世田谷美術館で開催中の “難波田史男の世界 イメージの冒険” に行ってきました。
こちらは、日本の抽象絵画の推進者である難波田龍起を父にもち、
32歳という若さで他界してしまった難波田史男 (1941~1974) の展覧会です。
世田谷美術館が所蔵する全800点余の史男作品の中から選りすぐられた約300点が会場を埋め尽くしています。
フェリーから転落してしまう事故で、この世を去った難波田史男。
その最期を予兆していたのでしょうか。
《トロンボーンの行進曲》 1967年 世田谷美術館蔵
《水中庭園》 1967年 世田谷美術館蔵
後半生の作品には、どこか深い水の底を連想させるような作品が多かったのが印象的でした。
今の自分の年齢が史男の享年と同じということもあって、後半生の作品には心が共鳴するものがあったのですが。
個人的には、難波田史男の画家人生の前半に描かれた明るく楽しい作品群のほうに惹かれました。
例えば、トルストイの小説からインスピレーションを得たという 《イワンの馬鹿》 という作品。
《イワンの馬鹿》(12点組) 1967年 世田谷美術館蔵
絵の前に立つだけで、心がウキウキしてくるような底抜けに明るい作品です。
しばらく観ていると、絵の中の登場人物 (?) が自由に動き出しそうな気がしてきました。
さらには、ファンファーレのような音楽が鳴り響いてきそうな気もしてきました。
その世界観に一番近いものを挙げるなら、 『トイザらス』 のCMである気がします。たぶん。
こちらの 《イワンの馬鹿》 以外にも、約9mの 《サンメリーの音楽師》 や、
約12mの 《モグラの道》 といった底抜けに明るい世界観の大作が展示されていますので、どうぞお楽しみに。
ちなみに。
展覧会のラストには、難波田史男の父・難波田龍起の作品も4点ほど展示されています。
作品として純粋に見比べてしまうと、父の作品のほうに圧倒的な凄味を感じました。
それだけに、
「もし、難波田史男が、もっと長生きしていたら・・・」
そう思わざるを得ませんでした。
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難波田史男の世界 イメージの冒険
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