国立西洋美術館では、 “グエルチーノ展” が絶賛開催中ですが。
今回は、あえてそちらはスルーして、常設展示室を鑑賞してまいりました。
と言いますのも。
3月17日より、国立西洋美術館の常設展示室にて、とんでもない作品が展示されているというのです。
これは行かないわけにいきません。
その作品とは、昨年の7月にクリスティーズにて、
624万2500ポンド (10億8600万円) の値段で落札されたフェルメールの 《聖プラクセディス》 です。
正確には、真贋はハッキリしないがフェルメールの作と言えなくもない 《聖プラクセディス》 という作品です。
なんと、この作品を落札したのは、日本人の個人コレクターだったそうで。
その方が、太っ腹にも、 《聖プラクセディス》 を国立西洋美術館に寄託してくださったようです。
《聖プラクセディス》 が本物のフェルメール作品なのか異論はあるでしょうが。
《聖プラクセディス》 を寄託してくれたコレクターさんの心意気は本物です。
ちなみに、この作品には、元ネタがあるのだとか。
こちらが、その元ネタ。
フェリーチェ・フィケレッリという画家が描いた 《聖プラクセディス》 です。
この作品を、若きフェルメールが模写したのだそうな。本物ならば。
自分は専門家ではないので、実物を観たからといって、
それがフェルメールの真筆なのかどうなのかは、わかりませんでした。
ただ、ニセモノ臭くはなかったのだけは確かです。
出来れば、本物であってほしいです。
そうであるなら、日本初所蔵のフェルメール作品ということになります。
真贋がどうであれ、ワクワクしているこの気持ちもまた本物です。
ちなみに、 《聖プラクセディス》 以外にも、新所蔵品が展示デビューしていました。
ドメニコ・プリーゴの 《アレクサンドリアの聖カタリナを装う婦人の肖像》 と、
フアン・バン・デル・アメンの 《果物籠と猟鳥のある静物》 です。
さらには、昨年の “指輪展” で初お披露目された橋本コレクションの一部も展示されていました。
ますますパワーアップした国立西洋美術館の常設展。
特別展のついでに観るなんて、もったいないです。
さてさて、そんな常設展会場内の版画素描展示室では、
“世紀末の幻想―近代フランスのリトグラフとエッチング” という美術展が開催されていました。
こちらは、19世紀のフランスで制作されたリトグラフとエッチングを中心に紹介する展覧会です。
展示作品の中には、 「魂の気配を描く画家」と呼ばれるウジェーヌ・カリエールのリトグラフ群や、
元はポスターなので仕方がないのはわかりますが・・・やっぱり折り目が残念なミュシャの作品も。
個人的に強く印象に残ったのは、ポール=アルベール・ベナールの作品群です。
正直なところ、どれもこれも不気味でした。
その中でも、特に不気味だったのが、 《暖炉のそばで》 という1枚。
完全に、イっちゃってます。
もう一人印象に残っているのが、アンリ=ジャン=ギヨーム・マルタンという画家。
彼の 《荊冠を被った女(沈黙)》 という作品は、静かなインパクトがありました。
思わず、UAやCoccoを連想。
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国立西洋美術館常設展&世紀末の幻想
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