現在、目黒区美術館では、 “フジタのいる街角―巴里の誘惑、1910~30年代” が開催されています。
目黒区美術館の作品収集の基本的な柱となっているのが、 『海外で学んだ画家たちとその作品』 。
そうしてコレクションされた絵画作品のうち、
戦前にパリに関わった日本人画家の作品を中心に紹介したのが、今回の展覧会です。
展示の中心となっているのは、展覧会のタイトルからも想像がつくように、藤田嗣治の作品でした。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
油彩画にリトグラフ、鉛筆画など、様々な藤田嗣治作品が紹介されています。
中でも、珍しかったのは、藤田嗣治が使っていたという自作のテーブル。
もしキャプションが無かったとしても、これは藤田嗣治のテーブルであるとわかったことでしょう。
持ち主の個性が、あまりにも出すぎです (笑)
それらの藤田嗣治作品を中心に展示しつつ、
梅原龍三郎や安井曾太郎など藤田嗣治以前にパリに留学していた画家たちの作品や、
藤田嗣治よりも後にパリに渡った画家たちの作品、
さらには、パリに留学した画家たちのパスポートや収集品なども展示されていました。
当時の日本人画家にとって、いかにパリが憧れの街だったのか、
その空気感がちゃんと伝わってくる展覧会でした。
展示されていた作品を観ていて、強く感じたのは、
パリに留学した日本人画家の多くが、西洋の画家の影響をもろに受けているなぁということ。
例えば、里見勝蔵はヴラマンクの影響を。
鈴木千久馬は、ホイッスラーの影響を。
木内克は、モディリアーニの影響を受けていると思われます。
リスペクトかインスパイアか、はたまたパクリか。
何はともあれ、一生懸命に西洋美術を自分のモノにしようとしていた画家たちの熱意が感じられました。
ちなみに、今回展示されていた作品の中で、
もっとも印象に残ったのが、坂東敏雄の 《静物》 でした。
描写力は申し分ないので、静物画としては素晴らしい作品ではあるのですが。
どうにも描かれている落花生やブドウ (?) が美味しそうには見えません。
なぜ、どんぐりと一緒に皿に盛りつけたのでしょうか。
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フジタのいる街角―巴里の誘惑、1910~30年代
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