「アートに関する様々なことを初体験していこう!」 というこの企画。
アートテラーになって、もう8年になるからでしょうか。
一通りのことは初体験してしまい、すっかりフェードアウト気味の企画となっていました。
が、まさか、こんな初体験をする日が来ようとは。
誰が想像できたでしょうか。いや、誰も出来ません (←反語表現) 。
なんと高松宮殿下記念世界文化賞の記者発表会に出席して頂きたいとのオファーがあったのです!
高松宮殿下記念世界文化賞と言えば、芸術の分野で国際的に最も権威ある重要な賞のひとつ。
「絵画」、「彫刻」、「建築」、「音楽」、「演劇・映像」の5部門で優れた人物に授与される賞です。
これまでに、バルテュスやサイ・トゥオンブリー、クリストとジャンヌ=クロード、
草間彌生さん、ニキ・ド・サン・ファール、丹下健三、小澤征爾さん、黒澤明・・・などなど、
そうそうたるメンバーが受賞してきたことでも知られています。
そんな重要な賞の受賞記者発表会に、
僕のような野良アートテラーが出席するだなんて、いくらなんでも畏れ多いです。
なので、一度は丁重にお断りしたのですが、
それでも強く勧めて頂いたので、お言葉に甘えて、本日12時からの記者発表会に出席してまいりました。
場所は、日本プレスセンター内のプレスセンターホール。
開始時間ギリギリに到着すると、そこには多くの関係者や記者の姿がありました。
これまでに、美術展の記者発表会には何度か出席させて頂いていますが。
それらと違って、重々しく緊張した雰囲気が漂っていました。
さらに、登壇者もすでに壇上に勢揃い。
センターにいらっしゃったのは、アジア委員会委員長を務める中曽根康弘さんです。
どうりで、全体的に緊張した雰囲気が漂っているはずです。はい。
場違いな場所に紛れてしまったという緊張でいっぱいになる僕。
カラッカラに渇いたのどを、サーブされたオレンジジュースで潤しました。
さて、出席者の紹介、主催者代表の挨拶があって、
いよいよ中曽根さんより受賞者の発表があります。
ドラムロールとか無く (←当たり前!)、淡々と受賞者の名が告げられるだけでした。
意外と、あっさり発表されるものなのですね。
が、その後に、各受賞者を紹介する15分ほどのビデオ上映が始まりました。
記者発表のためだけに作られた贅沢なビデオです。
今年の受賞者は、音楽部門が、
「彼女ほどモーツァルトを弾きこなすピアニストはいない」 と称される世界的ピアニスト・内田光子さん。
演劇・映像部門は、100年に1人の逸材とまで称される現代バレエの女王シルヴィ・ギエムさん、
建築部門は、2010年に東京オペラシティ アートギャラリーで個展が開催されたドミニク・ペローさん、
そして、彫刻部門は、大理石の上に牛乳を張った作品 《ミルクストーン》 で、
世界中に衝撃を与えたドイツ人美術家のヴォルフガング・ライプさんでした。
そして、何と言っても、今年の高松宮殿下記念世界文化賞の一番のトピックは・・・
横尾忠則さんが絵画部門を受賞されたことでしょう!
「日本のウォーホール」 と呼ばれ、
日本を代表するイラストレーターとして名声を欲しいままにしていましたが。
1981年に、いわゆる “画家宣言” をし、画家に転向しました。
いわゆる画家宣言―横尾忠則の画家の日記’80‐’83 (ちくま文庫)/筑摩書房
それから約35年の月日を経て、画家として高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。
本当におめでとうございます。
受賞の喜びを語る横尾さん。
その中で、これから制作する作品は遺作になるかもしれないということを意識し、
《遺作1~》 《遺作2~》 とタイトルを付けていきますと、発言されていたのが印象的でした。
まさかの “遺作宣言” です (笑)
さてさて、この高松宮殿下記念世界文化賞の受賞者の情報が解禁されるのが、本日の18時。
つまり、18時ジャストに配信したこの記事が、世界最速ということになってしまいました。
なんとも畏れ多いことです。
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