GWは小旅行気分で、箱根へ。
仙石原にある箱根ラリック美術館を初訪問しました。
箱根 “ラリック” 美術館とあることからもわかるように、
美術館のコレクションの核となるのは、フランスを代表する宝飾とガラスの工芸家ルネ・ラリックの作品です。
その数は、実に約1500点 (!) にも及ぶとのこと。
観光地にありがちな観光客向けのなんちゃって美術館 (←?) では、決してありませんでした。
まずは、ラリックのカーマスコットがお出迎え。
カーマスコットだけならば、都内で過去に開催された美術展で、何度も目にしていますが。
クラシックカーに取り付けられた状態で目にするのは、今回が初めて。
当たり前のことなのですが、 「本当にカーマスコットだったんだ!」 と小さな驚きがありました。
ちなみに、2体あるカーマスコットのうちの1つは、なぜかイナバウアースタイル。
『トゥーランドット』 が聴こえてくるようです。
さて、そんな箱根ラリック美術館は、今年3月でちょうど開館10周年を迎えたそうです。
それを記念し、現在は、企画展示室だけでなく常設展示室も使って、
“開館10周年記念企画展 「ミュシャとラリック」” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。
ただし、この2点のミュシャ作品に関しては写真撮影が可能です)
こちらは、世界初となるミュシャとラリックの美術展です。
正直なところを白状しますと、
「ミュシャの人気にあやかった美術展なんじゃないの~??」
と、いじわるなことを思わないでもなかったのですが。
実は、ミュシャとラリックは、ともに1860年生まれのタメ (=同い年) 。
他にも、フランスで活躍、下積み時代が長かった、
フランスを代表する大女優サラ・ベルナールの知遇を得たなど、さまざまな共通点があるのだとか。
(左の写真は、ミュシャによるサラ主演の演劇のポスター。右の写真は、ラリックがデザインしたサラ愛用のステッキ)
言うなれば、組み合わされるべくして組み合わされた2人の美術展だったのです。
(↑いじわるなことを思ってしまって、すいません)
ミュシャの作品約100点、ラリックの作品約130点を通じて、
2人の芸術家としての共通点が、会場では次々と明らかにされます。
意外な組み合わせどころか、これ以上ないくらいに、しっくり来る組み合わせの2人展。
むしろ、なぜ、これまで他の美術館で開催されたことがないのかが不思議なくらいでした。
と、同時に、もし他の美術館が、ミュシャとラリックの共通点に気づき、実際に開催していたとしても、
いたるところにルネ・ラリックの内装が施された箱根ラリック美術館ほどの豪華な空間は作れなかったはず。
そういう意味では、箱根ラリック美術館で開催されるべくして開催された美術展だったような気がします。
文句なしに素晴らしい美術展でした。
ラリックの美術館なのに、“ラリックとミュシャ” ではなく、
“ミュシャとラリック” と一歩引いたタイトルにした奥ゆかしさも素晴らしいです。
ちなみに、共通点の多いミュシャとラリックですが。
現在知られている限りでは、実際に交流はなかったのだとか。
ただ、そんな2人が共同制作したと言われているサラ・ベルナールの舞台用冠が、
今回の展覧会では、本邦初公開されておりますので、どうぞお見逃しなきように。
アルフォンス・ミュシャデザイン、ルネ・ラリック制作 舞台用冠「ユリ」 1895年頃
さてさて、美術展をたっぷり観賞した後は、
ルネ・ラリックが内装を手がけたことでも知られるオリエント急行のもとへ。
こちらは精巧に作られた模型というわけではなく、なんと本物のオリエント急行!
1時間ごとに定員20名の予約制で、この本物のオリエント急行の中でティーセットを楽しむことが出来るのです。
料金は、2100円。
実際に中に入ってみるまでは、
「ちょっと高いなぁ。。。」
と思っていたのですが。
ルネ・ラリックの装飾美が味わえる豪華な空間で、
当時を再現した食器でティーセットを頂けるのなら、そんなに高額な印象は受けませんでした。
本物のオリエント急行の観賞代 (1200円) +ティーセット代 (900円) という感じです。
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ミュシャとラリック
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