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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第八十七話 国宝ハンター、羽根を伸ばす!

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前回までのあらすじ~
 とに~。
 彼はタイムスクープ社より派遣された・・・ではなく、
 どこからも派遣されていない単なるアートテラーである。
 日本全国のあらゆる場所に、基本、高速バスでワープしながら、
 国宝を目にし、その記録をしていく国宝ハンターである!



前回までに、649件の国宝をハンティング。
そして、節目の650件目は、静岡市美術館で開催中の・・・

静岡市美術館


“国宝・久能山東照宮展―家康と静岡ゆかりの名宝” にて、
《太刀〈銘真恒/〉》(ジャンル:工芸品) をハンティングしました。

さらに、その翌日は千葉に足を運び・・・

歴博


国立歴史民俗博物館で、 《額田寺伽籃並条里図(麻布)》(ジャンル:古文書) をハンティング。


ここ1ヶ月で、約40件の国宝をハンティングしました。
そんな国宝ハンターとして頑張った自分へのご褒美に、
京都への国宝ハンティング旅行を決行することに決めました。

「って、いつもの国宝の旅じゃん!」

というツッコミはなしです。
ご褒美なので、1泊することにしました。
ちょっとのんびり出来る国宝の旅なのです。

ご褒美の旅・・・とはいえ、やっぱり交通手段は高速バス。
そこは、金銭的にご褒美とはいきませんでした (笑)

京都駅に到着して、まず向かったのは、教王護国寺。通称、東寺。

教王護国寺


こちらの宝物館では、

宝物館


“東寺の十二天像” という特別展が開催中です。
そちらに出展されていた 《東宝記》(ジャンル:書跡・典籍) と、
《絹本著色十二天像〈伝宅間勝賀筆/六曲屏風〉》(ジャンル:絵画) をそつなくハンティング。
ちなみに、 《東宝記》 は、東寺の歴史と美術を記した南北朝から室町時代にかけての書物です。
あの映画会社とは関係ないので、勘違いしませぬよう。


その後、いつものようにレンタサイクルを借りて (←ご褒美の旅なのに) 、
次なる国宝へ・・・と見せかけて、一度行ってみたかった京都国際マンガミュージアムへ。

漫画


ご褒美の旅ゆえに、久しぶりに京都で国宝と関係のない観光スポットを満喫しました。
いや、満喫しすぎました。
気づいたら、2時間も楽しんでしまっていたので、急いで青蓮院へ向かいます。

青蓮院


青蓮院で狙うは、あの国宝。
青蓮院の開創以来、2009年にたった1度しか公開されたことのない超レアな国宝が、
今年2014年に、通算で2度目のご開帳を行っているのです。
期待に胸を膨らませて、その貴重な仏教絵画と対面しました。

2復元模写 青不動明王


「ビューティフォー!!」

平安時代の仏教絵画とは思えない美しさ。
まるで最近描かれたかのような美しさでした。
・・・って、うすうす感じてましたが、復元模写でした。
というか、僕が今いるのは、青蓮院は青蓮院でも青蓮院門跡。
その国宝は、どうやら青蓮院の敷地内にある将軍塚青竜殿で開帳されているようです。

青蓮院門跡からシャトルバスで約20分。
将軍塚青竜殿に辿り着きました。

将軍塚青竜殿


こちらは、先月10月にオープンしたばかりの話題のニュースポット。
京都を一望できる、そのロケーションは一見の価値アリです。
清水の舞台の4.6倍の広さを誇る舞台からの眺めも、国宝クラスでしたが。
メインは、やっぱり、こちらの国宝仏教絵画↓

青不動


《絹本著色不動明王二童子像》(ジャンル:絵画) です。
1000年近くもの長い間、秘仏だったからこそ奇跡的に残った青色の美しさに、震えるほど感動しました。
これまで目にしてきた国宝の絵画の中でも、5本の指に入る傑作です。
12月23日までご開帳されていますので、皆様も是非!


《絹本著色不動明王二童子像》 をじっくり堪能。
将軍塚青竜殿からの眺めも、じっくり堪能し、気づけばすっかり日が落ちていました。

「さて、ぼちぼち京都国立博物館に向かうかな・・・ん?!」

雨が降ってくるわ、帰りのシャトルバスがなかなか出発しないわ、で、かれこれ18時半すぎに京博に到着。
まぁ、でも、閉館まで1時間半もあれば、
“国宝 鳥獣戯画と高山寺”“京へのいざない” も観られるでしょう。

結論から言うと、その考えは甘かったです。
“国宝 鳥獣戯画と高山寺” は、想像以上に大人気の展覧会。
《紙本墨画鳥獣人物戯画》(ジャンル:絵画) を観るのに、40分待ちを余儀なくされました。。。

実は、京博に到着してからの写真は1枚もありません。
写真を撮っている余裕がないくらいに、せっぱつまっていたのです。
それでも、どうにか “国宝 鳥獣戯画と高山寺” だけは鑑賞。

《紙本墨画鳥獣人物戯画》 以外に、

《紙本著色明恵上人像》(ジャンル:絵画)
《絹本著色仏眼仏母像》(ジャンル:絵画)
《明恵上人歌集〈高信筆/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《玉篇巻第廿七〈前半/〉》(ジャンル:書跡・典籍)
《冥報記》(ジャンル:書跡・典籍)
《篆隷万象名義》(ジャンル:書跡・典籍)

をハンティングすることは出来ました。
“京へのいざない” は、明日、もう一度来ることにします。
一泊することにしておいて良かったです。

しかし、この決断が、とある悲劇を生もうとは。。。
その模様は、次回に!


今現在の国宝ハンティング数 661/1092




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