Quantcast
Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

速水御舟とその周辺 ―大正期日本画の俊英たち

$
0
0

今年2015年は、天才日本画家・速水御舟 (1894~1935) の没後80年という節目の年。
それを記念して、世田谷美術館では、
“速水御舟とその周辺 ―大正期日本画の俊英たち” が開催されています。

タイトルに、 「その周辺」 とあるように。
速水御舟の作品だけでなく、速水御舟の師や兄弟子の作品や、
終生良きライバル関係にあった小茂田青樹の作品、

  小茂田青樹 《四季草花図・夏》 1919年 滋賀県立近代美術館蔵
(注:展示は、5月31日まで)



御舟の画風を受け継いだ弟子たちの作品も多く紹介されていました。

吉田善彦《苔庭》  吉田善彦 《苔庭》 1947年


しかし、やっぱり速水御舟は別格で、
「あっ、この絵イイ!」 と思ったものは、ほぼ速水御舟の作品でした。 (たまに小茂田青樹の作品も)
御舟以外の作品は、じっくり向き合って初めて 「あぁ、この絵いいかもなぁ」 となるのですが。
御舟の作品の場合は、理性よりも前に本能が反応するといいましょうか。
作品が目に飛び込んだ瞬間、
いや、視野の端っこにフレームインした瞬間には、 「あっ、この絵イイ!」 と感じられます。
即ドーパミン。
この反応速度は、フレッツ光よりも速い気がします。


大々的な速水御舟展ではありますが。
質、量ともに日本一の御舟コレクションを誇る山種美術館の御舟作品は、残念ながら出展されていません。
それだけに、

“山種美術館の御舟作品抜きで、大丈夫なのかなぁ・・・”

と、実は会場を訪れるまで心配していたのですが。
それは全くの杞憂に終わりました。
昨年の 『美の巨人たち』 でも取り上げられていた 《洛北修学院村》 や、

洛北修学院村  速水御舟 《洛北修学院村》 1918年 滋賀県立近代美術館蔵
(注:展示は、5月31日まで)



妻をモデルに描いたとされる 《女二題》 をはじめ、

女 女
速水御舟 《女二題》 1931年 福島県立美術館蔵


日本各地から集結した御舟作品を、たっぷりと堪能できる展覧会でした。
御舟ファン、日本美術ファンならずとも、
美術ファンなら抑えておきたい展覧会です。
星星


ちなみに、展覧会は前後期があり、出展作品は大きく入れ替わるそうです。
後期には、御舟の 《菊花図》 が出展されるとのこと。

菊花図 菊花図
速水御舟 《菊花図》 1921年 (注:展示は、6月2日から)


後期も行かねば。




1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位ですアップ
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ  にほんブログ村 美術ブログへ


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5005

Trending Articles