~前回までのあらすじ~
日本全国にある1093件の国宝を目にするために、旅を続ける国宝ハンター・とに~。
これまでに、実に720件の国宝をハンティングしてきました。
残り400件を切り、難易度はアップ。
講演の仕事や旅行のプランを立てる時には、つい近くにある国宝が気になってしまうほどに。
彼は、今日も、こう呟く。
「そこに国宝はあるのかい?」 と。
今回は、杜の都・仙台へとやってきました。
微妙な距離の夜行バスだったこともあって、あまり寝られていません。
コンディションは、最悪です。
仙台駅から仙石線に乗って松島海岸駅へ。
日本三景の一つ・松島に到着しました。
しかし、松島は国宝ではないので、その近くにある瑞巌寺を目指します。
伊達政宗の菩提寺でもある瑞巌寺の境内には、嬉しいことに国宝の建造物が2件も。
まずは、サクサクッと2件の国宝をゲットしてしまいましょう・・・・・ん?
なになに?平成の大修理期間中は本堂、中門、御成門などの拝観は出来ません??
「また、このパターンかよ (泣)」
知恩院 (第二十六話) で、東大寺で正倉院で (第五十六話) で、直近では宇治上神社 (第八十八話) で。
一体、何度、このパターンに遭遇したことでしょう。
松島や (泣)
ああ松島や (泣)
松島や (泣)
のっけから絶望的な気持ちになりましたが、
ここまで来たからには行くだけ行こうと、境内へ。
ただし、テンションはだだ落ちしています。。
拝観チケットが自販機で売られていることすらも、腹立たしく感じました。
実際なら、このような姿の 《瑞巖寺本堂(元方丈)》 が目にできるのですが。
足場などの建築資材に覆われてしまっていました。
あ。いや、でも、全く見えないってわけじゃないですね (←希望が出てきた)
見えるか見えないかで言ったら、 「見える」 ですよね。 (←そういうことにしませんか)
建築資材が邪魔と言えば邪魔ですが、まぁ、ほぼほぼ見えてますね (←そういうことで、ここはどうかひとつ)
さらに言うなら、宝物館に本堂の唐戸や瓦も特別展示されていたわけですし。
というわけで、 《瑞巖寺本堂(元方丈)》 (ジャンル:建造物) をハンティングしました (←押しきったー!)
誰に何と言われようと、自分の中ではハンティングしたことになりました (←自分に言い聞かせたー!)
さらに、 《瑞巖寺庫裏及び廊下》 (ジャンル:建造物) もハンティング。
ありがとう、瑞巌寺。さようなら、瑞巌寺。
さてさて、お次は、国府多賀城駅に隣接する東北歴史博物館へ。
こちらでは、 “みちのくの観音さま -人に寄り添うみほとけ-” という展覧会が開催されていました。
国宝ハンターが狙うのは、秋田県水神社が所蔵する 《線刻千手観音等鏡像》 (ジャンル:工芸品)。
秋田県唯一の国宝です。
毎年、水神社にて展示はされているのですが、8月17日たった1日しか展示されないという激レアな国宝。
いつか行かなくてはと思っていたものの、他に秋田県に国宝が無いため、
「この1件のためだけに8月17日に行くのはなぁ。。。」 と、ずっと二の足を踏んでいました。
そんな中での、こちらの展覧会。
このチャンスを逃す手はありません。
《線刻千手観音等鏡像》 は、想像以上に素晴らしい工芸品でした。
これまで目にした国宝工芸品の中でも、かなり上位にランクインするのではないでしょうか。
ただ、会場で一つ衝撃的な事実を知ることになりました。
なんでも、この展覧会は、昨年に福島でも開催されていたとのこと。
そちらでは、 《線刻千手観音等鏡像》 は、出展されていなかったようなのですが。
代わりに、福島県龍興寺所蔵の 《一字蓮台法華経〈開結共(巻第六欠)/〉》 が出展されていたようです。
逃した魚は大きかったかも。
そして、最後は、伊達政宗によって創建された大崎八幡宮へ。
桃山建築の傑作と称されるだけあって、《大崎八幡宮》 (ジャンル:建造物) の本殿は、確かに豪華絢爛でした。
ただ、この手のタイプの国宝建造物は、
京都でも日光でも観ているので、そんなに感動はありませんでした (笑)
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第九十七話 国宝ハンター、押しきる!
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