を超えた自然。
とても人間が、それも一個人が作り上げた造形とは思えない印象を受けました。

より、その印象を強く受けた作品が、 《青織部縄文塊》
タイトルに、 「塊」 とあるように、
壺でも花入れでもなんでもなく、本当に、ただの (?) 「塊」 でした。

青織部縄文塊


これは、もはや隕石とか小惑星の類です。
人知を超えた自然どころか、宇宙を想起させる陶芸作品です。


・・・・・と、こんなワイルドな作品を作る一方で。

《粉青瓷砧》 や、

粉紅瓷砧


《粉紅砧》 のように、

粉紅砧


端正で優美な作品も作り上げているのが、陶芸家・岡部嶺男の最大の特徴。

端正


俗に、世の女子が弱いとされる “ギャップ” というヤツです。
岡部嶺男ファンは、きっとこのギャップにやられているのでしょう。
星


かくいう自分も、そのギャップにやられてしまった一人。(←女子ではないのに!)
今回の出展作品の中で最も心を奪われたのは、
岡部嶺男の茶碗作品を紹介するコーナーに展示されていた・・・

会場


《窯変嶺燦盌》 です。

窯変嶺燦盌  窯変嶺燦盌


そのメタリックでクールな色合いに、思わず目が釘付けに。
しばしの間、目を離すことが出来ませんでした。
もし叶うのならば、将来を車を購入した暁には、
この 《窯変嶺燦盌》 と同じカラーリングで塗装して欲しいくらいです。




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