今年2015年は、琳派400年の節目の年。
それを記念して、琳派のお膝元・京都では、
「琳派400年記念祭」 と銘打って、大々的なキャンペーンが開催されています。
いよいよ、来月には、京都国立博物館にて、史上最大の琳派展が開催!
まさに、琳派のパーフェクトイヤーです。
そんな中、岡田和生氏が尾形光琳の 《雪松群禽図屏風》 との出合ったことがきっかけで・・・
尾形光琳 《雪松群禽図屏風》 江戸時代 岡田美術館蔵
(注:記事に使用している作品画像及び館内画像は、岡田美術館さんの許可を得て掲載されています)
2013年に箱根にオープンした岡田美術館でも、大々的な琳派展が開催されています。
その名も、“箱根で琳派 大公開~岡田美術館のRIMPAすべて見せます~” 。
文字通り、岡田美術館が所蔵するすべての琳派コレクションを出し惜しみなく紹介した展覧会です。
その数、実に80点強!
《雪松群禽図屏風》 はもちろんのこと、
尾形光琳 《雪松群禽図屏風》 江戸時代 岡田美術館蔵
同じく尾形光琳作で、胡粉で立体感を出した菊の描写が冴えわたる 《菊図屏風》、
尾形光琳 《菊図屏風》 江戸時代 岡田美術館蔵
さらには、重要文化財に今年指定されたばかりの尾形乾山作 《色絵竜田川文透彫反鉢》 も展示されています。
重要文化財 尾形乾山 《色絵竜田川文透彫反鉢》 江戸時代 岡田美術館蔵
特に印象に残ったのは、数ある尾形乾山作品の中でも、
群を抜いて可愛らしかった 《色絵春草文茶碗》 です。
尾形乾山 《色絵春草文茶碗》 江戸時代 岡田美術館蔵
つくしが、いい味を出しています。
色遣いがポップで、どことなくトイザらスを連想しました。
さてさて、光琳&乾山の尾形兄弟の作品も良かったのですが、
個人的には、それ以上に琳派の祖である俵屋宗達の作品に惹かれました。
例えば、俵屋宗達と本阿弥光悦がコラボした 《謡本》 。
俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書 《謡本》 桃山時代末期~江戸時代初期 岡田美術館蔵
パッと見は、なんだか地味な無地の作品のようですが。
俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書 《謡本》 桃山時代末期~江戸時代初期 岡田美術館蔵
角度を変えて眺めてみると、雲母摺りされた文様が浮かび上がって見えます。
俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書 《謡本》 桃山時代末期~江戸時代初期 岡田美術館蔵
光琳の作品がスタイリッシュなオシャレさ、なら、
宗達の作品は一歩引いた大人のオシャレさ、という感じ。
展覧会では、他にも宗達のダンディな魅力溢れる作品が紹介されていますので、お楽しみに。
・・・と、質、量ともに申し分がない展覧会だったのですが。
ただ一つ残念だったのは、第一部 (京都編―宗達・光悦・光琳など―) と、
第二部 (江戸・大坂編―抱一・其一・芳中など―) に分かれてしまっていたこと。
琳派400年の流れをコンプリートするには、第二部 (2015/12/19~2016/3/31) も観なければ完結しないのです。
作品を入れ替えるのは致し方ないとして、第一部・第二部制ではなく、
前後期制にして、どちらの回でも琳派の流れを一通り追えるような展覧会にしてくれたほうが親切だったような。
さすがに都内から箱根に2度通うのは、しんどいです (笑)
というわけで、2ツ星。
第一部も第二部も両方観たなら、きっと3ツ星。
ちなみに。
琳派展の会場以外では、中国陶磁や日本のやきもの、江戸絵画の名品も展示されています。
その中には、円山応挙や伊藤若冲作品も。
円山応挙 《南天目白図》 江戸時代 岡田美術館蔵
岡田美術館は、琳派作品以外も充実していました。
充実していたと言えば、
岡田美術館のもう一つの名物 (?) 足湯に、足つぼマットが加わっていました!
そんなパワーアップした足湯に浸かりながら、
福井江太郎氏による平成の琳派作品 《風・刻》 を鑑賞。
福井江太郎 《風・刻》 平成25年 岡田美術館蔵
東京に帰りたくないくらいに、充実した時間を過ごせました。
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箱根で琳派 大公開
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