東京都現代美術館では、5月10日まで、
“ガブリエル・オロスコ展-内なる複数のサイクル” が開催されています。
ガブリエル・オロスコは、1990年代前半から現在まで、
国際的に活躍しているメキシコ生まれの現代アーティストです。
その代表作にして出世作が、1950年製のシトロエンDSを縦に三分割し、
真ん中部分を取り除き、丁寧に貼り合わせ2人乗り (?) の車となった 《La DS》 という作品です。
今回の国内美術館初のガブリエル・オロスコ展には、その2013年ver.の 《La DS カーネリアン》 が出展されています。
ガブリエル・オロスコ 《La DS カーネリアン》 2013年 変形した車 489×122×147cm
展覧会を訪れる前に、作品画像を目にしていたので (いわばネタバレしているので) 、
「まぁ、実物を目の前にしても、そんなに驚かないだろう。」 と、軽く考えていたのですが。
「なんだこれは!」
いざ実物が目の前に現れたら、余裕で度肝を抜かされました。
そして、しばらくフリーズ。
おそらく、普段は意識していないですが、
自分の頭の中に “自動車はこういうものだ” という姿があるのでしょう。
その姿から逸脱したものが目に飛び込んできたために、
自分の理解が追い付かず、ひいては動揺してしまったものと思われます。 (←自己分析)
で、1拍もしくは2拍くらい置いて、面白さがやってきます。
「なんだこれは!」 から、 「なんだこれはw」 へ。
絶妙なラインをついてくる作品でした。
その絶妙なラインをついてくる感じは、
他のガブリエル・オロスコの作品でも発揮されています。
写真作品しかり、
ベンチレーターを使用した作品しかり、
どん兵衛 (!) を壁に展示した作品しかり、
久しぶりに、 「現代アートって、なんか面白いなぁ」 と感じられる展覧会でした。
(↑「現代アートって、面白いなぁ」 ではなく、 “なんか” と付いているのがポイントです)
ちなみに、ガブリエル・オロスコ展に行ってみたいと思われたならば、2人以上で行かれることをオススメします。
と言いますのも、是非、 《ピン=ポンド・テーブル》 を体験頂きたい。
ガブリエル・オロスコ 《ピン=ポンド・テーブル》 1998年
変形卓球台、卓球ラケット、ボール、水槽、ポンプフィルター、蓮 H76.7×W424.5×147cm 金沢21世紀美術館蔵
こちらの真ん中に池がある妙な卓球台の作品は、
なんと実際にプレイすることが可能です。
自分は一人で訪れたので、プレイしませんでしたが、
出来ることならば、この難易度の高い卓球台でスマッシュを決め、
東京都現代美術館の中心で、 「サー!」 と叫びたかったです。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
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ガブリエル・オロスコ展-内なる複数のサイクル
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