~前回までのあらすじ~
考えることといったらKOKUHOUのことばかり。
やることといったらKOKUHOUのハンティングばかり。
そんなミスターKOKUHOUこと国宝ハンターのとに~は、これまでに733件の国宝を目にしてきました。
KOKUHOUの完全制覇を目指す彼は、奈良へと赴いた!
正倉院をあとにし、奈良国立博物館へ。
開催されていたのは、 “まぼろしの久能寺経に出会う 平安古経展” という特別展。
平安時代の写経をテーマにした、なんとも地味な展覧会です。
そう言えば、先々月は京都国立博物館にて、
奈良時代の写経をテーマにした “奈良朝写経” という企画展が開催されていましたっけ。
流行りなのでしょうか?
一般的には地味でも、国宝が13件も出展されている国宝ハンター的には美味しい展覧会。
とは言え、すでにハンティング済のものが多数。
こちらの展覧会でゲットしたのは、《金銀字一切経〈(中尊寺経)/〉》 (ジャンル:書跡・典籍)と、
《一字蓮台法華経〈開結共(巻第六欠)/〉》 (ジャンル:書跡・典籍) 、
《法華経序品〈(竹生島経)/〉》 (ジャンル:書跡・典籍) の3件です。
さらに、常設展では、 《日本書記巻第十残巻》 (ジャンル:書跡・典籍) をはじめ、
《紫紙金字金光明最勝王経》 (ジャンル:書跡・典籍) や、
《伝教大師入唐牒》 (ジャンル:古文書)、長谷寺所蔵の 《法華経》 (ジャンル:書跡・典籍) をゲット。
もうお気づきかもしれませんが、字ばっかりです。
唯一、字じゃなかった国宝 (?) は、 《伝教大師入唐牒》 (ジャンル:考古資料) 。
ただ、この国宝も大事なのは、その銘文。
彫られた銘文によって、今は廃寺となった粟原寺の由緒がハッキリした一級の考古資料のだとか。
やっぱり、字。
さてさて、奈良国立博物館までは、あくまで前座。
今回の国宝ハンティングの旅のメインは、ここからです。
しかし、超タイトなスケジュールなので、マキマキで進めねばなりません。
10時53分。
天理駅に到着です。
ここから目的地である天理大学附属天理図書館に行って、
国宝を観て、11時52分に戻ってこれなければ、ゲームオーバーです。
ということで、天理の街を早歩きで移動。
11時15分には、なんとか天理大学附属天理図書館に辿り着きました。
僕が訪れたのは、4月23日。
この日、天理大学附属天理図書館では、
国宝3点重要文化財8点をする、なんと一日限りの特別展 “「古典籍の至宝」展” が開催されていたのです。
駅から早歩きしていた時には、それっぽい人は見かけなかったのに。
会場には、ビックリするほどの観客がいました!
実は、国宝ハンターは、世の中に相当数いるのかもしれません。
・・・・・って、人の多さに驚いている場合ではありません (汗)
滞在できる時間は、ごくわずかなのです。
観客と観客の隙間から、お目当ての国宝を3件ゲット。
《播磨国風土記》 (ジャンル:書跡・典籍) と、
《類聚名義抄》 (ジャンル:書跡・典籍) と 《日本書紀神代巻〈上下/(吉田本)〉》 (ジャンル:書跡・典籍) です。
時計を見れば、11時25分。
これなら、天理駅にはギリギリ戻れそうです。
とホッとしたのもつかの間、会場を後にしたところで、
天理教の出版社の記者さんから、 「少しだけお時間よろしいですか?」 と声をかけられました。
「どこから来られましたか?」 という質問に 「東京です。」 と答えると、
「えっ、わざわざですか?!」 と驚かれてしまったので、
「まぁ、美術関連の仕事をしているので・・・」
と、やんわり返しました。
すると、
「どんな仕事なんですか?!」
「美術の仕事をされている方から見て、今回の展示品はどうですか?」
と、質問がグイグイ。
適当に返せばいいものを、持ち前のサービス精神を発揮してしまう僕。
アートテラーという仕事について、さらには、展示品に関してもあれこれ話してしまいました。
気づけば、11時35分。
歩きでは確実に駅に間に合いません。
かくして、天理の街をダッシュする羽目に。
サービス精神のバカやろう。
ちなみに、天理教の出版社の記者さんは、とても感じのいい方でした。
(もし、この記事を読んでくださっていたら、悪いのは僕なので、どうぞ気にしないでくださいませ)
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