~前回までのあらすじ~
「国宝は醍醐寺にあり!」
以前に一度、醍醐寺を訪れながらも、時間の関係上、
上醍醐に登るのを諦めた国宝ハンターは、3年半もの間、その決断を悔やんでいた。
そんな自分に決着をつけるべく、再び醍醐寺を訪れた国宝ハンターは、ついに上醍醐エリアへ。
しかし、それはかつてないほどキツい道のりであった。
リタイアの4文字が頭をよぎる国宝ハンター。
果たして、その結末やいかに?!
登山開始から約30分が経過。
いよいよ足が上がらなくなってきました。
“こんなにキツいとわかっていたなら、登山用の恰好で来るんだった。。。”
しかし、時すでに遅し、です。
というか、いくら1時間かかるとはいえ、参拝する格好で来るでしょ、普通。
こんな調子で、あと30分も登るのかと思っていたら、なんと10分後に社務所に到着。
そして、ほどなく 《醍醐寺清滝宮拝殿》 (ジャンル:建造物) にも到着しました。
どうやら1時間かかる道のりを、約40分で踏破してしまった模様。
どうりで疲れているはずです。
さてさて、もう1つの国宝は、いずこに?
ん?・・・えっ!
あと15分もかかるのかよ!! (←三村マサカズ風)
いや、騙されました。
完全なるぬか喜びです。
・・・・・と思いきや。
数分後には、 《醍醐寺薬師堂》 (ジャンル:建造物) に到着しました。
ぬか喜びからのぬか怒り。
どうやら、約15分というのは、山頂までの所用時間だったようです。
国宝ハンター的には、もう国宝は抑えたので、
山頂にある重要文化財の開山堂とか如意輪堂とかは、どうでもいいのです。
・・・・・が。
もう一生ここまで登ってくる機会はないでしょう。
生まれ変わっても、ここまでは登らないでしょう。
せっかくなので、残りの気力を振り絞って山頂を目指してみることにしました。
なんとか山頂に辿り着きましたが、 「ふ~ん。」 という感じでした (笑)
ちなみに。
山頂にあった自販機が、ちょっと変なことになっていました。
ファイアの自販機なのに、全部ボルヴィック!!
なぜ、このようなことになっているのか。
その答えがすぐ近くにありました。
国宝や重要文化財を有する境内だけに、火気 (ファイア) 厳禁。
たぶんそういうこと。
その後、1時間かけ下山 (←行きより時間がかかりました) 。
さらに、30分かけ徒歩で法界寺へ。
法界寺は、あの親鸞や日野富子などを輩出した日野一族の氏寺です。
そのため、日野薬師とも呼ばれています。
こちらの 《法界寺阿弥陀堂》 (ジャンル:建造物) が、まず国宝。
さらに、その阿弥陀堂内の 《木造阿弥陀如来坐像(阿弥陀堂安置)》 (ジャンル:建造物) も国宝です。
平等院鳳凰堂ご本尊に最も近い定朝様式の典型的な優れた仏像とのこと。
丈六 (=約4.85メートル) の実に立派な仏像でした。
掛け値なしに素晴らしかったです。
さてさて、法界寺を後にし、六地蔵という駅まで徒歩で約30分。
今日はいつも以上に歩いている気がしますが、疲れに疲れて、どうやら感覚がマヒしてしまったようです。
六地蔵駅から京阪線で七条駅へ。
そして、京都国立博物館へとやってきました。
現在は特別展は開催されていませんが、
平成知新館の一室にて、 “奈良朝写経” という特集展示が行われています。
1字1句正確にトレースされたという奈良時代の写経の名品を紹介した展覧会です。
アートテラーとして、これまで2000近い展覧会を観て来ましたが。
1,2を争うほどの地味な展覧会でした (笑)
観シュランガイドなら確実に星なしです。
しかし、国宝ハンター的には、国宝が4件も出展されているため、大当たりの展覧会でした。
4件のうち 《大般若経》 は、すでにハンティング済ですが。
わが国最古の写経として名高い 《金剛場陀羅尼経》 (ジャンル:書跡・典籍) に、
《千手千眼陀羅尼経残巻(天平十三年七月十五日玄昉願経)》 (ジャンル:書跡・典籍) 、
《浄名玄論》 (ジャンル:書跡・典籍) の3件を無事にハンティング。
これにて今回の目的は達成。
14時には東京行きのバスに乗り込みました。
京都に滞在したのは、わずか8時間。
贅沢なような、貧しいような。
今現在の国宝ハンティング数 720/1093
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
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第九十六話 国宝ハンター、リタイアする?!
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