東北歴史博物館で開催されている “みちのくの観音さま -人に寄り添うみほとけ-” に行ってきました。
現在、東京国立博物館でも、みちのくの仏像にスポットを当てた “特別展 みちのくの仏像” が開催中ですが。
こちらは、みちのく (=宮城県) で開催されている分、
より “みちのく感 (←?) ” が強調されていたように思います。
いい意味で、ローカル感の強い展覧会でした。
展示されている仏像も、東京国立博物館で展示されているような美しい仏像は少なく。
もっと素朴で、もっと牧歌的で、よく言えば、プリミティブな魅力溢れる仏像ばかりでした。 《観音菩薩坐像》 天台寺(岩手県二戸市)
《観音菩薩立像》 観音寺(岩手県陸前高田市)
《十一面観音立像》 小沼神社(秋田 大仙市)
個人的にお気に入りな仏像は、
十八夜観世音堂 (宮城県仙台市) の 《菩薩(観音菩薩)立像》 です。
顔の造形が、かなり個性的。
『The World of GOLDEN EGGS』 に出てきそうな感じでした。
さてさて、今回の展覧会の目玉は何と言っても、
秋田県水神社が所蔵する国宝の 《線刻千手観音等鏡像》 です。
こちらは、なんと1年に1度、8月17日にしかご開帳されないという貴重な国宝。
そんな 《線刻千手観音等鏡像》 が、展示期間中、ずっとご開帳されています。
それも、ほぼ貸切状態で。
15㎝にも満たない鏡の中に、実に細かい線で彫られた千手観音とそのゆかいな仲間たちの姿は必見も必見!
震えるくらいに、感動的な作品でした。
これまで自分が目にしてきた仏教美術の作品でも、かなり上位にランクインする素晴らしさ。
《線刻千手観音等鏡像》 を観るためだけに展覧会に行く価値は大アリです。
(さすがに、東京からだと悩むところですが・・・)
ちなみに、展覧会の後半は、 「観音菩薩への祈り」 がテーマ。
さまざまな資料で、東北地方に根付く信仰文化が紹介されていました。
民俗学のお勉強という感じで、こちらは、正直なところ、少し退屈に感じてしまいましたが。
青森県の円覚寺に奉納されたという 《髷絵馬》 は、かなり衝撃的でした。
江戸時代、航海中に嵐に遭うと、船を安定させるため、帆を下ろし、碇を下ろし、
それでも危険が回避できなさそうな場合には、自分たちの髷を落として、神仏に祈願したのだそうな。
その願いが神仏に届き、無事に帰還した暁には、その落とした髷を絵馬にして奉納したのだとか。
・・・・・・・いや、神仏も髷は別に欲しくなかったと思いますよ。
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みちのくの観音さま -人に寄り添うみほとけ-
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