今年2015年は、女性で初めて文化勲章を受章した日本画家・上村松園の生誕140年という節目の年。
それを記念して、上村松園作品を多く所蔵している山種美術館では、
“【特別展】上村松園 生誕140年記念 松園と華麗なる女性画家たち” が開催されています。
(注:掲載されている館内の写真は、特別に許可を頂き撮影されたものです)
美術展のメインは何と言っても、山種美術館が所蔵する上村松園作品全18点。
《新蛍》 を筆頭に、
上村松園 《新蛍》 1929(昭和4)年 絹本・彩色 山種美術館
全ての松園コレクションが一挙に公開されていました。
それに加え、今回は、近隣の実践女子学園香雪記念資料館と提携し、
実践女子学園香雪記念資料館がコレクションしている女性画家作品も併せて紹介されています。
女性初の帝室技芸員であった野口小蘋といった有名どころから、
大正三美人の一人に数えられた九条武子など、知る人ぞ知る女性画家まで。
“女性画家の園” と化した会場は、まさに美術版の大奥状態でした。
ちなみに、それらの中には、片岡球子の作品も。
片岡球子 《北斎の娘おゑい》 1982(昭和57)年 紙本・彩色 山種美術館
モデルは、北斎の娘にして女絵師として知られるお栄 (葛飾応為) です。
お栄と言えば、彼女を主役にしたアニメ映画 『百日紅~Miss HOKUSAI~』 が間もなく公開されます。
そういう意味でも、タイムリーな作品と言えましょう。
さてさて、上村松園と同じ帝室技芸員繋がりで、
横山大観や竹内栖鳳などの男性画家の作品も展示されてはいたのですが。
彼らの作品はまとめて、小展示室に。
いつもは堂々とした印象の彼らの作品が、
今回の美術展に限っては、なぜか肩身が狭そうな印象を受けてしまいました。
男性なんて、そんなものです。
今回の美術展を通じて、多くの女性画家の作品をまとめて目にしたのですが。
改めて、個人的には、上村松園の実力が一歩抜きん出ているような気がしました。
上村松園 《牡丹雪》 1944(昭和19)年 絹本・彩色 山種美術館
描かれている女性の表情や、指使いなどの細やかな仕草、
女性たちが身に着けている着物や簪などの小物にいたるまで。
すべての描写に神経が行き届いているのが感じられます。
さらに言えば、掛軸の表装にまで神経が行き届いていました。
良い絵を観たというよりは、良い仕事を観たという印象です。
ちなみに、松園が描く女性は、とても穏やかではんなりとした姿なのに、
あまりに細部まで神経を行き届かせて描いてるため、絵全体には張り詰めたような緊張感が漂っています。
おそらく松園自身も絵同様に、かなりピシッとした女性だったのでしょう。
ドラマ化するのであれば、上村松園役は、野際陽子さんあたりが適任ではなかろうか。
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