な、なんなんだ、このカオスなポスターは!!
一目見た瞬間に、背筋がぞくぞくしました (笑)
面白そうな予感がプンプンするので、
早速、国立歴史民俗博物館で開催中の “大ニセモノ博覧会-贋造と模倣の文化史-” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
“大ニセモノ博覧会” と銘打たれているだけに、
会場には、約300点にもおよぶニセモノがズラリ (一部、ホンモノも) 。
詐欺事件に使われたニセモノや、
2000年に世間を騒がせたニセモノ、
ニセ酒作りの秘伝書や徳川家康のニセ文書、化石のレプリカなど、
一口にニセモノと言っても、その種類や用途はさまざまです。
その中でも多くを占めていたのが、某番組でも登場するような絵画のニセモノ。
「明らかに、雪舟じゃないだろw」 とわかるような伝雪舟の 《鷹ノ絵》 を筆頭に、
伝雪舟「鷹之絵」掛軸(個人蔵)
美術館では決してお目にかかれないようなドイヒーな作品のオンパレードでした (笑)
作品に添えられた教授のつぶやきも秀逸です。
この記事を読んでくださっている方の中には、
「何でお金払って、ニセモノを観なければならないんだ」 と思った方もいらっしゃるでしょうが。
今後、いろいろな美術展に行って、ホンモノの美術を楽しみたいのでしたら、
“大ニセモノ博覧会” を訪れて、ニセモノの数々を目に焼き付けられることを激しくオススメします。
ニセモノを観ることで、逆説的にホンモノの良さがわかります。
現に、自分はこの翌日に府中市美術館に行って、
“動物絵画の250年” という江戸絵画展を目にしてきたのですが、
いつもの3割増しで、ホンモノの美術作品が放つパワーを実感できました (笑)
さてさて、展覧会の目玉は、なんといってもポスターにも使われている人魚のミイラ。
実は、こちらはニセモノでなくて、ホンモノの人魚のミイラなのだとか。
人魚のミイラ(国立歴史民俗博物館蔵)
いや、もちろん人魚自体は、ニセモノなわけで。
ホンモノなのは、その作り方。
幕末から明治にかけて、日本でたくさん制作され、
欧米に輸出された人魚のミイラと同じ作り方で、制作されたものなのだとか。
それも、昨年に!
ちなみに、作り方は、パネルで紹介されていました。
「安い醤油の入った溶液に入れ」 とか 「縁の下で約四十日間乾燥させる」 とか。
ところどころに気になる部分があります (笑)
そんな人魚のミイラを普通に展示するのではなく、
見世物小屋風に怪しげに展示しているのが、今回のハイライト。
国立歴史民俗博物館、いい仕事をしています。
他にも、アートテラーのくせにホンモノを見抜けなくて自己嫌悪した小判のコーナーや、
音のニセモノということで (←ちょっと苦しいか) 、蓄音機を実演するコーナーなど、
紹介しきれないくらいに、楽しい展示はまだまだありました。
また、ただ楽しいだけでなく、 「ニセモノ」 が作られる意義や文化的な側面を深く考えさせられる面も。
楽しく真面目な展覧会でした。
この面白さは、ホンモノです。
ちなみに。
スマホの無料アプリを使えば、展覧会の音声ガイドを聞くことが出来るのですが。
(イヤホンの持参を推奨します)
その音声ナビゲーターを務めているのが、ギャラ子というボーカロイドです。
声のもとは、柴咲コウ。
なので、限りなく柴咲コウが音声ガイドをしている感じに近いです。
でも、ホンモノではない。
こんなところまで、ニセモノに徹底しているところにセンスを感じます。
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大ニセモノ博覧会-贋造と模倣の文化史-
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