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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第百二話 国宝ハンター、心の中でツッコむ!

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前回までのあらすじ~
 世の中には2種類の人間がいる。
 国宝をハンティングする人と、しない人だ。
 その前者である国宝ハンター・とに~は、これまでに761件の国宝をハンティングした。
 しかし、ゴールの1095件までの道は、まだまだ長い―。
 世の中には2種類の人間がいる。
 国宝ハンターを応援する人と、しない人だ。 (応援待ってますw)



両親より、たまには旅行に行こうという誘いがありました。
好きな場所を決めていい、と言われたので、いろいろと考えたのですが。
結局、まだ見ぬ国宝のある地を選んでいる自分がいました。
もはや国宝ハンターが、職業病の域に達している気がします (笑)

かくして、旅行先は福島県に決定。
目指すは福島県唯一の国宝建造物・白水阿弥陀堂です。

父が車を運転してくれたおかげで、
自分は何の苦労もすることなく、白水阿弥陀堂へと到着しました。

天気はあいにくの雨。
くわえて、駐車場付近には、白水阿弥陀堂をテキトーな感じで再現した観光案内所。。。

観光


なんとなく、「来なきゃよかった・・・」 という空気が親子を襲います。

しかし、白水阿弥陀堂を目の当たりにした瞬間、その空気は一変しました!

東山魁夷の絵画世界のような山々をバックにした白水阿弥陀堂。

飴  東


そして、白水阿弥陀堂の手前に広がる浄土式庭園。

浄土  浄土


この光景が観られただけでも、来た甲斐がありました。
もちろん国宝に指定されている 《阿弥陀堂(白水阿弥陀堂)》 (ジャンル:建造物) も素晴らしかったです。

白水阿弥陀堂  白水阿弥陀堂


どの角度から眺めても絵になる完璧なプロポーション。
屋根の曲線美に惚れ惚れとしました。

ちなみに、こちらの白水阿弥陀堂は、
奥州藤原氏の娘・徳姫が夫の菩提を弔うために平安時代後期に建立したもので、
実家である毛越寺や無量光院といった平泉の寺院の構造に影響を受けているのだとか。
白水という地名も、平泉の 『泉』 が由来という説もあるのだそうです。

内部は写真撮影不可ですが、拝観は可能。
本尊で重要文化財の阿弥陀如来像を中心にした5体の仏像を拝観することが出来ます。
拝観していると、急にどこからともなく声がしました。
暗がりにいた住職さんが、いきなり白水阿弥陀堂の建築と仏像について語り始めたのです!

“ちょっ、いきなり?!”

僕らのために語っているのでしょうが。
語り伝えるという感じでは全くなく、ただ単に暗唱しているといった感じ。
しかも、ちょっとボソボソしていて、聞き取りづらい。
壊れかけのレディオかと思いました。

そんな僕の戸惑いはガン無視して、3分くらいの尺の暗唱が終了。
終わったと同時に、住職さんは胸元をボリボリ掻き始めました。

“いや、今、掻くなよw”


住職さんの解説はアレでしたが。
白水阿弥陀堂の素晴らしさは変わりません。


白水阿弥陀堂を後にし、浄土式庭園を回遊してみることに。

浄土式庭園  浄土式庭園


庭園内には梅の木が多くあり、熟した梅が大量に地面に落ちていました。
それらを目にするたびに母が、

「あぁ、梅がもったいないね」

と口にするのです。
何度も何度もリフレイン。
壊れかけのレディオかと思いました。


今現在の国宝ハンティング数 762/1095




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