マイセンに、
マイセン 上絵金彩貼花鳥蓋付カップ&ソーサー 1880-1900年
ロイヤル・コペンハーゲンに、
ロイヤル・コペンハーゲン 釉下彩蝶に花図カップ&ソーサー 1902-22年
KPMベルリンに、
KPMベルリン 上絵金彩花文カップ&ソーサー 1901-25年
ヨーロッパの名窯で作られたものを中心に、
約300点ものデミタスが紹介された展覧会が、三井記念美術館で開催されてます。
その名も、 “デミタス コスモス~宝石のきらめき☆カップ&ソーサー~” 。
会期は、4月5日まで。
今回紹介されているデミタスはすべて、東京在住のとある夫婦のコレクションです。
よっぽどのセレブな夫婦かと思いきや、企業に勤める普通のサラリーマンだったとのこと。
結婚当初、二人に共通する趣味がなかったので、
お互いとも好きだったコーヒーにちなみ、デミタスを集めてみようと収集をはじめたそうです。
以来、月に1点、二人で納得したデミタスだけを購入し続け、
現在では、500件を超える一大デミタスコレクションにまで成長。
まるで 『ハーブ&ドロシー』 の日本版のようなコレクションです。
ハーブ&ドロシー [DVD]/ポニーキャニオン
・・・・・と。
ついついコレクションのエピソードに注目してしまいがちですが。
会場では、是非、紹介されているデミタスそのものにも注目して頂きたいです。
いや、言われずとも、注目せざるをえないでしょう!
実は、正直に申しあげますと。
展覧会のポスターやHPをチェックした段階では、
“ふむふむ。今回の (デミタスの) は、マダムにはウケそうな展覧会だなぁ”
と、高をくくっていました。 (三井記念美術館の皆様、申し訳ありませんm(__)m)
ところが、会場に一歩足を踏み入れた瞬間、衝撃が走りました!
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
「!!!!!」
一拍おいて。
「小っちゃ!!」
ポスターやHPで目にして、頭の中で思い浮かべていた姿と比べて、
実物のデミタスの姿は、半分から3分の2サイズくらいの大きさしかありませんでした。
実物が小さくて、ガッカリ・・・ではありません。
むしろ、逆。
僕の経験則上、写真で見て思い浮かべていた姿よりも、
実物が小さく感じるものほど、素晴らしい作品であることが多いです。
それは、フェルメールの作品にしかり、名建築にしかり。
ディテールまで神経が行き届いている作品ほど、
写真で目にしたときに、脳内で勝手に大きさを補完してしまうものなのです。
(反対に、写真よりも実物のが大きいと感じる作品は大味です)
今回紹介されているのは、そんなディテールにまでこだわり抜かれたデミタスばかり。
期待の斜め上をいく展覧会でした。
美しい絵付けがされたデミタスであったり、
カップのハンドルが蝶になっているデミタスであったり、デミタスの種類もたくさん。
中には、ジャガイモを模した変わり種のデミタスも。
小さいながら無限の奥行きを感じる世界がありました。
肉眼では眼精疲労を起こしかねないですが、
自分の目が許す限り、よ~く目を凝らして、デミタスの世界を隅々まで堪能してくださいませ。
ちなみに。
僕のイチオシは、天才職人ジョージ・オーエン作のデミタスです。
ロイヤルウースター 上絵金彩ジュール透彫カップ&ソーサー 1880年代
最初目にした時は、普通に美しいデミタスだなくらいにしか思いませんでした。
しかし、僕と同じようなことを思って、コーヒーを注いでしまうとアウトです。
大変なことになります。
実は、こちらのデミタスはソーサーも含めて全体に規則的に小さな穴が開けられているのです。
まさに神業。まさに超絶技巧。
そんなデミタスを、第一印象では普通に美しいなぁとしか思えなかった自分・・・。
穴があったら入りたいです。
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デミタス コスモス
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