先日、某浮世絵専門美術館の学芸員さんと不定期に開催している浮世絵散歩企画を開催していたときの話です。
その回の舞台は亀戸ということで、
歌川広重が 《名所江戸百景》 で描いている亀戸天神や亀戸梅屋敷 (跡地) を巡りました。
そんな浮世絵散歩企画中にふらっと立ち寄ったのが、亀戸香取神宮。
一見すると、何の変哲もない普通の神社です。
亀戸天神のように、特に観光スポットにもなっていないようで、地元密着型の神社といった印象でした。
ただ、神社の縁起によると、歴史はとても古く、
徳川家の社寺帳にも載せられ古都古跡12社の1つに数えられているのだそうです。
そんな亀戸香取神宮の御神殿の横に、何やら気になる建物が。
近づいて観てみると・・・
そこには、社宝とおぼしき、御神輿や日本刀がズラリ。
それらに交じって、何やら絵画作品のようなものが展示されていました。
描かれているのは、道祖神祭の情景。
宝船を担ぐ人物とその周りで囃す子どもたちの様子が活き活きと描かれています。
解説によると、こちらは、江東区有形文化財にも指定されている作品で、
なんと歌川広重の晩年の作と推定されている貴重な肉筆画なのだそうです。
・・・・・いやいやいや (笑)
そんな貴重な肉筆画が、ガラスケースがあるとは言え、
こんなにも外に向きだしで展示されているわけがないでしょ。
少なくとも、ここに展示されいているのは、レプリカでしょ。
そう思って、某浮世絵専門美術館の学芸員さんに、
「これがホンモノなわけないですよね (苦笑) 」 と振ってみたところ、
しばらく眺めたのちに、こう一言。
「紙の感じは、本物っぽいよ。」
まさか!そんな!
すぐに宮司さんのもとに駆けつけ、真相を直撃。
「すいません、あそこに飾られている広重の絵って、本物ですか?」
「本物ですよ」
「レプリカとかではなく?」
「本物です。」
・・・・・だそうです。
新・無料で観れる 美術百選 042 歌川広重 《紙本淡彩道祖神祭図》
直射日光に負けないで欲しい。
<無料で観れる美術 データ>
亀戸香取神社
住所:東京都江東区亀戸3-57-22
アクセス:○JR総武線・東武亀戸線 「亀戸駅」 より徒歩10分
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新・無料で観れる 美術百選 《亀戸香取神社(東京都江東区)》
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