全英が悶えた (?)、あの展覧会が、ついに日本でも初開催されることになりました。
2013年に大英博物館で世界初開催され、大きな話題となった・・・
そう、春画の展覧会です。
「なぜ、イギリスが開催してるのに、日本では開催されないのか?!」
そんな隠れ春画ファンの方々の声があがるも、
やはり、その性的な描写がネックとなって、日本の各美術館は尻込みしていました。
それならば、と、名乗りを上げたのが、永青文庫。
しかも、この展覧会のために、館内をリニューアル工事してしまったのですから、その本気度は計り知れません。
また、ハード (=会場) だけでなく、もちろんソフト (=春画) も充実。
大英博物館をはじめ、ヨーロッパ諸国や日本の美術館、
個人のコレクションを合わせた約120点の春画の名品が、この展覧会のために集結しています。
かくして開催がスタートした日本初の本格的な春画展、
その名もズバリ “SHUNGA 春画展” に、早速足を運んできました。
実は、密かに秘宝館のような会場を予想していたのですが。 (←オイッ!)
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
むしろ、シックで和モダンな会場でした。
こんな素敵な展示空間に、春画が展示されているなんて・・・と一瞬思ってしまいましたが。
バッチシ春画でした。
覚悟してください、(画中の人々は基本的に) 穿いてませんよ。
というわけで、今回の春画展は、18歳未満は入場禁止です。
春画は18歳になってから。
“なんだかんだ言っても、春画はポルノ” と思っていたのですが、
結論から言えば、今回の展覧会を通じて、そのイメージは確実に変わりました。
確かに、イヤらしいことはイヤらしいのですが、不思議と不快さはありません。
決して淫靡ではなく、陽気でポジティブな印象。
例えるなら、笑福亭鶴光の笑いに近いものがありました。
とにかく予想以上に、「アハハ、くだらないなぁ (笑)」 と、笑ってしまう作品が多かったです。
例えば、手前に映っている伝歌川国芳の 《妖怪見立陰陽画貼帖》 という作品。
一見すると、普通の幽霊画なのですが。
よく見れば、顔面が性器で表現されています。
なんという、くだらなさ!!
また、涅槃図をパロディした 《陽物涅槃図》 という作品も。
仏様が横たわる代わりに、男性のアレが横たわっています。
発想が小学生です (笑)
また、会場でひときわ目を惹いていたのが、作者不詳の 《狐忠信と初音図》 という屏風絵。
実は、こちらの屏風絵。
展示では、甲冑の一部がめくりあがって、
アレがあぁなっている部分が丸見えですが (←大人の皆様、察してください)。
めくり上げた部分を元に戻せば、ちゃんと大事な部分が隠れるという仕組みになっています。
仕掛け絵本のアダルト版といった感じでしょうか。
と、ここまで紹介された春画の数々を目にして、
“あれっ?春画って浮世絵じゃないの?”
と思われた方も多いことでしょう。
実は、僕も、この展覧会を訪れるまで、「春画=性的な描写がある浮世絵」 と思っていました。
が、肉筆画の春画もあろ、必ずしも浮世絵というわけではないようです。
さらに言えば、鎌倉時代に描かれた春画の肉筆画も展示されていました。
「春画=江戸時代の文化」 というわけでもないようです。
春画も、一つの立派な日本文化。
とてもタメになる展覧会でした。
この秋、日本人として、是非とも観ておきたい展覧会です。
恥ずかしい方は、顔を手で覆って、その隙間から見るといいでしょう。
ただ、観終った後、美術館から出る時に、ちょっとだけ気恥ずかしさを感じました。
あんなにも美術館をソソクサと出たことはありません (笑)
ちなみに、グッズも充実していました。
個人的に欲しかったのは (でも、冷静になって断念したのは) 春画のTシャツです。
安心してください、(肝心のところはポケットで) 隠れていますよ。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
SHUNGA 春画展
↧