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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第九十五話 国宝ハンター、決着をつける!

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前回までのあらすじ~
 富岡製糸場ではからっ風に吹かれ、愛知県犬山では雪に吹雪かれ。
 そんな凍えそうな季節でも、国宝をどーこー云う男・とに~。
 現在ハンティングした国宝の数は709件。
 年内800件達成を目指す国宝ハンターに休みは無い!



2月のとある月曜日。
トーハクは休館日なのですが、ご招待いただいたので、こちらの記者発表会兼内覧会へ。

トーハク


この日お披露目されたのは、
平成の大修理を終えたばかりの狩野永徳筆 《紙本金地著色桧図〈/八曲屏風〉》 (ジャンル:絵画) 。

檜


一見すると、そんなに驚くほど綺麗になった印象は受けませんが。
実は、これまで8曲1隻だったものが、制作当時の姿に戻すべく4曲1双へと大胆に変身させられているのです。

檜図屏風


8曲1隻時代のレプリカと見比べてみると、違いは歴然。
より見やすくなりました。
国宝ハンターのために修理してくれてありがとうございます (←?) 。


ちなみに、関連展示として、本館1室では、
“東京国立博物館コレクションの保存と修理” が開催されていました。
こちらに修理されたばかりの 《大慧宗杲墨蹟〈尺牘/十月初二日〉》(ジャンル:書跡・典籍) が展示されており、

大慧宗杲墨蹟〈尺牘/十月初二日〉


棚ボタ的に2件目の国宝をゲット。
重ね重ねありがとうございます。


さてさて、それから2週間後、京都へと行ってきました。
すでに京都は6度目。
そして、今回も高速バスです。

高速バス


22時45分に東京を出発し、京都駅に着いたのが6時10分。
到着と同時に寝起きダッシュで、東寺へと向かいました。

東寺


そして、 《教王護国寺大師堂(西院御影堂)》 第二十三話でハンティング済) へ。

東寺


建物の中からお経のようなコーランのようなものが聞こえてきます。
中に入るのは、かなり躊躇われましたが、国宝を観たいがために、勇気を出して中へ潜入します。
えい、ままよ。

内部で行われているのは、生身供 (しょうじんく) という儀式。
弘法大師・空海さんは、まだ生きているという信仰に基づいて、
毎朝6時より、一の膳、二の膳、お茶をお供えしているのだそうです。
そのため、 《木造弘法大師坐像〈康勝作/(御影堂安置)〉》(ジャンル:彫刻) のお姿がオープンになるのです。

・・・・・・しかし、だいぶ暗くて遠い。
肉眼でギリギリ判別できるかどうかというところ。
もう少し近くで観れればなぁと思っていたら、
隣に座っていた信者の方から、もっと前に行くように促されました。
これは、ラッキーな展開です。
なんとかギリギリ目にすることが出来ました。

と、次の瞬間です。
お坊さんが目の前に現れて、僕の頭の上に、
謎のオレンジ色の物体を押しつけて、ムニャムニャ言い始めました。

何、この儀式 (汗) ??

さらに、両手を差し出すような形を要求され、両手の上にもオレンジ色の物体を押しつけてムニャムニャと。
謎のセレモニーに参加してしまった以上、国宝を観たから、はい退散、というわけにもいかず。
しばらく、御影堂にとどまりました。
(帰宅後調べたところ、謎のオレンジ色の物体は仏舎利だとわかりました)


その後、京都駅へ戻り、そこからバスに乗って醍醐寺へ。
まずは、醍醐寺霊宝館にて、

醍醐寺


《絹本著色五大尊像》(ジャンル:絵画) をハンティング。

不動明王


5体揃った姿は圧巻も圧巻。
それぞれが炎をバックにしており、まるで戦隊ヒーローのようでした。


そして、いよいよ今回の国宝の旅最大の試練へ。
醍醐寺の女人堂より上醍醐を目指します。

上醍醐  上醍醐


思い起こせば、2012年の初京都国宝の旅でのこと。
醍醐寺へとやってきたものの上醍醐までは片道1時間かかると知り、
断腸の思いで上醍醐エリアの国宝2件を諦めたという苦い過去があります。
(その時の模様は、こちら
あれから3年、ずっと心にトゲが刺さったまま。
そろそろ決着をつける時が来たようです。

というわけで、入山料600円を払って、いざ上醍醐へ。

上醍醐


想像していたよりも、ハードな山道に悪戦苦闘を強いられます。
前日、雨が降っていたようで、かなりの悪路となっていました。

悪路


それでも、時折現れる目印を頼りに、上醍醐へと歩を進めます。

七丁


順調に七丁、八丁、九丁と登り続け、

九丁


そろそろゴールか・・・と思いきや、

十一丁


十丁を飛ばして、十一丁、さらに、十二丁、十三丁とカウントアップは止まりません。
ここに来て、どうやら 「○丁」 と 「○合目」 は別物であったことが発覚。

一体いつまで登るんだ (泣)

と、ここでリアルにふらつく国宝ハンター。
夜行バス⇒寝起きダッシュ⇒謎の儀式⇒登山という怒涛の展開で、限界が近づいてしまったようです。

これまでに国宝ハンターとして、数々の苦難を乗り越えてきましたが。
まず間違いなく、今回が過去最大にキツい状況です。

この企画始まって以来のリタイアが、頭をよぎりました。

果たして、どうするどうなる国宝ハンター。
この続きは、次回!



今現在の国宝ハンティング数 713/1093




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