Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

天神万華鏡 ~常盤山文庫所蔵 天神コレクションより~

$
0
0
現在、渋谷区立松濤美術館では、
“天神万華鏡 ~常盤山文庫所蔵 天神コレクションより~” が開催されています。

こちらは、実業家・菅原通済により創設された常盤山文庫のコレクションから、
天神様 (菅原道真) に関係する絵画や版画に焦点を当てて紹介した展覧会です。

正直なところ、

“そんなに天神様にまつわる作品なんてあるのだろうか??”

と、美術館を訪れてみるまで半信半疑だったのですが。
会場にズラリと並んだ天神様。
“天神様、天神様、一つ飛ばして天神様” 状態でした。

鈴木其一の 《束帯天神像》 を含めプレーンな天神様 (?) も数多くいましたが。

鈴木其一 


やたらと引きのアングルで描かれた天神様や、

束帯天神像  白井直賢 《束帯天神像》


マジ切れ顔の天神様、

綱敷天神  《綱敷天神像》


頭巾の部分を 「天」 、道服の部分を 「神」 の草書体で表したたため、
結果として、何だかレゴブロックの人みたくなってしまっている天神様に、

天神  近衛信尹 《渡唐天神像》


仲間になりたそうにこちらを見ている天神様、

天神様  《渡唐天神像》


牛を華麗に乗りこなしている天神様など、

騎牛  《騎牛天神像》


想像していた以上にバリエーション豊富で、驚かされました。
それぞれの天神像には、ちゃんと意味があり、
菅原道真という一人の人間が、いつしか神となり、
その神となった天神様が、時代が経つにつれ、いろんなバージョンが派生していく。
まるで伝言ゲームのように図像が変遷していく様は、大変興味深かったです。
星


今回展示されていた天神様の中で一番印象に残ったのは、三浦乾也の 《天神立像》 でした。

天神立像


てか、誰?!

天神様という気が全くしません。
というか、人という気も全くしません。
腕の位置が下過ぎるから?


ちなみに、こちらの展覧会は、1月4日より後期が始まります。
後期には、柿本人麻呂との共演を果たした 《人麿・天神像》 が出展されるとのこと。

人麻呂


絵づらは、FNS歌謡祭を彷彿とさせます。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在3位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ   にほんブログ村 美術ブログへ

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles