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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ユトリロとヴァラドン―母と子の物語

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現在、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、

ポスター


“ユトリロとヴァラドン―母と子の物語” が開催されています。
こちらは、日本人に人気の高い画家モーリス・ユトリロと、
その母であるスュザンヌ・ヴァラドンの親子を紹介する美術展です。
(↑声に出しづらいですが、 「スュ」 ザンヌです)

これまでは、ユトリロの母として、
もしくは、ルノワールやロートレックのモデルとして紹介されることが多かったスュザンヌ・ヴァラドン。
今回の美術展では、画家としてのスュザンヌ・ヴァラドンにスポットが当てられています。


美術展の構成としては、ユトリロの作品が約40点に、
ヴァラドンの作品が約40点と、イーブンではありましたが。
間違いなく、今回の美術展の真の主役は、スュザンヌ・ヴァラドン。
おそらく、ユトリロの人気でお客さんを集め、
ヴァラドンの画家としての魅力を知ってもらおうという魂胆です (笑)

ただ、その魂胆にまんまとハマってしまいました。
ユトリロの作品が目当てで、美術展に足を運んだのですが。

ユトリロ  ユトリロ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)


もちろんユトリロの作品も良かったのですが (特に “白の時代” の作品!) 、
結果として、印象に残っているのは、スュザンヌ・ヴァラドンの作品のほうです。
「ユトリロとその母ヴァラドンの美術展」 と思いきや、
蓋を開けたら、 「ヴァラドンとその息子ユトリロの美術展」 でした。
星星


ヴァラドンの作品は、とにもかくにも強烈。
ドガにデッサン力を絶賛されたというだけあって、特に線が強烈です。

裸婦の立像と猫  スュザンヌ・ヴァラドン 《裸婦の立像と猫》
1919年 油彩、キャンヴァス 61×50cm 個人蔵


絵だけ見れば、ユトリロよりも男性的な印象でした。
個人的な感想としては、あまりに線が強烈過ぎて、
ヴァラドンが描く人物画、とりわけヌード画は好きになれなかったのですが。

ヴァラドン


強烈な線で描かれたヴァラドンの静物画や室内画は、
独特の個性があって、妙に惹かれるものがありました。

ヴァラドン


ちなみに、一番気になったヴァラドンの絵が、こちら。

スュザンヌ  スュザンヌ・ヴァラドン 《コルト通り12番地、モンマルトル》
1919年 油彩、キャンヴァス 92×73cm 個人蔵


家の前で体育座りをしている女性が気になります。
なぜ、こんなポーズを取っているのか?
もしかしたら、家の鍵を無くしてしまい、途方に暮れているのでしょうか。


またヴァラドンが、息子ユトリロを描いた作品も印象的でした。

ユトリロ


母と子の愛が感じられる一枚です。

ただ、この絵から、いくら愛情が感じられようとも、
僕は、スュザンヌ・ヴァラドンを母にはしたくありません。
というのも、ヴァラドンは44歳のときに、
息子ユトリロの友人である画家ユッテル (21歳差!) と恋愛関係になり、
のちに再婚までしてしまうのです。
例えるならば、僕の母が僕の相方と再婚するようなもの。
・・・・・想像するだけで、滅入りました。
それはユトリロも、酒に溺れるはずです。


 ┃会期:2015年4月18日(土)~6月28日(日)
 ┃会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
 ┃
http://www.sjnk-museum.org/


~読者の皆様へのプレゼント~
こちらの “ユトリロとヴァラドン” のペアチケットを、5組10名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。

http://homepage3.nifty.com/art-teller/tony_contact.htm
(〆切は、4月30日。当選は発送をもって代えさせていただきます)





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