~前回までのあらすじ~
日本全国にある国宝を求めて旅を続ける国宝ハンター・とに~。
無謀にも京都と奈良をレンタサイクルで巡るというチャレンジに挑むも、
体力と電動機のバッテリーが切れ、最終目的地である円成寺に辿り着けないという残念な結果に。。。
初のリタイアに、意気消沈。
きょうは国宝ハンター休みます。
京都・奈良での国宝ハンティングの旅が残したものは、大きな挫折感と尋常でない腕の日焼け。
皮がめくれにめくれてしまったので、8月の暑い時期を長袖で過ごすハメになりました。
“あぁ、国宝ハンターさえ、やっていなかったら・・・”
そんな考えが頭をよぎります。
国宝と少し距離を置きたいところでしたが、
国宝のほうから、こちらに近づいてくるので、仕方なく (←?) ハンティングに出掛けました。
まずはサントリー美術館の “藤田美術館の至宝” へ。
こちらは、大阪の藤田美術館が所蔵する9件の国宝のうち、実に8件がやってくるという豪華な展覧会です。
嬉しさ半分、悲しさ半分。
だって、8件も東京に来るとわかっていたなら、
わざわざ藤田美術館を3回も訪れなかったですよ (泣)!!
とは言え、おかげさまで前後期合わせて、《深窓秘抄(百一首)》(ジャンル:書跡・典籍) をはじめ、
《大般若経〈(薬師寺経)/〉》(ジャンル:書跡・典籍)、《仏功徳蒔絵経箱》(ジャンル:工芸品)、
《紙本墨画柴門新月図》(ジャンル:絵画) をハンティングし、藤田美術館が所蔵する国宝は全制覇できました。
続いては、三井記念美術館の “特別展 蔵王権現と修験の至宝” へ。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
こちらでもさまざまな国宝が展示されていましたが、ほとんどがハンティング済。
唯一の例外が・・・
こちらの木札と木の板。
単なる木札と木の板にしか見えませんが、
実は、“日本一危険な国宝” として知られる鳥取の 《三仏寺奥院(投入堂)》 の附の棟札と古材なのです。
《三仏寺奥院(投入堂)》(ジャンル:建造物) は、
国宝ハンターのスペシャルな回に絶対に訪れようと誓っていたのですが。
国宝ハンタールールとして、 「附を観ても国宝を観たことになる」 というのがあるので、涙を呑んでハンティング。
いや、でも、いつか必ず 《三仏寺奥院(投入堂)》 には行きます。
さらに、国宝ハンターのホームとも言うべきトーハクでは、
《太刀〈銘正恒/〉》(ジャンル:工芸品 指定番号00046) と、
《馮子振墨蹟〈与無隠元晦詩/〉》(ジャンル:書跡・典籍) をハンティング。
そして、つい先日、根津美術館で開催中の “根津青山の至宝” にて、
《根本百一羯磨〈巻第六/〉》(ジャンル:書跡・典籍) をハンティングしたわけです。
この約一ヶ月間、都内を出ることがなかったにも関わらず、国宝を8件ゲット!
なんとラッキーな展開なのでしょう!!
・・・・・・・と言いたいところなのですが。
はぁ。。。
何でしょう、この寂寥感は。
「俺、生きてる!!」 って感じがしないんですよねぇ。
ここ最近の国宝ハンターの活動が、過酷続きだったこともあり、
普通に都内の美術館を巡って、国宝を鑑賞するだけでは、物足りなさを感じるようになってしまいました。
普通に都内の美術館を巡って、国宝を鑑賞しているなんて、それはただのアートテラーです。
アートテラーとしての自分。
国宝ハンターとしての自分。
どっちが本当の自分なのだか、わからなくなってきました。
これは、もう旅に出るしかありません!
ということで、近々、国宝ハンター2015秋の旅に出てきます。
今現在の国宝ハンティング数 775/1095
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在7位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
第百六話 国宝ハンター、大いに悩む!
↧