今年の12月で、めでたく35周年を迎える原美術館。
それを記念して、現在、原美術館では、
“開館35周年記念 原美術館コレクション展” が開催されています。
約1000点にのぼる所蔵作品の中から厳選した45作品を通じて、
原美術館の35年にわたる活動の一端を振り返ろうという展覧会です。
普段は、なかなか展示されない作品に出合えたのが、一番の収穫。
特に印象的だったのは、草間彌生さんの 《自己消滅》 です。
1980 年 ミクストメディア サイズ可変 ©Yayoi Kusama
いつもの (?) 水玉作品ではなく、芋虫状の謎の物体が全体的にウジャウジャと這っている作品。
思わず鳥肌が立つような、ゾワゾワと来るものがありました。
ただ、そんなおぞましさすら感じる狂気的 (猟奇的?) な作品も、
原美術館の空間と合わせて鑑賞すると、おぞましさが緩和されるから不思議です。
なんなら、ちょっと素敵にすら感じました。
どんな作品が展示されても、それっぽくオシャレに見えてしまう。
それが、原美術館マジックです。
ちなみに、アラーキー (荒木経惟) の 《エロトス》 という、
なかなかにキワどい写真作品も展示されていたのですが。
やはり、原美術館の空間だと、オシャレエロに感じられました。
改めて、原美術館のハコの底力を実感した次第です。
さて、今回のコレクション展の最大の特徴は、
原美術館が、一昨年に李禹煥の 《対話》 という作品を新たに収蔵したことにちなみ、
《線より No.790323》 をはじめとする原美術館が所蔵する他の李禹煥作品や、
李禹煥以外の 「もの派」 の作家の作品が多く展示されていたことです。
そのため、全体的には、ちょっと地味な・・・よく言えば、大人しいトーンの展覧会になっていました。
現代アートが好きな人には、たまらない展覧会だと思いますが。
現代アートにそこまで興味が無い人や慣れていない人には、小難しい展覧会である気がします。
というのも、作品のキャプションに、解説が一切ありません。
現代アートについてある程度知っているという前提で、展覧会が組み立てられていた気がします。
「現代アートハ、ムズカシイデスネー!」 を地で行くような展覧会。
開館40周年に期待です。
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開館35周年記念 原美術館コレクション展
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