本日ご紹介するのは、東京都美術館 企画室で、
6月28日まで開催中の “大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史” 。
200万年前から現代に至る人類の長い歴史を、
大英博物館が誇る約700万点のコレクションから選び抜かれた100の 「モノ」 を通じて辿る展覧会です。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
(実は美術館よりも) 博物館好きなので、開催前からかなり期待していたのですが。
実際の展覧会は、その期待を2段階も3段階も上回る面白さでした!
入り口から出口まで、終始ワクワクしっぱなし。
博物館の楽しさを凝縮、いや濃縮させたような展覧会でした。
教科書にも登場する 《ウルのスタンダード》 や、
《ウルのスタンダード》 紀元前2500年頃 イラク
All photgrphs © The Trustees of the British Museum
映画 『ハリーポッター』 の第1作にも登場する 《ルイス島のチェス駒》 など、
《ルイス島のチェス駒》 1150~1200年 イギリス、ルイス島 おそらくノルウェーで制作
大英博物館を代表するコレクションも含まれていましたが。
おそらく、今回展示されている100の 「モノ」 の大半は、
ホームグラウンドの大英博物館では、 “その他大勢” 扱いの展示品でしょう。
しかし、100の 「モノ」 で人類史を辿るというコンセプトの面白さ、
難しすぎず、軽すぎず、長すぎず・・・と実に適度なキャプションのおかげで、
《ラムセス2世像》 紀元前1280年頃 エジプト、エレファンティネのクヌム神殿
100の 「モノ」 すべてに、興味や関心を抱くことが出来ました。
会場では、終始、知的好奇心が刺激されていた気がします。
また、文明史的な観点からだけでなく、
思いがけず、美術的・造形的にも興味深い作品と多数出合えたのは、アートテラー的には、嬉しいサプライズ。
キリスト教の隆盛とともに消えてしまったというミトラス教の神像や、
《ミトラス神像》 100-200年 イタリア、ローマ
かつて西アフリカで栄えていたというイフェ王国で制作された彫像には、特に強い感銘を受けました。
《イフェの頭像》 1300-1400年代初期 ナイジェリア、イフェ
・・・と、褒めるところだらけの展覧会なのですが。
一つだけツッコむとするならば、99点目の 「モノ」 に関して。
サッカー・ユニフォームのコピー商品 2010年 インドネシア
確かに、サッカーは世界的に人気のあるスポーツで、
人気選手のユニフォームのコピー商品が作られてしまうことが、現代的な意味を持つのはわかります。
が、それにしても、他の選手のユニフォームがあっただろ!!
メッシとかロナウドとか。
ドログバの名前を目にして、昨年のコートジボワール戦の悪夢がよぎってしまう人は多いはず。
わざわざこのユニフォームを、100の 「モノ」 に選んだのは、イギリス流のブラックジョークなのでしょうか。
ちなみに。
本物ではありませんが、大英博物館の代名詞であるロゼッタストーンの原寸大レプリカも展示されています。
この展覧会のために作られたのだそうです。
《ロゼッタ・ストーン(レプリカ)》 紀元前196年 エジプト、エル・ラシード(ロゼッタ)
レプリカといえども、ロゼッタストーンを初めてちゃんと目にしたのですが。
意外と、書かれている文字が雑でビックリしました (特に下段!)
たぶん、自分だったら見つけても、持って帰らなかっただろうという気がします。
重いし。
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大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史
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