第九十一話　国宝ハンター、歩く！

～前回までのあらすじ～
　国宝PERFECT YEARであった今年中に何としても国宝を700件観る。
　そんな目標を達成するために、岡山へとやってきた国宝ハンター。
　岡山県では、無事に予定をこなし、4件の国宝をハンティングしました。
　そして、次なる目的地を目指して、広島県の福山へと向かうのであった。


岡山駅から約1時間。
倉敷を華麗にスルーして、福山駅へとやってきました。




福山駅の目の前には、福山城。




そして、その足もとにあるのが、ふくやま美術館です。




こちらで開催されていたのは、 “ 国宝 名物日向正宗 －三井記念美術館と小松コレクションの名刀－”。
福山藩祖・水野日向守勝成が所持したことで知られ、
相州正宗の代表作としても名高い 《短刀〈無銘正宗（名物日向正宗）／〉》 が、初里帰りしている展覧会です。
《短刀〈無銘正宗（名物日向正宗）／〉》 に関しては、第四話でハンティング済なのですが。
有難いことに、こちらの展覧会には、三井記念美術館が所蔵するもう一つの国宝刀、
《短刀〈無銘貞宗（名物徳善院貞宗）／〉》 （ジャンル：工芸品） も里帰りに同行。
さらに、それらを迎え撃つように （？） 、
ふくやま美術館が所蔵する7件の国宝の刀も全て展示されていました。
そのうちの6件が未ハンティング。

　・《短刀〈銘国光（名物会津新藤五）／〉》 （ジャンル：工芸品）
　・《太刀〈銘吉房／〉》 （ジャンル：工芸品）
　・《太刀〈銘国宗／〉》 （ジャンル：工芸品）
　・《太刀〈銘正恒／〉》 （ジャンル：工芸品）
　・《太刀〈銘則房／〉》 （ジャンル：工芸品）
　・《太刀〈銘筑州住左（江雪左文字）／〉》 （ジャンル：工芸品）

を無事にハンティングしました。

ちなみに、《太刀〈銘吉房／〉》 は、先ほど、岡山の林原美術館でも見たばかり。
とは言え、名前は同じでも、違う 《太刀〈銘吉房／〉》 です。
《太刀〈銘吉房／〉》 という名で国宝指定されている刀は、全部で5件。
うち4件は、これでハンティング済。
残るあと1件の 《太刀〈銘吉房／〉》 は、東京の個人蔵です。
所蔵者さん、もし、こちらの記事を読まれていたら、ご一報お願いしますm(__)m


一気に8件もの国宝をゲットし、あとは今回の旅の最終目的地。
明王院を目指すのみです。

・・・・・が。

明王院に向かうバスが、しばらく来ないことが発覚。
わかりましたよ、歩きますよ。


ということで、歩くこと約40分。
福山城がだいぶ遠くに見えています。




今日一日で、どれくらい歩いたのでしょうか。
そして、どれほど足に乳酸が溜まったのでしょうか。
ともあれ、こちらが、最終目的である明王院です。
こんな駅から遠い場所に国宝があるのかと思いきや・・・




《明王院本堂》（ジャンル：建造物） も国宝なら、




《明王院五重塔》（ジャンル：建造物） も国宝です。




そう広くない敷地に２つの国宝。
国宝の穴場スポットです。

国宝を無事にＷハンティングし、本堂にてお参り。
今年1年、無事に国宝ハンターを続けられたことへの感謝と、
来年も、引き続き国宝をハンティングし続けられるようにという祈願、
そして、帰りこそバスがありますようにという悲願を込めました。


・・・・・・たかだか30円に願いをこめ過ぎたためでしょうか。
バスは来ませんでした。
歩いて福山駅に戻る国宝ハンターなのでした。

来年は、もう少しだけ、楽をしたいです。


今現在の国宝ハンティング数　７０２／１０９３




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