Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

広重と清親-清親没後100年記念 (前期)

$
0
0

今年2015年は、西洋風の表現を意識し、
光と影の表現に工夫を凝らした 「光線画」 で一世を風靡した浮世絵師・小林清親の没後100年の節目の年。
それを記念して、太田記念美術館では “広重と清親-清親没後100年記念” が開催されています。

小林清親の代表作の数々が紹介されているのは、もちろんのこと。

高輪牛町朧月景  《高輪牛町朧月景》


小林清親が 「明治の広重」 と評されていたことにちなんで、

名所江戸百景 大はしあたけの夕立  《名所江戸百景 大はしあたけの夕立》

月に雁  《月に雁》


歌川広重の代表作の数々も、併せて紹介されていました。
2人の作品を、それぞれに紹介するのではなく、
対比させるように展示していたのが何よりも興味深かったです。
例えば、以下の2枚は、広重と清親が、それぞれ日本橋の大伝馬町を描いたもの。

広重  清親


描かれている場所が同じなので、当然似ている部分もありますが。
清親の作品には、電線やガス灯、人力車などが描き込まれており、
新しさ (・・・と言っても、明治時代ですが) が感じられます。
2枚を並べて展示することで、まるで 『ビフォーアフター』 のような味わいがありました。
星星


と、そんな広重と清親のW主演の展覧会ですが。
やはり、より注目してしまうのは、今年没後100年を迎えた小林清親の作品のほうでした。
(広重は、いつでも観れそうな気がするので)

改めて、小林清親の作品をまとめて鑑賞して思ったのは、

二重橋前乗馬兵  《二重橋前乗馬兵》


“意外と、清親って人物の絵が上手くないんだなぁ (ボソッ)”

ということ。
全部が全部というわけではないのですが、
無理に西洋風に描こうとして、結果的にモノにできてないような印象を受けました。
だから、 “シルエットで描くようになったのでは?” と思わず勘ぐってしまったほどです。

《大川岸一之橋遠景図》  《大川岸一之橋遠景図》


その代りと言ってはなんですが (?) 、動物の描写は上手かったです。

猫にカンバス  《カンバスに猫》


ちなみに、今回出展されている清親作品の中で、
最も印象に残っているのは、 《第二回内勧業博覧会内五角堂》 です。

第二回内勧業博覧会内五角堂


なんとも不思議な建築。
一体、どうなっているのでしょう??




10位以内キープを目指して、ランキングに挑戦中!(現在3位アップ
皆様、下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ   にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles