現在、練馬区立美術館では、開館30周年記念展第3弾として、
“アルフレッド・シスレー展-印象派、空と水辺の風景画家-” が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらは、印象派を代表する風景画家アルフレッド・シスレーの展覧会です。
モネやルノワール、ベルト・モリゾといった印象派の画家と比べてしまうと、
そこまでキャラが立っていない地味なイメージのあるアルフレッド・シスレーですが。
15年前に伊勢丹美術館 (現在は閉館) で開催されたシスレー展には、10万人も来場したとのこと。
実は、隠れファンの多い画家なのです。
さてさて、北は山形美術館から、南は鹿児島市立美術館まで、
会場には、国内の美術館が所蔵するシスレー作品が20点ほど集結しています。
展覧会のはじめに、これらのシスレー作品が惜しげもなく展示されていました。
《サン・マメスのロワン河畔の風景》
1881年 油彩・カンヴァス 鹿児島市立美術館
《葦の川辺─夕日》
1890年 油彩・カンヴァス 茨城県近代美術館
決して派手さはありませんが、ず~っと観てても飽きのこない絵です。
そして、ほっかほっかしています。
食べ物に例えると、ごはんや味噌汁といったところでしょうか。
(くどいようですが、) 決して派手さはありませんが。
温かく、くつろいだ時間を過ごすことができました。
また、ブリヂストン美術館の 《サン=マメス 六月の朝》 を、
休館してしまって以来、久しぶりに観られたのも良かったです。
と、たっぷりとシスレーの作品を味わったあとは、
シスレーが描き続けたセーヌ川そのものを紹介する章に続きます。
シスレーの絵に登場するセーヌ川の情景は、昔からののどかな情景なのかと思いきや。
実は、19世紀の近代化、つまりテクノロジーによって変貌を遂げた河川の情景だったのです!
「えっ、一体どういうこと?!」
というのを、解説パネルや当時の資料を交えて、丹念に解説しています。
セーヌ川をテクノロジーという視点で切り取っていたのは、興味深かったですが。
その一方で、ちょっとお勉強感が強かったような。
美術館というよりは、郷土資料館っぽい印象も受けました。
ちなみに、こちらのコーナーには、意味ありげなワイン樽が2つ。
なぜ、練馬区立郷土資料館・・・もとい、練馬区立美術館にワイン樽が?!
その答えは、ぜひ会場で。
そして、最後の章では、シスレーの風景画が日本の画家に与えた影響が紹介されています。
与えているような、与えていないような、やっぱり与えているような。
シスレーと日本の洋画家との浅からずと深からずな関係を知ることが出来ました。
率直な感想を言えば、アルフレッド・シスレー展と銘打ったからには、
展覧会のはじめの国内にあるアルフレッド・シスレーを紹介するコーナー、
ないしは、シスレーが描き続けたセーヌ川だけでも、十分に成立した気がします。
シスレーの風景画が日本の画家に与えた影響の紹介も微妙なところですが、
それ以上に、セーヌ川繋がりで (?) 荒川の治水事業が紹介されていたのは、完全に微妙な気がしました。
ただ、(本当にくどいようですが、) 決して派手さはありませんが、
アルフレッド・シスレーの作品で満たされた空間は、本当に良かったので。
ちなみに、そんなアルフレッド・シスレー展を、
9月30日に贅沢にも新潮講座の一環で貸切らせて頂けることになりました。
興味がある方は、是非こちらまで↓
http://ameblo.jp/artony/entry-11201204360.html
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アルフレッド・シスレー展
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