現在、三井記念美術館では、雪と月と花という切り口でコレクション作品を紹介する、
“雪と月と花 ~国宝「雪松図」と四季の草花~” という展覧会が開催されています。
ストレートに (?) 、雪や月、花が描かれている絵画や工芸品もあれば、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
《粉引茶碗 銘残雪》 や、
粉引茶碗 銘残雪 朝鮮時代・16世紀 三井記念美術館蔵
《備前徳利花入 銘雨後月》 のように、
備前徳利花入 銘雨後月 桃山時代・16~17世紀 三井記念美術館蔵
雪や月、花に見立てた銘が付けられた茶道具も紹介されています。
雪月花という題材が、いかに日本美術の世界に浸透しているのか。
その奥深さと幅広さを感じることが出来る展覧会になっていました。
会期は、2015年1月24日まで。
展示の目玉は何と言っても、1月4日より展示される国宝の 《雪松図屏風》 です。
国宝 雪松図屏風 円山応挙筆 6曲1双 江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵 展示期間:1月4日~1月24日
あえて紙の地を白く塗り残すことで雪を表現した円山応挙の傑作の一つ。
三井記念美術館コレクションのマスターピースと言っても過言ではありません!
是非、新年1発目に愛でたい、おめでたい作品です。
・・・・・と書いてしまうと、今月中に、こちらの展覧会に誰も足を運ばなくなってしまいそうなので。
12月25日までは、代わりに、重要文化財の 《日月松鶴図屏風》 が展示されています。
重要文化財 日月松鶴図屏風 6曲1双室町時代・16世紀 三井記念美術館蔵 展示期間:12月11日~12月25日
《雪松図屏風》 は、松が描かれているだけですが。
こちらの 《日月松鶴図屏風》 には、松にくわえて鶴も描かれています。
おめでたさで言ったら、こちらの作品のが上です (←?) 。
16世紀に描かれた作品だからなのかもしれませんが、
鶴が写実的に描かれておらず、ちょっと不思議な感じで描かれていました。
顔をアップで観ると、ちょっと怖かったです (笑)
さてさて、今回展示されていた作品の中で、
個人的に一番印象に残っているのは、酒井抱一筆の 《秋草に兎図襖》 です。
秋草に兎図襖 酒井抱一筆 4面江戸時代・19世紀 三井記念美術館蔵
強風になびくススキと、そんな強風に立ち向かう兎が描かれている襖絵ですが。
実は、この強風に見えるのは、描かれたものではなく、薄い板を斜めに張り合わせた襖の地の部分。
遊び心とデザインセンスが抜群です。
また、遊び心とデザインセンスと言えば、
三井家が所蔵する水晶玉を飾るためだけに作られたという 《月宮殿蒔絵水晶台》 も。
月宮殿蒔絵水晶台 象彦製 明治~昭和時代・19~20世紀 三井記念美術館蔵
水晶を月に見立て、中板には三井鉱山所有の鉱山より産出された鉱石をあしらった贅沢な工芸品です。
お金持ちのセンスは、えてして悪趣味な気がしますが (←貧乏人の偏見)
ここまで遊び心とデザインセンスが際立っていると清々しさすら感じます。
眼福でした。
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雪と月と花 ~国宝「雪松図」と四季の草花~
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