現在、出光美術館では、今年で没後50年を迎える小杉放菴 (1881~1964) の回顧展が開催されています。
“没後50年 小杉放菴 ―〈東洋〉への愛” は、3月29日まで。
出光美術館コレクションを中心にした約90点の作品で、小杉放菴の画業を紹介する美術展です。
《金太郎遊行》 や、
《湧泉》 など、
どことなく漫画チックな画風の小杉放菴。
その最たる (?) 作品が、代表作の 《天のうづめの命》 です。
天の岩戸に身を隠したアマテラスオオミカミを誘い出すべく、
とっておきの面白い舞を披露するアメノウズメの姿が描かれています。
実は、このアメノウズメには、モデルがいるのだとか。
渡辺えりではありません。
正解は、笠置シヅ子。
『東京ブギウギ』 をモデルにしているのだそうです。
実に軽快な一枚です。
今回の小杉放菴展には、もちろん、これらのような漫画チックな作品も数多く展示されていましたが。
小杉放菴による花鳥画や、
《梅花小禽》
点描スタイルが新印象派っぽい洋画風の作品など、
《帰院》
幅広いスタイルの小杉放菴作品が紹介されていました。
期待以上に見応えたっぷりの美術展でした。
また展覧会の最初では、小杉放菴が小杉放菴になる前、
小杉未醒と名乗っていた洋画家時代の作品の数々も紹介されています。
この頃の彼が崇拝していたのは、フランスの壁画家ピュヴィス・ド・シャヴァンヌだったそうです。
《水郷》
・・・・・確かに。
シャヴァンヌの 《貧しき漁夫》 をパク・・・あ、いや、リスペクトしているのは明らかでした。
(注:今回の展覧会には出展されていません)
ちなみに。
今回出展されていた作品の中で、個人的に最も印象的だったのは、 《白雲幽石図》 。
宙を舞う巨大な岩に、ちょこんと仙人が座っている。
シュールにもほどがある一枚です。
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没後50年 小杉放菴 ―〈東洋〉への愛
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